【R18 】必ずイカせる！ 異世界性活

２７２. 散歩大好き

　
「姫！ ペロ！ お前達が受け持つ穴だけは、1人の悪魔も通すなよ！」

「ハイなのです！」

「ワオン！」

　姫とペロは凄まじい速度で、魔法を連射する。
　ペロなどは、いつもと違う鳴き声なので、相当気合いが入っているようだ！

　第一陣歩兵部隊の大将であるブリトニーの父親ガルムも、必死に斬撃波を違う穴に向かって飛ばすが、如何せん、連続して発動できないので、次々に悪魔達が【聖級結界】の内側に入ってくる。

　俺も攻撃魔法を放つが、火力不足で一撃で倒す事ができない。

　他の穴からは、第一陣歩兵部隊の魔法など蚊に刺されたぐらいにしか感じない。と、いった感じで、ドンドン悪魔達が侵入してきている。

　そして、【聖級結界】の内側に侵入してきた悪魔達は容赦なく、空中から攻撃魔法を放ってくるのだ。

「クッ！ 不味いぞ！ 空中から魔法攻撃をかけしてくる悪魔軍団に対処できない！」

「怯むな！ 兎に角、今は【聖級結界】の空いた穴に攻撃を集中しろ！
　できる限り、悪魔達の侵入を抑えるのだ！」

　ガルムが大声で、味方の兵士達に命令する。

　そうだ。今は悪魔達の侵入を防ぐ事だけに集中するのだ。

　後2分程で、穴が完全に塞がる筈なのだ。

　ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!

　姫とペロは、魔法の連射を続ける。

　ズダーン！ ズダーン！ ズダーン！

【聖級結界】の内側に侵入した悪魔達は、空中を飛び回り、攻撃魔法の雨を降らしている。

「ヤバいぞ！ ヤバすぎる！
　姫もペロも肝心なガルムまでも穴の攻撃に必死で、悪魔達の攻撃に構っていられない！」

　タッ！ タッ！ タッ！ タッ！

　1人の男が空中を駆け上がる。
　そして、その男が敵の悪魔のケツを蹴り上げる。

　バキッ!!

　悪魔は横に吹っ飛ばされ、隣を飛んでいた別の悪魔にもぶつかり、2人揃って地面に落下した。

「オオー！ 牛神さんか！」

　なんとその男は、僧侶でありケルベロス流格闘術の使い手、牛神·パウロであった。

　牛神さんは、最近ペロが俺達の修行に付き合っている為、牛神さんの日課であるペロの散歩ができなかったらしい。

　その為、少しでも暇があるとケルベロス教の総本山であるイヌヤマに【聖級移転】で移動し、ペロの父親であるイキ神様、ケルベロス4世の散歩をしてたらしいのである。

　知っての通りケルベロス流格闘術は、人好きで簡単に餌付けされてしまう神獣ケルベロスをイヌヤマから逃がさない為に、ケルベロスに首輪を付けて外を散歩する事から始まった格闘術だ。

　ケルベロスの性格は、基本犬と一緒なので、たまに外で散歩をしてストレス発散させなくてはならないのだ。

　しかし、ケルベロスは大人しいといっても神獣なのだ。
　生半可な人間には、リードを握る事さえ出来ない。

　それを克服する為に、ケルベロス教は独自の鍛錬法を編み出し、それがケルベロス流格闘術と進化していったのだった。

　そして、そのケルベロス流格闘術の1番の修行方法と言われるのがケルベロスの散歩なのだ。

　最終的には、実践が1番だと言う事だ！

　しかし、ケルベロスは普通の犬と同じように、散歩になるととてもはしゃいでしまう。

　あまりのはしゃぎっぷりに、毎年新米散歩係に死人出てしまうのは恒例行事だったりする。

　そしてケルベロス4世の散歩には、凄腕のケルベロス流格闘術の使い手5人掛りで散歩が行われている。

　牛神さんは、そのケルベロス4世の散歩に最近になって、1人で行えるようになったとサンアリに聞いていたのだ。

　ケルベロス流格闘術を極めると、大吉爺さんやブリトニーが行っている空中闊歩が出来るようになるらしい。

　現イキ神様のケルベロス4世の散歩を1人で出来る時点で、強靭な脚力が自然に身に付き、いつの間にか空気を蹴る事が可能になっているからだ。

「お館様、私も参戦致します！」

　突然、俺の影からバハオウが現れる。

　バハオウまで、空中を華麗にまい、次々に敵の悪魔達を倒していく。

　バハオウがどうやって飛んでいるのかは解らないが、多分、くノ一だからだろう。

　忍者は、昔から色んな方法で空を飛ぶと相場が決まっているのだ。

　そうこうしているうちに、【聖級結界】の穴が塞がった。

「助かった……」

　牛神さんやバハオウが現れる前は、もう終わったと思っていたのだが、どうにかやり過ごしたようだ。

「まだだ！」

　第一陣歩兵部隊大将ガルム·ロマンチックが、上空を見上げながら声を発した。

　ガルムの目を追い上空を見上げてみると、新たな巨大魔法陣が約20個、上空に青白く光り輝いていたのだった。