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50. ヨナン、大人の階段登る
しおりを挟む俺は現在、人生最大の苦境?苦行にさらされている。
俺の右隣にはカレン。左隣には妹のシスが寝てるのだ。
俺は、全く緊張で寝られない。
「主様、大丈夫ですか?」
心配してか、超絶美形クールビューティのエリスが、真顔で聞いてくる。
「アノ……顔が近過ぎです!」
何故か、警護すると言い張ったエリスの鼻と、俺の鼻がぶつかる。
「すみません。遠くの物はよく見えるのですけど、ちょっとその、近くの物が……」
「そ……そうなんですか……」
「昔は近くも遠くも、良く見えたんですけどね」
「女性に年齢を聞くのはなんですけど、エリスさんって、エリザベスと同じくらいの歳ですか?」
「違いますよ。私、122歳です」
どうやらエリスは、まさかの老眼だった。
「そうだったんですか……俺はてっきり……」
そう。てっきり、エリザベスよりは上だと思ってたが、まさか100歳オーバーだとは思ってなかったのだ。
「ですので、どうぞハッスルしちゃって下さいませ。私、見た目は20歳ぐらいで止まってますが、こう見えても酸いも甘いも、何でも知ってる年頃ですから」
「そうですか……そんな年頃ですか……だけど、ハッスルなんかしませんよ!
2人ともお子様ですから、男女が同じベッドで一晩ぐっすり一緒に寝るだけで、子供が出来ると本気に思ってるみたいですから!」
「ですね。若い時のエリザベスと、カレンさんは本当に似てます。
エリザベスも19歳になるまで、男女が一晩共に寝るだけで、子供が出来ると本気に思ってましたから。
そして、クエストの最中、眠気に耐えられなくて、エドソンと一晩、不可抗力で添い寝しまった事を原因に、結婚を決意しましたから。子供が生まれるー!て、大騒ぎして」
「何ですかそれ?」
「エドソンとエリザベスの結婚秘話です」
エリスは、ヨナンと鼻をくっつけたまま真顔で答える。
「そ……そうなんですか……」
「しかも、エリザベスが17歳の時、結婚しました」
「19歳になるまで、時間がありますね……」
「エリザベスは、脳筋のお子様でしたから」
「まあ、確かに」
「エリザベスは、何で子供ができないんだろうと、本気で悩んでました」
「あの……酸いも甘いも知ってた、エリスさんが教えてあげれば良かったんじゃないですか?」
「私も、当時は、エリザベスと同じように、そう思ってましたから、というか、私、まだ処女ですし。子供の作り方は、19歳になって、初めてエドソンと子作りしたエリザベスに教えてもらったんです。
なので、一通りの子供の作り方は知ってるんです!」
何だか、自信ありげに答える。
というか、122歳で処女?
まあ、エリスは超絶美形でクールビューティー。しかも氷の微笑の称号を持つ、超有名S級冒険者。なので、普通の男性は恐れ多くて、近付く事もできなかったのだろう。それに、天然というか、ちょっとズレてるし。
「あの……もうそろそろ離れてくれませんか?」
「そうでしたね。私は護衛でした。そこのソファで、ジッと、主様の寝姿を凝視しております」
「あの、別に寝ててくれても構いませんが?」
「ん? 主様は、私と子作りしたいのですか?なんなら、手取り足取り教えてあげますよ」
「あの、処女なんですよね?」
「処女ですけど、エリザベスにヤリ方は教えてもらってますので」
「もう、いいですから、ソファで護衛してて下さい!」
「その元気な股間は、私が鎮めなくていいので?」
エリスは、ヨナンのビンビンの下半身を見ながら聞いてくる。
「いいですから!」
ヨナンは、慌てて下半身を押える。
「そしたら、私は、主様のモッコリしたテントを眺めながら、護衛致します」
てな感じで、ヨナンはテントを張ったままだと恥ずかしいので、必死に何も考えないよう無心で眠ろうと努力したのだった。
まあ、結局、ぐっすり眠れたのだが、人生初の夢精をしたのは内緒話。
ついにヨナン、精通し大人になる。
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