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あらわれた野犬と僕
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「参ったなぁ…どうしよう…」
青水芹が無かったし、白耳茸を探さないと…
「あ、そうだ」
社に来た時のお約束を忘れていたよ。
一鉄貨を取り出して、社の前にある石の箱に投げ入れる。
カラカラカラカラ…
どういう仕掛けなのか判らないけど、投げ入れた鉄貨は箱の底を転がって隅にある穴から箱の下側に落ちていく。
そして
『うにゃ~ん』
まるで猫の鳴き声の様な音が社から聞こえてくる。
初めに聞いた時には、気になって社を覗き込んだりしたなぁ。
鉄貨だけじゃ無くて、銅貨を投げ入れて音に変化がないかと調べてみたり、冒険者ギルドで聞き込んでみたりしたっけ。
と、そんな事を考えながら山の反対側に降りる準備をしようとした時だった。
ガサガサと草を鳴らす何かが近付いて来る。
この山で、移動する時に草が音を立てる位大きい何か、と言えば二つしかない。
山菜採りの人間か、野犬のどちらかだ。
「カカカカ」
「やっぱりか」
木を打ち鳴らした様な音で威嚇してくるのは、犬の骨格標本に似た姿の禍物だ。
全身は白樫みたいな見た目の金属で出来ている。群れは作らず常に単独で徘徊し、人間を見つけると襲ってくる。
狼並みとはいかないが、それでも大型犬並みの牙があるし、肉が無いので刃物では倒し難く、そこそこ厄介。
まあ、でも普通に戦える冒険者なら、余程の新人でも無い限り恐くはない相手だ。
僕の場合は、ハズレスキルである才が有効な、数少ない相手なのでむしろ助かる。
身体が禍気で出来ているコイツが彷徨い歩いていた為に、青水芹が育たなかったんだろうし、ドロップする野犬の牙は冒険者ギルドの買い取り品目でもある。
安いけどね。それでも白耳茸に比べたら全然マシだ。
と、いう訳で。
僕はギフトスキルを発動する。
ハズレスキルこと
『禍物従属』を。
青水芹が無かったし、白耳茸を探さないと…
「あ、そうだ」
社に来た時のお約束を忘れていたよ。
一鉄貨を取り出して、社の前にある石の箱に投げ入れる。
カラカラカラカラ…
どういう仕掛けなのか判らないけど、投げ入れた鉄貨は箱の底を転がって隅にある穴から箱の下側に落ちていく。
そして
『うにゃ~ん』
まるで猫の鳴き声の様な音が社から聞こえてくる。
初めに聞いた時には、気になって社を覗き込んだりしたなぁ。
鉄貨だけじゃ無くて、銅貨を投げ入れて音に変化がないかと調べてみたり、冒険者ギルドで聞き込んでみたりしたっけ。
と、そんな事を考えながら山の反対側に降りる準備をしようとした時だった。
ガサガサと草を鳴らす何かが近付いて来る。
この山で、移動する時に草が音を立てる位大きい何か、と言えば二つしかない。
山菜採りの人間か、野犬のどちらかだ。
「カカカカ」
「やっぱりか」
木を打ち鳴らした様な音で威嚇してくるのは、犬の骨格標本に似た姿の禍物だ。
全身は白樫みたいな見た目の金属で出来ている。群れは作らず常に単独で徘徊し、人間を見つけると襲ってくる。
狼並みとはいかないが、それでも大型犬並みの牙があるし、肉が無いので刃物では倒し難く、そこそこ厄介。
まあ、でも普通に戦える冒険者なら、余程の新人でも無い限り恐くはない相手だ。
僕の場合は、ハズレスキルである才が有効な、数少ない相手なのでむしろ助かる。
身体が禍気で出来ているコイツが彷徨い歩いていた為に、青水芹が育たなかったんだろうし、ドロップする野犬の牙は冒険者ギルドの買い取り品目でもある。
安いけどね。それでも白耳茸に比べたら全然マシだ。
と、いう訳で。
僕はギフトスキルを発動する。
ハズレスキルこと
『禍物従属』を。
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