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毒華の包丁
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「おいおい、まさか芋の芽を食べたとか考えてないだろうな」
カトル芋の芽に毒性があるのは、この国では5歳の子供でさえ知っている。
いくらなんでも、それが原因で食中りが頻発する訳がない。
「芽を食べていたら、幻覚も見ますわよ?」
「え?」
偉そうな王女を凹ませてやろうと、答えを先取りしてみせた辺境警備隊の軍人は虚を突かれ、フリーズする。
「カトル芋の芽には、腹痛や嘔吐、下痢だけじゃなくて、幻覚を引き起こす成分もありますのよ。実際に食べて見ないからか、あまり知られてはいないみたいですけど」
「じゃ、じゃあ、何だってんだよ……」
言い切る王女。
「これが、普通のカトル芋」
ひょい、と取り出したのは土塊の様にも、小石の様にも見えるカトル芋だ。
なかなか立派な大きさで、良い畑で作られたのが見てとれる。
「こっちが食べると腹痛を起こすカトル芋ですわ」
右と左
王女が両手に持つカトル芋は、どちらも外見的な差異は見当たらない。
「切って見れば、一目瞭然ですわ」
トン、トン
テーブルの上に敷かれた板の上で、二つの芋が半分に切られる。
「見てごらんなさい」
芋を何処から持ってきた、だとか、いつの間にテーブルの上に板を置いた、だとか、その物凄く切れそうな包丁は、もしかして王女のマイ包丁?なんて突っ込みは、もはや口にする気力も無くした革命軍は、言われるがままに芋の断面を見比べた。
カトル芋の芽に毒性があるのは、この国では5歳の子供でさえ知っている。
いくらなんでも、それが原因で食中りが頻発する訳がない。
「芽を食べていたら、幻覚も見ますわよ?」
「え?」
偉そうな王女を凹ませてやろうと、答えを先取りしてみせた辺境警備隊の軍人は虚を突かれ、フリーズする。
「カトル芋の芽には、腹痛や嘔吐、下痢だけじゃなくて、幻覚を引き起こす成分もありますのよ。実際に食べて見ないからか、あまり知られてはいないみたいですけど」
「じゃ、じゃあ、何だってんだよ……」
言い切る王女。
「これが、普通のカトル芋」
ひょい、と取り出したのは土塊の様にも、小石の様にも見えるカトル芋だ。
なかなか立派な大きさで、良い畑で作られたのが見てとれる。
「こっちが食べると腹痛を起こすカトル芋ですわ」
右と左
王女が両手に持つカトル芋は、どちらも外見的な差異は見当たらない。
「切って見れば、一目瞭然ですわ」
トン、トン
テーブルの上に敷かれた板の上で、二つの芋が半分に切られる。
「見てごらんなさい」
芋を何処から持ってきた、だとか、いつの間にテーブルの上に板を置いた、だとか、その物凄く切れそうな包丁は、もしかして王女のマイ包丁?なんて突っ込みは、もはや口にする気力も無くした革命軍は、言われるがままに芋の断面を見比べた。
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