いとこ

かなん

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ss 出会い

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「今年からワシの孫と息子たち一家がこっちに越してきたんじゃ」

ほれ、挨拶せぇ
とお爺ちゃんは言った。

心臓の弱かった海都は遠出が出来ずお盆の帰省が出来ていなかった。それどころか入退院を繰り返しており、やっと4歳になり、病院の医師に空気の綺麗なところに行ったほうがいいとお勧めされ、空気の良いこの島国に引っ越しをした。

「かいと、4さいです」
そう言いながら出した手は3本だった。

それを見ながら芹は
「せりです。5さいです」
そう言いながら同じように手を出した。
4本だった。

海都の父が「おしい。それは3。もう一本だったね。」と微笑ましく笑いながら海都の指に1本足した。それでも海都は分かっておらず、指を3にして4!と叫んでいた。

芹の父も、5はパーだろ。と言ったら、芹は首をふるふるさせた。

「かいとはこれが5になるのかなって!」
海都が3を4だと思うなら、4を5だと思うと思ったらしい。

「間違いを教えるんじゃない」
と言うと芹はじゃあぼくがいっぱい、かいとにいろんなのおしえる!
そう言って芹は海都の手を引っ張りかけ出す。

それに慌てて両親が芹を捕まえた。

「なにするんだよお!」
芹は海都に連れて行ってあげたい場所があったのに、ダメだと言われ不貞腐れた。

「海都くんは走れないの。ゆっくりお手手繋いでみんなで歩いていきましょう?」
そう言って手を繋いでみんなで歩き出すも、海都のペースで芹は我慢できず、繋いでいた父の手と海都の手を振り払って走り出す。

「ぼく!さきにいってる!!」
そう言って海都は駆け出して行った。


それから暫くして海都たちが到着した。
疲れたのか歩いていたはずの海都は父に抱っこされていた。
一面、青い花で埋め尽くされた、綺麗な花畑が海都の視界一面にうつる。

「わあ!」
海都は初めて見るその景色に、笑顔になる。
そして父に笑いかけようと下を見たら、芹が走って海都の下にいた。
そして精一杯背伸びをして、海都に向けて腕を伸ばしている。
その手には青い花で作られた花冠があった。
プルプルと足も手も震えており、それをみた海都の父は海都を降ろした。

そして降ろされた海都に芹は花冠をふわっと海都の頭に乗せた。

「きれいだろ!ママがすきなおはなで、これをつくるとよろこんでくれるんだ!」
どうだ?うれしいだろ!
そう自慢げに、自信ありげに言う。

「ほんと?!ぼくもママにつくりたい!」
そう言うと芹は嬉しそうに

「じゃあぼくがおしえてあげる!」
そう言って2人でしゃがみ込み、花冠を作っていく。

そんな2人を大人達は微笑ましい顔で見ていた。
そして芹と海都も笑顔でぐちゃぐちゃな花冠を作った。
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