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278. 伏線
しおりを挟む「まあ、従えていたと言うより、無理矢理召喚して使役していたのですね!」
「そっちの方が凄いだろ!
ベルゼブブは、初代漆黒の森の王が気に食わなくても、嫌々ながらも使い魔にさせられていたんだろ!」
「そうですね! 僕の場合は初代漆黒の森の王と、気が合ったのでお手伝いしていたのですが、ベルゼブブは完全に初代漆黒の森の王が気に食わなかったと思いますね!
隙あらば、初代漆黒の森の王を倒そうと画作していましたから!」
初代漆黒の森の王は、どんだけ凄いんだよ……
「やはり、俺には無理だな!
相手が悪過ぎる。」
「そうですね! ゴトウさんには完全に無理ですね!
そして、エリスさんは完全に殺されますね!
何たって、ベルゼブブは天使とエルフが大嫌いですから!
特にエリスさんは、静寂の森のエルフの女王アリシア·ホワイトの娘ですから生かしてはおかないでしょう!」
「…… アマイモン、お前、なんて嫌な言い方をするんだ……
それでエリスさんは、何でアリシア·ホワイトの娘だというだけで殺されるんだ?」
「ゴトウさんは『黒竜戦争』をご存知ですか?」
「前に聞いた事がある。
西の大陸と東の大陸が争った戦争だろ?」
「そうです! その戦争は壮絶を極め、戦争の終盤、亜人排斥を掲げる東の大陸のドラキア帝国は禁忌である異世界召喚魔法を使ったのです!」
「異世界召喚って禁忌なのか?
俺やアマイモンも異世界召喚魔法で、この世界に来たんじゃないのか?」
「そうですよ! 僕もゴトウさんも異世界召喚魔法でこの世界に来ています!
異世界召喚魔法は魔女様のオリジナル魔法ですので!
オリジナルに禁忌とかないですよ!
僕も、初代漆黒の森の王の異世界召喚魔法でこの世界に召喚されましたが、その時、魔女様と初代漆黒の森の王は、同じパーティーメンバーだったので、召喚魔法を魔女様に教えて貰ったと言ってましたよ!
但し、異世界召喚魔法は、膨大な魔素が必要なので、普通の魔術師が発動させても失敗するだけなので、魔女様が禁忌にしたのです!
実際、ドラキア帝国が異世界召喚魔法を発動させた時、それに関わった100人以上の魔術師は魔素を最後の1滴まで吸い取られ全員死んでしまいましたし、本来なら繋がる筈の無い異世界に繋がってしまって、この世界に存在してはならない別の理の異世界の黒龍が召喚されてしまいましたから!」
「フーン。で、『黒竜戦争』と、エリスさんがベルゼブブに殺される理由は何なんだ?」
「『黒竜戦争』の時、ベルゼブブが混乱の隙を狙って西の大陸の静寂の森に攻め込んだんです!
そして、エルフの女王のアリシア·ホワイトと天使達をギリギリまで追い詰めたのですが、そこに突然 黒龍が現れ、両軍ともボロボロのギタギタにされてしまったのです!」
「黒龍どんだけ強いんだよ!」
「そうですね! 黒龍は現在、この世界で最強生物ですから!
それで、ベルゼブブは傷を癒す為に、自分のアジトのダンジョンに最近まで篭っていたのです!」
「フーン。それで何で、最近になってそのダンジョンの入口が現れたんだ?」
「それはですね、姫様に関係しております!
姫様が覚醒した事により、南の大陸中に禍々しい姫様の魔素が循環するようになり、それを糧にベルゼブブが急速に復活したと思われます!」
「そんなんで、復活するのか?」
「異界の悪魔は、ダークエルフの魔素が大好物であり力の源なのです!
それに釣られて、異界まで召喚されてしまう程ですから!
因みに、エルフの魔素は、天使の大好物ですね!
エルフの魔素に釣られて、天使もこの世界に召喚されてしまっていますから!」
「それでベルゼブブは、実際、黒龍にやられたのに、エリスの母親のアリシア·ホワイトに逆恨みしていて、その娘であるエリスも許さないという訳か?」
「まあ、そんな感じですね!
ベルゼブブは、前の世界でも天使と戦い続けていましたし、その天使と仲がいい、エルフが気に食わないだけでしょうが!」
「それで、エリスさんがベルゼブブに殺されると……」
「そうですね!」
「そうですね! じゃねーよ!
エリスさんがベルゼブブに殺されると知っても、俺にはどうする事も出来ないだろ!
俺が助けに行っても、瞬殺されるだけだろ!」
「そうですね! しかし、方法が無い訳ではないですよ!」
「そいつを先に言えよ!
何、勿体ぶって語ってたんだよ!」
「いやいやゴトウさん!
今までの語りは、次の物語に繋がる伏線ですから、どうしても語らなければならなかったのです!」
アマイモンは、涼しい顔をして言い放った。
「お前、伏線とか、どんだけ前の世界の漫画やアニメに毒されているんだ……」
「ゴトウさんは、ワ〇ピースとか好きじゃ無かったのですか?」
「好きに決まってるだろ!
男でワ〇ピースが嫌いな奴なんている訳ないだろ!」
「それなら良いじゃないですか!
伏線は、物語になくてはならない物ですから!」
「ハァ……もう、そんな事どうでも良いから、早くベルゼブブの倒し方を教えろよ」
俺は面倒くさくなって、アマイモンに結論を早く言うように促す。
「結論から言いますと、ゴトウさんは、絶対にベルゼブブを倒す事は出来ません!
ですが、魔女様の【聖級結界】を使って、ベルゼブブを封印する事なら出来る筈です!」
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