破壊と救世の支配者

テル

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薬草採集

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俺が作った異空間は時間の流れを操作するなんて便利な機能はなかったはずだ。何者かに干渉されたとしか思えないが、そんなことが出来るのはこの世界におけるかなりの上位層の連中でも無理だろう。ホントどうなってんだよ...
「はぁ...とりあえず薬草採集にいくか...。それじゃ行ってきます、サーシャさん」
「はい、お気を付けて」


門にたどり着くと門兵がなにやら他の冒険者の男と話していた。
どうやら魔力の波長を調べる魔力検査をしているらしい。いつもしているんだろうか?と思ったが、男の兵士に対する発言によってそれは否定された。

「おい!なんで今日に限ってこんな事しなきゃいけないんだよ!いつもは、してないだろ!」
「大人しくしろ。お前だって先程の光柱を見ただろう?王都の中であんな魔法ぶっ放したんだ、見つかったら下手すると国家反逆罪で死刑だぞ。そうなりたくなければ大人しくしておけ。」
「うっ、仕方ないな」
そう言って男は渋々兵士の前に立った。
兵士は手に持っている玉を男の前に出すと、玉が発光し次の瞬間紙に何らかの記号が写っていた。
おぉ、何かすごいな。あんなのが出来てたのか。
「よし、行っていいぞ」

どうやら俺を探しているみたいだし、魔力を抑えてちょっといじってやれば問題ないだろう。

「よし、次!」
俺の番に回ってきたところで、先程と同じ事を繰り返す兵士。
「よし、行っていいぞ」
ふぅ、無事に通れるみたいだな。対策はしたが、内心ではハラハラしてたぞ。

さて、ようやく冒険者としての初仕事が始まるぜ!

今回採集するのはヒトカタ草という主に怪我の治療に使われる薬草である。ただし、これは外傷に限り効果が出るが、病気には効果はない。鎮痛剤としては使えるけどね。

というわけで、クラルト王国から西にしばらく歩いたとこにある森にやって来ました。道中に何体か魔物と遭遇したが全て消し炭にした。うーん、ちょっと威力を抑えたほうがいいよな。王都の人たちに目を付けられるかもしれないし。
俺はヒトカタ草がありそうな場所を探して森を歩く。ヒトカタ草は日向ひなたを好み、大地の生命力を少しずつ吸収するという特徴から、熟成したヒトカタ草の周りには枯れ草や枯れ木があることが多い。
「おっ、これだな?」
俺は手に取ったものがヒトカタ草である事を確認してアイテムボックスに入れた。俺の異空間に入れるのはちょっと怖いしね。アイテムボックスも俺が作った異空間より規模はかなり小さいがそれなりに収容力がある。アイテムボックスも異空間ではあるが、俺のアイテムボックスは他人に干渉されないようにしたり、破損しないように何重もの結界が張られた優れものなので、まだ安心できる。ちなみに俺の異空間に結界は張られていない、というか張れないのだ。それは俺の異空間はアイテムボックスとは違い起源となる物が存在しないためだ。まぁ、そんなわけで普段はアイテムボックスを使うようにしている。


「ふぅ、結構採れたな。ここらへんで切り上げるか。」
そう言い、その場を立ち去ろうとしたとき、悲鳴が聞こえた。駆け寄って見ると、気絶している女性を抱えている男性と5m程ある魔物と対峙している男性の3人がいた。
あれは、オーガか?
「おいっ!早く行け!」
「でも、ブライはどうするんだよ!僕も一緒に...」
「俺は大丈夫だ!早く行って助けを呼んで来てくれ!それまで、なんとか耐えてみせる!」
「くっ、分かった!絶対死ぬなよ!」
そう言って女性を抱えた男性は走り出したが、
「待てっ!!!」
そこでブライと呼ばれた男の制止を訴える叫び声が響いた。
男は振り返ったがそれが自分に向けての叫び声ではないとすぐに分かった。男の後ろにはオーガがいたのだ。
「ひいっ!あ、ああ、、」
男は腰が抜け動けないようだ。
俺はオーガが腕を振り下ろそうとしているのを見て、即座に動いた。
「『氷の盾アイスシールド』!」
男たちの前に現れ、オーガの攻撃を防いだ俺は攻撃に移るためアイテムボックスから1本の剣を取り出した。
「うおぉっ!」
氷の盾アイスシールドを解いた俺は次の瞬間オーガの片腕を切り落とした。
「ぐぅおおおぉぉぁあぁあ!!!」
俺はトドメを刺すべくオーガの首を切り落とした。
「な、なにが起こって...」
「すげぇ...」
俺は未だ何が起こったのか理解できてない男と、驚愕の表情を浮かべているブライという男に声をかけた。
「おい、大丈夫か?」
ブライは女がのもとに行き、無事を確かめると
「あぁ。あんたのおかげで全員無事だ。」
「そうか、なら良かった」
「あんたは、命の恩人だ。今度礼をさせて欲しい」
「いや、礼なんて...」
そう言いかけた時、俺が今無一文だということを思い出した。
「じゃあ、そうだな...このオーガを俺にくれないか?」
「あぁ、もちろんだ!そうだ、俺の名前はブライ、そっちの男はレイネル、でそっちの女がミセルだ。冒険者をしている。あんたの名前を教えてくれないか?」
「アレスだ。俺も冒険者だ。」
「そうか。俺達はミセルも休ませたいし、これから帰るんだが、一緒に帰らないか?」
「そうだな。依頼も終わったし、帰るか」

そう言って俺達はクラルト王国に帰っていった。



    


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