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第一章 ヨナン・グラスホッパー編
114. ヨナン・グラスホッパー伯爵になる
しおりを挟む俺とカララム王アレクサンダー君が、カララムダンジョンを攻略すると、次の日は、国を上げてのお祭りとなった。
まあ、自国の王様が、難攻不落と言われていたカララムダンジョンを完全攻略したとなれば、それは当然の話。
俺も一緒に表彰され、子爵から伯爵に、僅か2週間で爵位が上がってしまった。
前の準男爵から、子爵に爵位が上がった式典から、ずっと王都に滞在していたエドソンは、勿論、号泣。エリザベスも感無量。ジミーは放心。もう、悔しさとか通り越してしまったようである。
「ヨナン君。私は君が凄くなると、最初から分かってたわよ!」
俺の騎士であるマリン・チーターは、満面の笑顔で、俺を称えてくれる。
「やはり、ヨナン様は神」
ヨナン教の狂信的な信者であるスーザン・スパイダーは、最早、何を言ってるのか分からない。
『ご主人様……カレンさん、どこにもいませんね……』
そんな喧騒の中、鑑定スキルが話し掛けてくる。
「ああ。アン姉ちゃんと、カトリーヌまで居ないな……」
『ですね。ご主人様の爵位授与の式典にも、出席してませんでした! あのジミーでも参加してるのに!』
「これは俺に怒って、顔も見たくないという事か?3人とも、夏休み中、必死にカララムダンジョンを攻略してたし……」
『ですね……これは相当怒ってますよ。ご主人様の晴れ舞台である、伯爵位の爵位授与式にも参加しないなんて相当ですよ!
イーグル辺境伯の血筋の女子って、旦那の強さと甲斐性しか求めてませんから、未来の旦那の表彰式的なものに参加しないなんて、絶対に考えられません!』
「だよな……シスみたいに、グラスホッパー伯爵領に居たら、流石に、たった1日じゃカララム王都に来れないけど、カレンもアン姉ちゃんもカトリーヌも、カララム王都に住んでるんだし……」
『ですね! それから、カレンさんだけじゃなく、アンさんとカトリーヌさんも、カレンさんと同じぐらい、ご主人様に怒ってる事を意味してます!』
鑑定スキルの指摘に、ヨナンの体から、サーと、血の気が引き、身震いする程の寒さを感じる。
「どうしよう……」
『どうしよう、じゃないですよ! 今すぐ、カレンさん達を探し出し、土下座して謝って下さい!
アレクサンダー君と2人で、カララムダンジョンを攻略してしまってと!』
「そんな捻りのない、謝り方でいいのかよ!」
『いいんです! 基本、カレンさんも、アンさんも、カトリーヌさんも脳筋ですから!』
「え? 公爵令嬢の、お嬢様お嬢様してるカトリーヌも、脳筋なのかよ?」
『ご主人様も見ましたよね。魔法用の杖で、魔物をタコ殴りするカトリーヌさんを!
アレは、どう考えても脳筋の部類です!』
「だな……」
どうやら、カレン達の謝り方は、普通にヨナンの言葉で謝れば良かったようだ。
「で……どうやって、カレン達を探そう?」
『そんなの、ご主人様には、9人の頼れる女騎士が居るでしょ! その中の1人に、とても頼れる索敵使いが居るじゃないですか!』
「なるほど、スーザン・スパイダーに頼めばいいんだな!」
『そうです!』
てな訳で、早速、スーザンに索敵スキルで、カレン達を探して貰う。
「ヨナン様が私に頼ってくれた。私だけを頼ってくれた……」
なんか、スーザン、ずっとブツブツ言ってて怖い……なんか、目も血走ってるし……
それは置いとて、とっととカレン達の居場所を尋ねる。
「で、どこに居たか、分かったか?」
「ヨナン様。そんなの最初から分かってます。私はずっと、ヨナン様に関係ある者達を、ずっと索敵Lv.4で、24時間監視してますから!」
「えっ? 24時間、監視してるって、お前、寝てるのかよ!」
ヨナンは、スーザンの常軌を逸した証言に、目玉が飛び出でるほど驚く。
2徹、3徹を、いつもしてたのは知ってたが、24時間監視って、一睡も全く寝てない事を意味するのだ。
「その辺は、大丈夫です。最近、寝なくても大丈夫な体になってきましたから」
「寝なくても大丈夫って、本当に大丈夫なのか?」
「何も問題ありません。しっかり脳を半分づつ休息させてますから!」
「あの、そもそも人間の脳みそって、10パーセントしか使われてないって聞いたこと有るんだけど……」
「私の場合は、修行によって100パーセント普通に使えるようになってますから。それで、いつも交互に50パーセントづつ脳を休息させて、眠らなくてもよい体にしてみました!」
もう、言ってる事が、訳わかんない。
普通の人間は、いつも90パーセント、脳が休んでいて、それでも睡眠取らないといけないのに、スーザンは、50パーセントの脳が休んでれば、眠らなくて良いと言う……
「鑑定スキル……意味分かるか?」
『鑑定スキルLv.3の僕を持ってしても、理解不能ですよ……。スーザンさんの場合、ご主人様への信仰心が、何でも可能にしちゃうと思います!』
「そうです!ヨナン様に対する愛の力によって、私は何でも成し遂げてしまえるのです!」
ヤバい。やはり、スーザンはヤバ過ぎる。
きっと、俺もスーザンに毎日監視されてるのだろう。だって、俺以外の奴らも監視してると、自分の口で言ってるし。
というか、スーザンがその気になれば、いつでも俺を殺せてしまう。
だって俺って、寝る時、何も持ってないんだもん。24時間、俺を監視してるスーザンなら、俺がいつ寝てるの分かっちゃうから、その間に簡単に俺を殺せちゃうのだ。
絶対に、スーザンを敵に回してはならない。
「スーザン。本当にいつもありがとうな……」
俺は、取り敢えず、スーザンの頭を撫でて褒めておく。
だって、俺の一番の天敵は、スーザンだと分かってしまったから。
レッドドラゴンでも恐れる俺を、唯一、簡単に殺せる女が、索敵スキルLv.4を持つスーザン・スパイダーなのだから。
「うえへへへへ。ヨナン様に、褒められちゃった……」
血走った目のスーザン・スパイダーは、ヨダレをすすり喜んでいる。
アレ? スーザンって、こんな子だったっけ。
『毎日徹夜で、最近では、常時ナチュラルハイになってるようですね。そして、毎日、ご主人様の事を考えて、オ○ニーしながら、ご主人様を監視してます』
念話スキルが、俺だけに秘密の情報を教えてくれた。
「何、その情報? 怖っ……てか、何でお前がそんなこと知ってるんだよ!」
俺は、スーザンにバレないように鑑定スキルに聞く。
『えっと、学園や学園地下宮殿中に設置してる監視カメラの映像で見てるからですよ。僕、全ての監視カメラと共有されてますんで、勿論、スーザンさんの部屋も監視してますから!』
どうやら、鑑定スキルも、スーザンと同じくらい、ヤバい女?だったようだ。
ーーー
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