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115. イーグル辺境伯の血筋の女達

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「カレンさんと、アンさんと、カトリーヌさんは、昨日、ヨナン様と陛下が、カララムダンジョンを完全攻略した喧騒の最中に、3人だけで、カララムダンジョンに入っていきました」

 俺の狂信的な信者であるスーザン・スパイダーが、真っ赤な目をウルウルさせながら、俺に説明してくれる。
 何で、ウルウルしてるのか、全く意味が分からない。

『多分、ご主人様と2人っきりで話せて、泣くほど嬉しいんですよ!』

 鑑定スキルが、俺だけに解説してくれる。

 ちょっと引き気味になりながらも、俺は、スーザンに質問を続ける。

「なるほどな……で、今も、カララムダンジョンに籠ってると?」

「そうです。現在、70階層に到達してますね!」

「嘘だろ?! カレン達って、確か63階層までしか、到達してないって言ってただろ!」

 俺は、ちょっとビックリする。だって、63階層と、70階層では、魔物の強さが全然違うから。

『ご主人様…… それはご主人様が、木刀で、殆どの敵を殺したからですよ!
 まだ、新たな魔物やら、フロアーボスとかカララムダンジョンから生み出されてないから、カレンさん達、簡単に70階層まで行けちゃったんじゃないですか?』

「でも、普通、1日も経てば、ある程度の魔物は、カララムダンジョンが生み出すだろ?」

『あの、ご主人様、自分の暴れっぷり覚えてます?
 ご主人様、聖剣ムラサメで、70階層を焦土にしちゃいましたよね?
 70階層の全ての遮蔽物を破壊して、外壁までも、カララムダンジョンが、ポッキリ折れない程度まで破壊しちゃったんですよ! 「ゴキブリが、どこに隠れてるか分からん!」とか言って!
 結局、フロアーボスのデッカイゴキブリ以外、ゴキブリ1匹も居ませんでしたけど!
 その70階層の補修の為に、今現在、必死になって、カララムダンジョンさんは、頑張ってる所なんです!
 魔物の補充とか、二の次ですよ!
 ダンジョンにスットクされてた財宝とかも、全て、ご主人様とアレクサンダー君に明け渡してしまったんですから!』

「え? もしかして、俺のせい?」

『ご主人様のせいじゃ無かったら、誰のせいなんですか!』

 何故か、鑑定スキルがカンカンである。

「でも、どうするんだよ? そんな上層階の魔物相手、カレン達に出来るのかよ?」

『出来るも、出来ないも無いんじゃないですか? 多分、カレンさん達は、ご主人様と並び立つ為に、カララムダンジョンの完全攻略を目指してるんですよ!
 そして、僕の見解では、カララムダンジョンを完全攻略するまで、学園に戻ってくる気も無さそうですし』

「嘘だろ……」

『本当です。丁度、今、エリザベスさんから、念話で連絡がありました。
 カレンさん達は、カララムダンジョン完全攻略をするまで、学園には戻って来ないとの事です!
 それから、絶対に、ヨナンには助けに来させないで!とも、言付けされたようです!』

「え? そしたら、謝れないじゃないかよ!」

『もう、謝る必要も無いんじゃないですか?
 ご主人様は、カレンさん達の心に火を付けちゃったんですよ!
 ほら、イーグル辺境伯の血筋の女の人達って、負けず嫌いじゃないですか?
 絶対に、自分達の力だけで、カララムダンジョンを完全攻略してやると、燃えてるんですよ!』

「どこぞの少年漫画の主人公かよ……」

『あの血筋の女の人達は、自分で決めた事は、キッチリやりきらないと気が済まない性格なんですよ!
 エリザベスさんも、グラスホッパー商会を、この国一番の大商会して、しっかりアスカとトップバリュー男爵にザマーしましたし、シスちゃんも、ご主人様の正妻になる為に、今でも努力してます!
 ビクトリアさんも、勝手にグラスホッパー商会グリズリー支部を独自路線で切り盛りしてますしね!』

「確かに、全員、押しかけ女房みたいに、俺の懐にグイグイ入ってきて、勝手に自分がやりたい事を成し遂げて行くんだよな……」

『ですね。しかも、ご主人様を共有しても良いと思ってるイカレた女の人達です!』

「ああ。男は、強くて甲斐性さえあれば、身分とか全く気にしない人達だし……」

『で、どうしますか?』

「そんなの、ほかっとくしか無いだろ?
 カレンや、アン姉ちゃんや、カトリーヌが、俺が止めろと言って、止めるタマか?」

『決して、止めませんね! 甲斐性がある男なら、デンと、待ってろ!とか言いそうですし!』

「だよな」

 てな感じで、俺は、カレン達を、ほおっておく事に決めたのだった。
 きっと、カレンが卒業するまでには、カララムダンジョンも完全攻略出来ると思うし、あの血筋の人達は、やり切っちゃう人達だしね。

 ん? カララム王国学園の単位とかは、大丈夫なのかって?
 そんなのカララム王国学園は、完全実力主義なので、カララムダンジョン完全攻略を成し遂げたら、単位なんて免除されるに決まってるよね。
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