102 / 135
100話 -いざ、ジュエリア王国へ 9-
しおりを挟む
---誰か。誰か私の娘を。
「…………………んぁっ?!」
誰かに話しかけられた気がして勢いよくベッドから起き上がる。
「……気のせい…か?」
寝ぼけ眼でベッド周辺を見回すが人の気配は無い。
「……生々しい夢だったな」
恐らく明け方であろう景色を窓から見ながら、ついさっきまで見ていた夢を思い出す。
真っ赤に燃える樹々。人々らしきの悲痛な叫び。木が燃える独特の臭いに混じり肉が焼ける様な臭いもしていた。そして、異形の姿をした何かが燃え盛っている場所を走り回っていた。人々らしきと言ったのは、夢に出てきた登場人物は全て真っ黒であったからだ。だが、異形の姿をした奴の顔だけはハッキリと見えた。目は細く黄ばんだ歯を覗かせながらニヤニヤと笑っていた。そして、手に持っていた何かを掲げると、何かを呟いてから振り下ろす。そして冒頭の声が聞こえて目が覚めたと言うわけだ。
「…………風呂入るか」
夢を思い出した所で何か気付くものは無い。所詮、夢は夢でしか無いわけだし、考えるのも無駄だろう。………まぁ生々しい夢だったなとだけ引っかかるが。
「うわっ?!」
ベッドから降りようと思い布団を勢いよく捲ると足元に何かが丸まっていた。それを見た瞬間に声を上げると、丸まっていた物体がモゾモゾと動き出した。
「ん……おはよ、アルス」
「レ、レインか………驚かせんなよ…」
足元に丸まっていたのは子供姿のレインであった。『なんでここに?』、『なんで子供姿なの?』と疑問が浮かんだが、寝起きだったせいか言葉が出てこなかった。
「…まだ朝方じゃん。アルスは早起きだね……」
「変な夢みたから………って!そうじゃなくて!……お前、ここで何してんの?」
「んー……何となく夜中に目が覚めてアルスのベッドで寝ようと思って」
「何で俺のベッドで寝ようとするんだよ…………」
「……怖い夢みたから」
「………はぁ」
見た目は大人ーー今は子供だがーーだけど、怖い夢見たから俺のベッドに来るなんて、やっぱりレインは子供なんだなぁ。
そんなことを思いながらも、レインに布団を被せてからベッドを降りる。
「? どこに行くの?」
布団から顔を覗かせながらレインが話しかける。
「温泉入って来ようかと思って。……完全に目が覚めちゃったからな」
「…私も行く」
「いや、寝てていいぞ?」
「行くったら行くの!準備してくるから待ってて!」
レインはそう言うと布団から飛び出し隣の部屋へと戻っていった。
「レインも昨日のうちに入って無かったのかな?」
窓を開け外の空気を入れながら風呂の準備をする。ボックスから下着類とタオル、そして黄色の桶を取り出す。この桶は『Destiny』で店売りで販売していた盾だ。『おなべのふた』の代わりに運営側が準備した物らしいが、現物を見るとこのちゃっちい桶で攻撃を防げるのかが疑問だ。絶対タックルされただけでボロッボロになると思うんだけどなぁ?あ、ちなみにアヒルさんの玩具は無いよ。
準備し終わり部屋を出るとちょうど隣からレインとナナが出てきた。
「あれ?ナナも目が覚めたの?」
「レインからマスターが温泉に行くと聞いた。なのでボクも行こうと思って」
「…起こされたのかよ」
「お待たせ!早く温泉行こう!」
レインが部屋から出ると同時に、更に隣の部屋の扉が開くのが見えた。
「……あれ?アルス様?どちらに行かれるんですか?」
扉から顔を覗かせたのはチカであった。
「こんな時間に目が覚めちゃったから温泉に入りに行こうと思って。……うるさくしてごめんな?」
うるさくした覚えはないが、レインがバタバタとしたのだろう。そう思った俺はチカへと謝罪する。しかし。
「……………ちょっと待っててください!」
バタンと勢いよく扉が閉まり、バタバタと音がした後、俺と同じ様な温泉道具を持ったチカ達が出てきた。
「えっ?!」
「お待たせしましたわ」
「おはよーみんな!」
「え?チカ達も温泉行くの??寝てて良いんだよ??」
「ナナ達だけ一緒に入るのはズルイです!私達もご一緒します!!」
「えぇ……?」
別に混浴とかじゃないし、来る必要は無いんだけど……。そんな事を思ったが、チカ達は準備し終わってるし、今更断っても意味が分からない。成り行きではあるが、俺はそのままチカ達と温泉へと向かうのであった。
「…………………んぁっ?!」
誰かに話しかけられた気がして勢いよくベッドから起き上がる。
「……気のせい…か?」
寝ぼけ眼でベッド周辺を見回すが人の気配は無い。
「……生々しい夢だったな」
恐らく明け方であろう景色を窓から見ながら、ついさっきまで見ていた夢を思い出す。
真っ赤に燃える樹々。人々らしきの悲痛な叫び。木が燃える独特の臭いに混じり肉が焼ける様な臭いもしていた。そして、異形の姿をした何かが燃え盛っている場所を走り回っていた。人々らしきと言ったのは、夢に出てきた登場人物は全て真っ黒であったからだ。だが、異形の姿をした奴の顔だけはハッキリと見えた。目は細く黄ばんだ歯を覗かせながらニヤニヤと笑っていた。そして、手に持っていた何かを掲げると、何かを呟いてから振り下ろす。そして冒頭の声が聞こえて目が覚めたと言うわけだ。
「…………風呂入るか」
夢を思い出した所で何か気付くものは無い。所詮、夢は夢でしか無いわけだし、考えるのも無駄だろう。………まぁ生々しい夢だったなとだけ引っかかるが。
「うわっ?!」
ベッドから降りようと思い布団を勢いよく捲ると足元に何かが丸まっていた。それを見た瞬間に声を上げると、丸まっていた物体がモゾモゾと動き出した。
「ん……おはよ、アルス」
「レ、レインか………驚かせんなよ…」
足元に丸まっていたのは子供姿のレインであった。『なんでここに?』、『なんで子供姿なの?』と疑問が浮かんだが、寝起きだったせいか言葉が出てこなかった。
「…まだ朝方じゃん。アルスは早起きだね……」
「変な夢みたから………って!そうじゃなくて!……お前、ここで何してんの?」
「んー……何となく夜中に目が覚めてアルスのベッドで寝ようと思って」
「何で俺のベッドで寝ようとするんだよ…………」
「……怖い夢みたから」
「………はぁ」
見た目は大人ーー今は子供だがーーだけど、怖い夢見たから俺のベッドに来るなんて、やっぱりレインは子供なんだなぁ。
そんなことを思いながらも、レインに布団を被せてからベッドを降りる。
「? どこに行くの?」
布団から顔を覗かせながらレインが話しかける。
「温泉入って来ようかと思って。……完全に目が覚めちゃったからな」
「…私も行く」
「いや、寝てていいぞ?」
「行くったら行くの!準備してくるから待ってて!」
レインはそう言うと布団から飛び出し隣の部屋へと戻っていった。
「レインも昨日のうちに入って無かったのかな?」
窓を開け外の空気を入れながら風呂の準備をする。ボックスから下着類とタオル、そして黄色の桶を取り出す。この桶は『Destiny』で店売りで販売していた盾だ。『おなべのふた』の代わりに運営側が準備した物らしいが、現物を見るとこのちゃっちい桶で攻撃を防げるのかが疑問だ。絶対タックルされただけでボロッボロになると思うんだけどなぁ?あ、ちなみにアヒルさんの玩具は無いよ。
準備し終わり部屋を出るとちょうど隣からレインとナナが出てきた。
「あれ?ナナも目が覚めたの?」
「レインからマスターが温泉に行くと聞いた。なのでボクも行こうと思って」
「…起こされたのかよ」
「お待たせ!早く温泉行こう!」
レインが部屋から出ると同時に、更に隣の部屋の扉が開くのが見えた。
「……あれ?アルス様?どちらに行かれるんですか?」
扉から顔を覗かせたのはチカであった。
「こんな時間に目が覚めちゃったから温泉に入りに行こうと思って。……うるさくしてごめんな?」
うるさくした覚えはないが、レインがバタバタとしたのだろう。そう思った俺はチカへと謝罪する。しかし。
「……………ちょっと待っててください!」
バタンと勢いよく扉が閉まり、バタバタと音がした後、俺と同じ様な温泉道具を持ったチカ達が出てきた。
「えっ?!」
「お待たせしましたわ」
「おはよーみんな!」
「え?チカ達も温泉行くの??寝てて良いんだよ??」
「ナナ達だけ一緒に入るのはズルイです!私達もご一緒します!!」
「えぇ……?」
別に混浴とかじゃないし、来る必要は無いんだけど……。そんな事を思ったが、チカ達は準備し終わってるし、今更断っても意味が分からない。成り行きではあるが、俺はそのままチカ達と温泉へと向かうのであった。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる