125 / 255
第一章 ヨナン・グラスホッパー編
125. 決勝戦
しおりを挟む決勝進出の選手が出揃い、ついに決勝戦。
元々の下馬評通りの結果になって、カレンとアン姉ちゃんとの戦いとなった。
まあ、カレン達がカララムダンジョンに攻略に行く前までは、元々、カレンとアン姉ちゃんが、どっちが強いかで、学園中盛り上がってたし、みんなの期待通りの結果となったと言える。
会場では、相変わらず、アン姉ちゃんが、殺気をダダ漏れにし、それに感化されてしまってるカレンまでも、殺気ダダ漏れにしてしまってるので、試合が始まる前から失神者が続出する始末。
俺は、これではいけないという事で、会場を殺気を抑える防御ガラスの壁で覆い、やっとこさ、安心して観戦出来る環境を作り出す事に成功した。
大工スキルを持ってる俺が、カララム王国学園剣術祭の実行委員じゃなければ、一体、どうなってた事やら。この不測の事態を乗り越える事が出来るのは、俺しか居ないと思うし。
『あの……ご主人様……多分、ご主人様が居なければ、この剣術祭、ここまでレベルが高くならなかったと思いますよ。
そもそも、ご主人様がアレキサンダー君と2人で、カララムダンジョンを完全攻略した事を発端として、カレンさん達に火がついてしまった訳で、ご主人様がカララムダンジョンを攻略しなければ、例年通りの普通の剣術祭になってたと思います!』
鑑定スキルが、優等生ぶって指摘してくる。
絶対に、そんな訳ない。
これは、絶対に、イーグル辺境伯を祖とする血筋の問題なのだ。
やつらは、思い込んだら、何でも成し遂げちゃう性格をしている。
だって、絶対に止まらないんだもん。エリザベスやシスの働きぶり知ってるでしょ。
俺は、あんなに仕事好きの人達、見た事ないし。
やると一度決めたら、なんでもやり切るまで止まらないのだ。
そうして、トップバリュー商会も、トップバリュー男爵も潰し、アスカまでAV女優にしてしまった。
多分、アスカのエロ動画を市場に流したのは、俺の為。
俺の本当の妹のナナは、トップバリュー男爵の性〇隷にされていた。
それの意趣返しするには、どうしたら良いかと考えて、アスカのエロ動画を、敢えて市場に流したのだ。
普通なら、絶対に、この国の王子であるルイ王子の動画まで流さないと思うが、エリザベスは、目的の為ならやり切る女なのである。
例え、自分が所属する国の王族に敵対する事となったとしても、俺の為にやってくれたのだ。
やはり、エリザベスは凄い。ぶっ飛んでる。
本来なら、首が飛んでてもおかしくないのに、その辺は、政界への裏工作をしっかりやってたのだろう。
カレンと、アン姉ちゃんと、カトリーヌは、そのぶっ飛んでるエリザベスと同じ、イーグル辺境伯を祖とする血筋の女なのだ。
一度決めたら、止まる事など決してない。有言実行で、本来、不可能な筈のカララムダンジョン完全攻略を、たった1ヶ月間でやりきってしまったのである。
『ご主人様、凄い女の人達に、目をつけられてしまいましたね……』
なんか、鑑定スキルが、同情気味に言ってくる。
「まあ、俺としては悪い気はしないけど。みんな俺好みの顔というか、殆ど同じ顔してるし、実際は、性格みんな違うけど、芯の部分はみんな一緒。少し人情脆くて、頑張り屋さん。強くて甲斐性さえあれば、顔や身分関係なく、思わず股を開いてしまう、有り得ない性格。
どこの馬の骨かも分からない、俺の事を気に入ってくれて、貴族だというのに、思わず股開いちゃうんだぜ! しかも、働いてくれて金まで稼いでくれちゃうし!」
『あの……ご主人様……もっと良い言い方があると思います。
ご主人様の言い方だと、エリザベスさん達、男に金を貢ぐ、都合の良いビッチにしか聞こえませんから……』
「だな」
『だなじゃないです! 僕は、エリザベスさん達も、ご主人様と同様に好きなんですよ!
変な言い方すると、例え、ご主人様だって許しませんよ!』
「いやいやいや、だから、俺は、エリザベス達が好きだって! 誰が、エドソンが選んだ奥さんの血筋の女を嫌いになれるかよ!
あの、エドソンが選んだ女だぜ! 最高の女に決まってるだろうが!」
俺は、鑑定スキルに言い切ってやる。
そう。エドソンが選んだ女に間違いは無いのだ。
『まあ、確かに、お人好しを絵に書いたようなエドソンの奥さんになってしまうような、奇特な人がエリザベスさんですからね!』
「お前、エドソンを馬鹿にしてるのか?」
『ご主人様だって、エリザベスさん達の事を、直ぐに股を開くビッチだって、言ったじゃないですか!』
「ビッチて言ったのは、お前だろ!」
『そんな訳ないです! すぐに、僕のデータベースを調べれば、分かる事なんですからね! 僕は、自分の会話も全て記憶してるんですから、直ぐに、調べれば分かっちゃうんです!』
「なら、とっとと調べてみろよ!」
『言われなくても、直ぐ、調べますよ!て……本当だ……僕が、最初にエリザベスさん達の事、最初にビッチと言ってる……』
「だよな!」
とか、鑑定スキルと、楽しくワチャワチャやってると、いつの間にか、時間になってたようで、
「それでは、剣鬼カレン・イーグルVS剣姫アン・グラスホッパーとの決勝戦を開始する!」
グロリア先生の号令により、カララム王国学園剣術祭の決勝戦。
剣鬼カレン・イーグルVS剣姫アングラスホッパーとの試合が始まったのであった。
142
あなたにおすすめの小説
神獣転生のはずが半神半人になれたので世界を歩き回って第二人生を楽しみます~
御峰。
ファンタジー
不遇な職場で働いていた神楽湊はリフレッシュのため山に登ったのだが、石に躓いてしまい転げ落ちて異世界転生を果たす事となった。
異世界転生を果たした神楽湊だったが…………朱雀の卵!? どうやら神獣に生まれ変わったようだ……。
前世で人だった記憶があり、新しい人生も人として行きたいと願った湊は、進化の選択肢から『半神半人(デミゴット)』を選択する。
神獣朱雀エインフェリアの息子として生まれた湊は、名前アルマを与えられ、妹クレアと弟ルークとともに育つ事となる。
朱雀との生活を楽しんでいたアルマだったが、母エインフェリアの死と「世界を見て回ってほしい」という頼みにより、妹弟と共に旅に出る事を決意する。
そうしてアルマは新しい第二の人生を歩き始めたのである。
究極スキル『道しるべ』を使い、地図を埋めつつ、色んな種族の街に行っては美味しいモノを食べたり、時には自然から採れたての素材で料理をしたりと自由を満喫しながらも、色んな事件に巻き込まれていくのであった。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる