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第一章 ヨナン・グラスホッパー編
83. 開戦
野営訓練1日目。午前6:30。
ドッカ~ン!
北側にあるDクラスの班が陣地にしてる少し高台の場所から、爆音が聞こえた。
「遂に、始まったな」
「ヨナン様。Sクラスのアスカチームが、早速、Dクラスの陣地を襲ったようです!」
索敵スキルLv.4のスーザンが伝えてくる。
因みに、スーザンの索敵能力は、当たり前のようにヤヤヤム高地全体をカバー出来ている。
同時に、目の前に半透明な地図が映し出され、攻撃が行われてる場所が点滅してる。
これは鑑定スキルLv.3の共有機能。
俺達のチームは、全て鑑定スキルLv.3によってネットワーク共有されていて、スーザンの索敵スキルLv.4まで、鑑定スキルLv.3によってカスタマイズされ組み込まれてるのである。
でもって、俺の班の人間は、好きな時に、または、鑑定スキルLv.3によって取捨選択されたステータス画面やら、敵や味方の位置が表示された地図画面を、自分自身で表示する事も、鑑定スキルLv.3が判断して表示する事も可能になってたりするのだ。
「これは、もう反則よね!」
「スーザンさんの索敵Lv.4だけでもチートなのに、それを班員全員が共有できるって、他の班の人達が聞いたら、多分、ビックリするよ!」
「多分、他の班の子達。昨日の夜から、陣地周囲の見張りとか、大変だったと思うし……」
そう、多分、他の班は大変だろう。
俺は、全ての陣地の周辺に爆竹をたくさん仕掛け、しかも、1時間置きぐらいに爆発させるという嫌がらせをしていたのである。
名づけて、今日は眠らせないよ作戦。
『ご主人様、たかが学生の野営訓練でも容赦無いですよね……』
鑑定スキルが、呆れ気味に話し掛けてくる。
「アホか! 学生のうちから戦争の厳しさを身をもって勉強させてやってるんだよ!
じゃなければ、エドソンみたいに同じ国の仲間に嵌められて殺される場合だってあるんだからな!」
『なんと! これは嫌がらせじゃなくて! ご主人様の優しさだったんですか!』
「いや……ただの嫌がらせだけど……」
『ですよね!』
てな感じで、野営訓練初日は、何もする事なく過ぎたのだった。
ーーー
野営訓練2日目。
『ご主人様。Cクラスの班が、落とし穴やら、地雷に引っかかって自滅しちゃってますよ』
鑑定スキルが、報告してくれる。
昨日の夜、鑑定スキルの危険を知らせるアラームが少し騒がしかったので、鑑定スキルをオフにして寝てたのである。
多分、俺の班の陣地は、見張りも居ないので簡単に落とせると勘違いしてしまったのだろう。
そんな訳ないじゃん。俺だったら見張りが居ない時点で、何か罠があるかもと思って慎重になるけどね。
『ご主人様。今回は、結構、他の所でも夜襲が多かったみたいですよ!』
「まあ、俺が仕掛けた爆竹がうるさくて眠れなかったんじゃないか?」
『ああ! 成程、それで!』
鑑定スキルは納得したようだ。
まあ、夜中の間、1時間置きに爆竹が鳴ったら、流石に眠れないので、それだったら攻撃を仕掛けようと頭を切り替えたのだろう。
「じゃあ、昼間のうちも爆竹鳴らすか!」
『ご主人様、どんだけ鬼畜なんですか……』
鑑定スキルが、呆れ気味。
てな感じで、朝食を食べに行こうと思ったら、スーザン・スパイダーが話し掛けてきた。
「ヨナン様、まだ、こちらから仕掛けないのですか?」
ずっと徹夜で索敵を続けてくれているスーザンがヨナンに質問してくる。
そう、スーザンだけは不眠不休で頑張ってくれていたのだ。
だって、スーザンが寝ちゃうと索敵出来なくなっちゃうからね!
一応、近くに敵チームが居ない時とか仮眠を取るように言ってるのだが、3徹ぐらい平気ですと拒否されてしまった。
多分、スーザンは睡眠を殆ど取らなくても大丈夫な体質なのだろう。
だって、スーザンが索敵スキルの練習を始めてからというもの殆ど寝ずに、ひたすら索敵し続けたし、そんぐらい常軌を逸した修行をしなければ、索敵Lv.4なんかにならないしね!
「ヨナン様の為、ヨナン様の為、ヨナン様の為……ヨナン様の為なら、いくらでも頑張れる!」
なんか、最近、スーザンがブツブツ言ってる気がするが、女の子に『何ブツブツ言ってるの?』とか、聞くのは失礼だから止めておこう。俺は、紳士的な男なのである。
でもって、朝食を食べながらのミーティング。
俺は、野営訓練初日の昨日、メチャクチャ暇だったので、陣地の要塞の内装を魔改造してたりする。
だって、戦争ってストレスが掛かるもの。それを軽減するのが、指揮官の役目なのだ。
俺は、本気を出して、物凄い内装を作り出してたのである。
まずは、食事と取る円卓。やはり中世の騎士と言ったら、アーサー王の円卓の騎士だよね!
そう。俺と同じ円卓に座る部下達は、俺と同等の権利を有してるのだ。
なので、女子達には、俺と同等に贅沢させなければならない!
円卓は、ケバいゴールド製。しかも、大森林で取れた宝石が散りばめられている。
椅子は、引いたり持ったりしないといけないから、軽さ重視で金箔を貼り、勿論無駄過ぎる装飾も施されている。
食事は、シェフを連れて来る訳には行かなかったので、ロードグラスホッパーホテルの料理人が作ってくれた食事を、魔法の鞄の中に入れて持ってきている。
ベットも、最高級のものを製作し、勿論、結束を高める為、1つのベットで全員が寝れる大きさだ!
でもって、少しでもリラックスさせる為に、孫の手やら、ツボ押し、美顔ローラー、はたまた岩盤浴から、サウナまで作ってやった。
勿論、温泉を掘り当て、ジャクジー風呂から、寝湯、足湯まで。
リクリエーション施設も忘れない。卓球場に、ビリヤード、ボーリング場。トランプにスロットマシン、それからパチンコといたせり尽くせり。
「これって、本当に野外訓練なの?」
マリン・チーターが、フカフカのソファーに腰を掛け、優雅に紅茶を飲みながら、他の女子達と喋っている。
「そうよね……私達、まだ何もしてないし、やった事といえば、少し遠出して、優雅な休日を過ごしてる感じよね……」
「ヨナン君は、明日から頑張ればいいって言うし……本当に、他の班の人達はどうなってるんだろうね?」
女子達は、今更ながら他の班の様子が気になるのであった。
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