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第28話 コミュ障と狂宴
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温泉で体の疲れを癒し、少しだけリラックスできたサイトウとイズミは、浴衣に着替えて夕食会場へ向かった。社員たちが集まる賑やかな場所に、サイトウは再び気が重くなる。しかし、温泉でイズミと話したことで、少しだけ気分は軽くなっていた。
夕食会場は、すでに社員たちの熱気で満ちていた。美味しそうな料理が並び、皆がお酒を片手に談笑している。サイトウは、隅の方の席に座り、目立たないように食事をすることにした。イズミはサイトウの隣に座り、結菜は藤原さんたち女性社員のグループに加わったようだ。
食事やお酒が進み、宴会ムードが高まっていく。サイトウも、勧められるままに少しだけお酒を飲んだ。普段はあまりお酒を飲まないサイトウだが、今日は非日常の場ということもあり、少しだけ気が緩んでいるのかもしれない。お酒が、サイトウの能力にどう影響するのか、サイトウ自身は知る由もない。
宴会の余興として、カラオケ大会が始まった。サイトウは、歌うのが苦手で、人前で歌うなんて考えられない。カラオケが始まった途端、サイトウはさらに隅の方へと身を寄せた。
しかし、サイトウに逃げ場はなかった。宴会が盛り上がるにつれて、司会者や他の社員たちが、サイトウに歌のリクエストを始めたのだ。
「さあ、宴もたけなわですが、ここでスペシャルゲストをお呼びしましょう! 我らが社の英雄、サイトウくんに、何か一曲歌っていただきましょう!」
司会者に名前を呼ばれ、サイトウは思わず固まった。英雄? 歌? 無理だ!
「サイトウくん、頼むよ! 社を救ってくれたんだから、景気づけに一曲!」
澤田部長が、お酒で顔を赤くしながらサイトウに勧めてくる。
「そうですよ、サイトウさん! 聞きたいです!」
「サイトウさんの歌声、きっと素晴らしいでしょうね!」
他の社員たちも、サイトウへの歌のリクエストで盛り上がっている。サイトウは、人前で歌うことへの強い苦手意識と、目上の人からの勧めを断れない状況に挟まれ、どうすればいいか分からず、顔が青ざめていく。
(どうしよう……! 歌なんて無理だ……! でも、断れない……!)
サイトウは内心で悲鳴を上げていた。
サイトウが困り果てている様子を見かねて(あるいは、サイトウの能力が歌にどう作用するか興味があって)、イズミが助け舟を出した。
「おいおい、一人じゃ心細いだろう。サイトウ、俺とデュエットしようぜ!」
イズミは、サイトウの肩に腕を回し、ステージの方へ促した。イズミの提案に、サイトウは少しだけ気が楽になった。一人で歌うよりは、イズミと一緒の方がまだマシだ。断ることもできないし、イズミと一緒なら、なんとか乗り切れるかもしれない。
「あ……あ、ありがとう……イズミ……」
サイトウは、どもりながら感謝を伝えた。
サイトウとイズミは、社員たちの拍手喝采の中、ステージへ向かった。サイトウは緊張で手足が震えている。イズミは、そんなサイトウの様子を面白そうに見ている。
曲が始まった。イズミはサイトウに「好きな歌、適当に歌え」と言い、サイトウは頭の中で真っ先に思い浮かんだ、少し古めの歌を選んだ。マイクを握る手が震える。サイトウの歌声は、技術的には決して上手くない。音程は危うく、リズムもずれている。しかし、お酒が入ったことと、サイトウの無意識の能力が、彼の歌声に特別な効果を与えていた。
サイトウが歌い進めるにつれて、会場の雰囲気が変わっていく。社員たちの顔から、日頃の仕事の疲れやストレスが消えていくようだ。サイトウの歌声が、聞いている人々の心に直接働きかけ、彼らの心に溜まった負の感情をデトックスしていく。同時に、サイトウの歌声には、人々の心を強く惹きつけ、魅了する効果も加わっていた。
社員たちは、サイトウの歌声に聴き入っている。最初は単なる余興として聞いていた彼らだが、サイトウの歌声から伝わってくる何かによって、感情が揺さぶられているのだ。感動して涙ぐむ者、日頃の悩みがどうでもよくなる者、そして、サイトウの歌声に強く惹きつけられ、サイトウへの好意を露わにする者。
「サイトウくんの歌声……なんて素晴らしいんだ……!」
「スッキリした! なんか、明日から頑張れる気がする!」
「サイトウさん……! あなたは最高です!」
サイトウ自身は、歌いながら自分の歌声に違和感を覚えていた。まるで、自分の体を通して、何か別のものでも歌っているかのようだ。そして、聞いている人々の感情が、異常に強く流れ込んでくるのを感じる。感謝、感動、そして、サイトウへの強い好意。これらの感情の波に、サイトウは戸惑うばかりだ。自分が何をどうしたのか全く理解できない。
イズミは、サイトウの隣で歌いながら、サイトウの歌声と、それに対する周囲の異常な反応を見て、目を見張っていた。
(マジか……お前の能力、歌にも作用するのかよ……しかも、お酒が入ったせいか、普段より強力になってる……)
イズミはサイトウの無自覚な能力の応用範囲の広さと、その強力さに改めて驚愕していた。
(デトックス効果だけじゃねえ……皆、サイトウに魅了されてやがる……タチ悪すぎるだろ、このコミュ力……!)
歌唱が終わり、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。サイトウは、自分がなぜこんなにも称賛されているのか分からず、ただ立ち尽くしていた。体からは、能力を酷使した(サイトウ自身は気づいていないが)疲労感がドッと押し寄せてくる。精神的にも肉体的にも、限界だった。
社員たちの興奮は冷めやらない。サイトウは、その熱気に押され、早くこの場から逃げ出したいと思っていた。
サイトウがステージから降りると、社員たちがサイトウの周りに押し寄せてきた。特に男性陣は、サイトウを囲んで、次々と日本酒やビールを勧めてくる。
「サイトウくん! 最高だったよ! 飲もう飲もう!」
「君のおかげで、今日の疲れ全部吹き飛んだよ! 感謝!」
「サイトウくんともっと話したいんだ! 飲んでくれ!」
サイトウは断りきれず、次々と酒を飲まされてしまう。普段あまりお酒を飲まないサイトウは、あっという間に顔が赤くなり、フラフラになっていく。
一方、女性陣もサイトウに積極的に近づいてくる。
「サイトウさん、歌声素敵でした! 感動しました!」
「サイトウさん、もっと近くで話しましょうよ!」
彼女たちは、サイトウの腕を掴んだり、肩に手を回したり、体を寄せたりと、普段の職場では考えられないような強いボディタッチをしてくる。サイトウは、お酒の勢いと、女性陣からの積極的なアプローチ、そして慣れないボディタッチに、完全にキャパオーバーだ。
(な、なんだこの状況……! お酒飲まされるし、触られるし……! なんでみんなこんなに……!)
サイトウの周りは、まるでサイトウを巡る争奪戦のようだ。男性陣はお酒でサイトウを囲い込み、女性陣はボディタッチでサイトウとの距離を縮めようとする。宴会会場全体が、サイトウの歌声による興奮と、お酒の勢いで、普段の理性や遠慮が失われたような、ある意味「酒池肉林」のような過剰さで、異常な雰囲気に包まれていく。
イズミと結菜は、その光景を少し離れたところから見ていた。最初は、サイトウの歌声による周囲の異常な反応に驚き、それを観察することに面白さを感じていた。しかし、サイトウが酒を飲まされ、女性陣から強いボディタッチを受けて、どんどんぐでんぐでんになっていく様子を見て、結菜の顔から笑みが消えた。
「兄さん……サイトウさん、大丈夫なの……?」
結菜は、心配そうにイズミに話しかけた。
「なんか、皆の様子、おかしくない……? あんなにサイトウさんに群がって……」
イズミも、結菜の言葉に同意した。サイトウの能力が、お酒と合わさることで、周囲の人々を完全にコントロール不能な状態に陥らせているのだ。サイトウ自身も、泥酔して意識が朦朧としており、もう自分でこの状況を抜け出すことはできない。
「ああ、やばいな……」
イズミは真顔になった。
「サイトウの能力、酔っぱらい相手だとさらに制御不能になるらしい。そろそろ、サイトウ、潰れるぞ」
結菜は、イズミの言葉に顔色を悪くした。サイトウの能力がすごいことは分かったが、こんな異常な状況を引き起こしてしまうなんて。そして、サイトウ自身がこんなに苦しんでいるなんて。
「兄さん! サイトウさん、助けなきゃ!」
結菜はイズミに訴えた。
イズミは頷いた。サイトウをこのままにしておくわけにはいかない。
サイトウは、もう立っているのもやっとの状態だった。お酒と疲労、そして周囲の熱気に押されて、意識が遠のき始めている。
イズミは、サイトウの元へ近づいていった。
「サイトウ、ちょっとトイレ行くぞ」
イズミはサイトウの肩に腕を回し、無理やり立ち上がらせた。サイトウは、イズミに体を支えられ、フラフラとイズミにもたれかかる。
「え? トイレ? サイトウくん、どこ行くんだよ!」
「もっと飲もうぜ!」
「サイトウさん、行かないで!」
社員たちの声が後ろから聞こえるが、イズミは構わずサイトウを連れて、宴会会場から出た。ぐでんぐでんになっているサイトウの体を支えながら、イズミはサイトウの部屋へと向かった。
サイトウは、意識が朦朧としており、イズミに連れられていることもよく分かっていないようだ。宴会会場の喧騒が遠ざかっていく。イズミは、サイトウの重い体を支えながら、サイトウを部屋まで連れて帰ることに成功した。
サイトウは、部屋に着くなり、ベッドに倒れ込んだ。完全に泥酔し、疲弊しきっている。イズミはサイトウに布団をかけ、サイトウの荒い息遣いを聞きながら、今回の能力暴走の規模に、改めて呆れと懸念を抱いていた。
夕食会場は、すでに社員たちの熱気で満ちていた。美味しそうな料理が並び、皆がお酒を片手に談笑している。サイトウは、隅の方の席に座り、目立たないように食事をすることにした。イズミはサイトウの隣に座り、結菜は藤原さんたち女性社員のグループに加わったようだ。
食事やお酒が進み、宴会ムードが高まっていく。サイトウも、勧められるままに少しだけお酒を飲んだ。普段はあまりお酒を飲まないサイトウだが、今日は非日常の場ということもあり、少しだけ気が緩んでいるのかもしれない。お酒が、サイトウの能力にどう影響するのか、サイトウ自身は知る由もない。
宴会の余興として、カラオケ大会が始まった。サイトウは、歌うのが苦手で、人前で歌うなんて考えられない。カラオケが始まった途端、サイトウはさらに隅の方へと身を寄せた。
しかし、サイトウに逃げ場はなかった。宴会が盛り上がるにつれて、司会者や他の社員たちが、サイトウに歌のリクエストを始めたのだ。
「さあ、宴もたけなわですが、ここでスペシャルゲストをお呼びしましょう! 我らが社の英雄、サイトウくんに、何か一曲歌っていただきましょう!」
司会者に名前を呼ばれ、サイトウは思わず固まった。英雄? 歌? 無理だ!
「サイトウくん、頼むよ! 社を救ってくれたんだから、景気づけに一曲!」
澤田部長が、お酒で顔を赤くしながらサイトウに勧めてくる。
「そうですよ、サイトウさん! 聞きたいです!」
「サイトウさんの歌声、きっと素晴らしいでしょうね!」
他の社員たちも、サイトウへの歌のリクエストで盛り上がっている。サイトウは、人前で歌うことへの強い苦手意識と、目上の人からの勧めを断れない状況に挟まれ、どうすればいいか分からず、顔が青ざめていく。
(どうしよう……! 歌なんて無理だ……! でも、断れない……!)
サイトウは内心で悲鳴を上げていた。
サイトウが困り果てている様子を見かねて(あるいは、サイトウの能力が歌にどう作用するか興味があって)、イズミが助け舟を出した。
「おいおい、一人じゃ心細いだろう。サイトウ、俺とデュエットしようぜ!」
イズミは、サイトウの肩に腕を回し、ステージの方へ促した。イズミの提案に、サイトウは少しだけ気が楽になった。一人で歌うよりは、イズミと一緒の方がまだマシだ。断ることもできないし、イズミと一緒なら、なんとか乗り切れるかもしれない。
「あ……あ、ありがとう……イズミ……」
サイトウは、どもりながら感謝を伝えた。
サイトウとイズミは、社員たちの拍手喝采の中、ステージへ向かった。サイトウは緊張で手足が震えている。イズミは、そんなサイトウの様子を面白そうに見ている。
曲が始まった。イズミはサイトウに「好きな歌、適当に歌え」と言い、サイトウは頭の中で真っ先に思い浮かんだ、少し古めの歌を選んだ。マイクを握る手が震える。サイトウの歌声は、技術的には決して上手くない。音程は危うく、リズムもずれている。しかし、お酒が入ったことと、サイトウの無意識の能力が、彼の歌声に特別な効果を与えていた。
サイトウが歌い進めるにつれて、会場の雰囲気が変わっていく。社員たちの顔から、日頃の仕事の疲れやストレスが消えていくようだ。サイトウの歌声が、聞いている人々の心に直接働きかけ、彼らの心に溜まった負の感情をデトックスしていく。同時に、サイトウの歌声には、人々の心を強く惹きつけ、魅了する効果も加わっていた。
社員たちは、サイトウの歌声に聴き入っている。最初は単なる余興として聞いていた彼らだが、サイトウの歌声から伝わってくる何かによって、感情が揺さぶられているのだ。感動して涙ぐむ者、日頃の悩みがどうでもよくなる者、そして、サイトウの歌声に強く惹きつけられ、サイトウへの好意を露わにする者。
「サイトウくんの歌声……なんて素晴らしいんだ……!」
「スッキリした! なんか、明日から頑張れる気がする!」
「サイトウさん……! あなたは最高です!」
サイトウ自身は、歌いながら自分の歌声に違和感を覚えていた。まるで、自分の体を通して、何か別のものでも歌っているかのようだ。そして、聞いている人々の感情が、異常に強く流れ込んでくるのを感じる。感謝、感動、そして、サイトウへの強い好意。これらの感情の波に、サイトウは戸惑うばかりだ。自分が何をどうしたのか全く理解できない。
イズミは、サイトウの隣で歌いながら、サイトウの歌声と、それに対する周囲の異常な反応を見て、目を見張っていた。
(マジか……お前の能力、歌にも作用するのかよ……しかも、お酒が入ったせいか、普段より強力になってる……)
イズミはサイトウの無自覚な能力の応用範囲の広さと、その強力さに改めて驚愕していた。
(デトックス効果だけじゃねえ……皆、サイトウに魅了されてやがる……タチ悪すぎるだろ、このコミュ力……!)
歌唱が終わり、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。サイトウは、自分がなぜこんなにも称賛されているのか分からず、ただ立ち尽くしていた。体からは、能力を酷使した(サイトウ自身は気づいていないが)疲労感がドッと押し寄せてくる。精神的にも肉体的にも、限界だった。
社員たちの興奮は冷めやらない。サイトウは、その熱気に押され、早くこの場から逃げ出したいと思っていた。
サイトウがステージから降りると、社員たちがサイトウの周りに押し寄せてきた。特に男性陣は、サイトウを囲んで、次々と日本酒やビールを勧めてくる。
「サイトウくん! 最高だったよ! 飲もう飲もう!」
「君のおかげで、今日の疲れ全部吹き飛んだよ! 感謝!」
「サイトウくんともっと話したいんだ! 飲んでくれ!」
サイトウは断りきれず、次々と酒を飲まされてしまう。普段あまりお酒を飲まないサイトウは、あっという間に顔が赤くなり、フラフラになっていく。
一方、女性陣もサイトウに積極的に近づいてくる。
「サイトウさん、歌声素敵でした! 感動しました!」
「サイトウさん、もっと近くで話しましょうよ!」
彼女たちは、サイトウの腕を掴んだり、肩に手を回したり、体を寄せたりと、普段の職場では考えられないような強いボディタッチをしてくる。サイトウは、お酒の勢いと、女性陣からの積極的なアプローチ、そして慣れないボディタッチに、完全にキャパオーバーだ。
(な、なんだこの状況……! お酒飲まされるし、触られるし……! なんでみんなこんなに……!)
サイトウの周りは、まるでサイトウを巡る争奪戦のようだ。男性陣はお酒でサイトウを囲い込み、女性陣はボディタッチでサイトウとの距離を縮めようとする。宴会会場全体が、サイトウの歌声による興奮と、お酒の勢いで、普段の理性や遠慮が失われたような、ある意味「酒池肉林」のような過剰さで、異常な雰囲気に包まれていく。
イズミと結菜は、その光景を少し離れたところから見ていた。最初は、サイトウの歌声による周囲の異常な反応に驚き、それを観察することに面白さを感じていた。しかし、サイトウが酒を飲まされ、女性陣から強いボディタッチを受けて、どんどんぐでんぐでんになっていく様子を見て、結菜の顔から笑みが消えた。
「兄さん……サイトウさん、大丈夫なの……?」
結菜は、心配そうにイズミに話しかけた。
「なんか、皆の様子、おかしくない……? あんなにサイトウさんに群がって……」
イズミも、結菜の言葉に同意した。サイトウの能力が、お酒と合わさることで、周囲の人々を完全にコントロール不能な状態に陥らせているのだ。サイトウ自身も、泥酔して意識が朦朧としており、もう自分でこの状況を抜け出すことはできない。
「ああ、やばいな……」
イズミは真顔になった。
「サイトウの能力、酔っぱらい相手だとさらに制御不能になるらしい。そろそろ、サイトウ、潰れるぞ」
結菜は、イズミの言葉に顔色を悪くした。サイトウの能力がすごいことは分かったが、こんな異常な状況を引き起こしてしまうなんて。そして、サイトウ自身がこんなに苦しんでいるなんて。
「兄さん! サイトウさん、助けなきゃ!」
結菜はイズミに訴えた。
イズミは頷いた。サイトウをこのままにしておくわけにはいかない。
サイトウは、もう立っているのもやっとの状態だった。お酒と疲労、そして周囲の熱気に押されて、意識が遠のき始めている。
イズミは、サイトウの元へ近づいていった。
「サイトウ、ちょっとトイレ行くぞ」
イズミはサイトウの肩に腕を回し、無理やり立ち上がらせた。サイトウは、イズミに体を支えられ、フラフラとイズミにもたれかかる。
「え? トイレ? サイトウくん、どこ行くんだよ!」
「もっと飲もうぜ!」
「サイトウさん、行かないで!」
社員たちの声が後ろから聞こえるが、イズミは構わずサイトウを連れて、宴会会場から出た。ぐでんぐでんになっているサイトウの体を支えながら、イズミはサイトウの部屋へと向かった。
サイトウは、意識が朦朧としており、イズミに連れられていることもよく分かっていないようだ。宴会会場の喧騒が遠ざかっていく。イズミは、サイトウの重い体を支えながら、サイトウを部屋まで連れて帰ることに成功した。
サイトウは、部屋に着くなり、ベッドに倒れ込んだ。完全に泥酔し、疲弊しきっている。イズミはサイトウに布団をかけ、サイトウの荒い息遣いを聞きながら、今回の能力暴走の規模に、改めて呆れと懸念を抱いていた。
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