灰色の桜が咲く街。

レモン姫

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君を想うこの気持ちを

確かめてみたい

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…………………………………………………

(あ、ゆっちゃんから着信…??)
「もしもし?」

「あ、明!こないだ話したけど、今日バスケ部の朝練あるんだって、昨日マネージャーさんに体験ついでに見にきなって言われてて…もうバス乗ったんだ。学校で会おうね!」

「あ、そっか!!うん!頑張ってね」
「ありがと」
ピッ…。あ、そうだ、いいこと思いついた。。



いつもより少し早くついたのはいいものの、ゆっちゃん見ようと思ったらバスケ部の先輩方必死すぎてそんな雰囲気じゃなかったな、、

…ゆっちゃん、マネージャーか、、ん?てことは…
「!!!!青春レモン4巻のマネージャーがみ」
「白咲ーー!さん、おはよ」

「あ、渡辺くん おはようございます」
「なんでこの時間に校内ふらふら歩いてんの?」

「え!ええとーゆっちゃんを応援しようと…、ん?」
「ん?あっちになんかあんの?」

「…」
「?」

「…あそこでサッカーしてる人って…」

「ん、あーなんだあれ同級生じゃん」

「サッカー、大好きなんですかね、キラキラしてて、っなんか 吸い込まれそうです…」

「…(ボソッ)ばかなの?」

「ん、え?なんで1年生って分かるんですか?」
「靴の色。1年は黒だろ、2年は青。んで3年は赤。」

「そゆことですか!これで先輩かどうか見分けがつくわけですね」

「おう、てか俺もう戻るわ」
「?」
「いや、バスケ。部活。面倒くさくて」
「??」
「…だからー、。サボりだって」

「?!!!!さ、サボりですか!ダメですよ!?
皆さん真剣に練習してるんですから、、
渡辺くんも早くもどっ……ちょ!?」

(な、なんで私手握られてるの…?!?!)

「…中学の時に戻ったみたいだ 話せて楽しかった」
「?、は、離してください、」
「ごめん。じゃー頑張ってくるわ」
そう言って走り去って行った。
相変わらず爽やか。

入学してあの初めて渡辺くんに会ってから
よく見るようになった…

まぁいつ見ても女子に囲まれてるから、
今日は新鮮な気分だった


私サッカー部の、マネージャー 無理かな、、、
もうそろそろ教室へ戻ろうとしたその時、

「おい!!!危ない!!!!!!!」

後ろを振り返った瞬間っ。
バシッと痛い音が開放的な渡り廊下に響いた 。

その音があまりにも大きく、私ははたと地べたに崩れ落ちた。
「っえ」
「…ほんとごめん、!!!怖かったよな、
…怪我とかないか?」

「え、私は大丈、夫  でっあ、てすあ…」
「今、保健室に運ぶから。」



………………………………………………

私は一瞬気絶したらしい。

そのあとの言葉はなにも覚えていなくて‥‥



「(バサッ!!)こっっ!ここここここは!?!?」

「…そ、そんなに驚くか(笑)おはよう?」

その声がするほうを向くと、朝みたあのサッカーをしていた人らしき人がいた。

「あ、…………お (ボソッ)おはようです、、」

「朝は悪かった、1年の伏見ってやつがまだサッカー不慣れでさ…って言い訳だよな、ほんと悪かった
あいつ本当は君のこと心配してとお、おもう、
多分だけど、そ」

「あ、あの!!!」

「ん?」

「こんな私が言うの本当に差し出がましいと思うんですけど、あ(ジャージに苗字書いてる…)」
「あの、はっ長谷川くんが謝ることじゃないと思いますし、…っけ結果的に私は何も無かった訳ですし、」

「いやでも伏見の代わりにでも謝りたくてさ。
実際、白咲さん…?が気絶しちゃったのは俺の防ぎ方にも問題があったりさ、怖がらせたのかもしれないとか思ってて、心配でさ、。」

「私、すごく嬉しかったです。身を制して守ってくれた気がして。青春レモンの6巻目の…、!!
や、(危ない!オタクが、…)あの、それなのに
気絶とかほんとに恥ずかしいです、、
ごめんなさい、」

「そっか…ははっ」

「?」

「無事なら良かったよ。」
「あ、そうだ(笑)白咲明?さん?だよね、保健室に運んでる時に女の子が青ざめた顔して来たからさ、その子に白咲さんのこと聞いたんだ。」


「ゆ、ゆっちゃんだ、あの本当にお騒がせしまして、本当に申し訳なく、今度お礼させてくださ、」

「…?お礼なんていらないよ(笑)」
「え、でも」

「こんなの当然のことだよ。
白咲さんは、ありがとうって言ってくれれば
それで良いわけ!!」
 
その言葉はずっと胸の奥に溶け込んだ、何故か。
むしろ、離れなかった。

そういえば私、いつも周りに気を配って、

何かある度、謝ってばかりで、
それに疲れていたから、?かは分からないけど
現実に目を向けるのをなるべく避けていた…

……………

「そんなこんなで……随分暗くなっちゃったね」

「え!あ、ほんとだ…もう18時半…」

「今日はもう帰ろうか。よかったら送ってくよ」

「や、(待って二人きりとか心臓がっっ)へ!!!」

「ほら、準備して~」
「う、うん…」

………………………………………………………

「本当に今日はありがとう。」
(帰り際心臓飛び出すんじゃないかって心配しかしなくて会話何も覚えてない、、‪( ;ᯅ; ‬))

「全然気にしないでいいんだよ。」
「あ、そうだ、俺さん付けってあんま慣れないからさ。白咲って呼んでもいい?」 

「え、(なんか…)いやっっ……あの、」
「あ、、嫌だったら全然さん付けでもっ」

「い、いや!!な、なななな名前でっっ!!!!」
こんなに大きい声出したのいつぶりかな、

「え。」
ほら驚かれた………




「ははっ そっちのがもっと呼びやすいよ!」

え、なにこれ、、心臓、無くなりそう…


「め、めいです…/////」

「おっけ。じゃあ俺のことも晴空って呼んでな?」

「!!」「そ、それは、まだです…/////」

「そっかそっか(笑)もう帰るわ~じゃーな」

「…////」(いや、なに火照ってるの私!!)


………………………………………………

「ふぅ、」

今日分かった。もし普通に登校していたら、
きっとこんな出会いはなかった。
たまたま。偶然。
伏見くんのボールに当たりそうになった

私を君が…

私のために?庇ってくれた。

私を?助けてくれた。

私の?心配をしてくれた。


これ…これなのかな。
初めて思えた。


これは、恋 。


この偶然の出来事を

君を

信じてみたい。なんて。


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