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結婚して2年くらいがたった頃でしょうか。
このようなお話しばかりを読んでいたためか、なぜだか分かりませんが私の周りの環境も変わっていきました。
まず、同じような境遇の女性二人と仲良くなりました。
もともとお互い顔だけは知っていましたが、仲良くなったのはたまたまの偶然で、お庭でお散歩していいると同じように、お散歩している二人にあったのがきっかけでした。
一人は第1王子ロメオ様の妻のニーナさんです。彼女は私よりも2年先にこちらに嫁ぎにきてる子です。彼女の実家もアリル王国の属国である、コーディエ王国です。
彼女は背も高く類いまれなき美貌の持ち主でしたが、気が強く、すぐにロメオ様に嫌われてしまったそうです。
もう一人は第3王子エドガー様の妻のイリスさんです。私とほぼ同時期にこちらに嫁いできました。生まれの国、バーラト王国は言葉が違い、きた直後はまともにコミュニケーションもとれなかったようですが、二年間でほぼネイティブ並みにこちらの言葉をマスターしてしまった才女です。
私たちには属国から人質として嫁ぎにきて、結婚相手の王子からは相手にされず、仕事もない、という共通点があったためすぐに打ち解けることができました。
この現状について愚痴を言い合ったり、お互いの国のことについて話したり、お互いの苦労を共有しあえるのは心の支えとなりました。
私たちが知り合ってから一年が過ぎた頃、いつものように三人でお茶をしているとニーナさんが小声で私たちに囁くのでした。
「なあ、私たちで王子様たちに一泡吹かせてやらないか?」
彼女は悪い顔になっています。
私は部屋の片隅で立っているメイドに聞かれてないかとヒヤヒヤします。
「ちょっと、聞かれたらどうするの?」
私は彼女を咎めます。
「あと、一泡吹かせるってどうやってやるのさ?私たちは人質としてここにいるんだよ!」
「それはわかってるよ!でもさ、この現状変えてみたくない?」
「それはそうだけど…」
イリスさんも弱弱しい声で口を挟みます。
「そうですよ。私たちがやらかすと国に迷惑がかかってしまうのですよ?」
「それもわかっているさ!その上でどうしようかと私は言ってるんだよ」
私たちは黙りこくります。
確かに一泡は吹かせてみたいです。なにかいい案があればと、考えてみますが、なかなかいい案がうかんできません。
3人でしばらくうんうんと悩んでいると、イリスさんが一番最初に話しはじめました。
「まず、私たちの存在を無視できないようにするのがまず第一歩ね」
彼女は私たちに確認するように言います。
「たしかにそれはそうね」
私は彼女に同意しますが、
「でもどうやって?」
と疑問をぶつけます。
「それは今から考えるわ。でもなにをすべきか目標を決めるのは大切でしょう?」
「まあ、それはそうですね。」
私はうなづきます。
「そんな深く考えなくてもだーいじょぶだって!」
私たちの会話を聞いていたニーナさんは我慢ならぬといった感じで言いますと、
「変なことをして迷惑がかかるのは国のほうです。考えなしにやるのは危険すぎます。」
イリスさんがピシャリと彼女の言葉を遮ります。
普段おっとりとしているイリスさんの強烈な言葉にニーナさんは少したじろぎ
「わかったよ…」
と不満げな顔をしながらしょんぼりしてしまいました。
「どのようにしましょうかねえ」
私が半分独り言のように言いますと他の2人も黙ってしまいました。
この沈黙を破ったのはまたイリスさんでした。
「作戦を立てようにも情報が無さすぎるわ。まず、私たちの夫についての情報を集めましょう。」
「なんかスパイみたいな感じで面白そうだな!」
さっきまで不満げに口を尖らせていたニーナさんの目がキラキラし始めました。
「まあそんなところですね。お互いの夫についての情報をそれぞれ集めましょう」
「なんか楽しくなってきたわ」
ニーナさんはノリノリです。
私はというとそんな悪巧みをするのは気がひけるというか、ちゃんと出来るのだろうかと不安なのですが
(まあ仮にも妻であるわけだし彼のことを知ろうとするのは不思議なことじゃないよね、うん)
と自分自身を納得させます。
「それでいつまでに情報を集めればいいんだ?」
ニーナさんが言うと
「そうですね、とりあえず一ヶ月程度の期間をとりましょうか。そこで集まってる、ないにしろ一旦それぞれ集めた情報を報告するというかたちでいきましょう。」
私たちはそれぞれイリスさんの言葉に頷くと、そのあとはたわいもない話をしながらお茶を楽しむのでした。
お茶会での秘密決起から一ヶ月後。
私たちは中庭で三人で遊んでいるふりをしながら互いに調べた情報を報告しあうことになりました。
まずは私からです。
調べてみると、結構簡単に彼についてボロがでて来ました。
「カノン様は国庫のお金を使って女と遊んでいるそうです。」
周りに人がいないことは確認していますが、私は声をひそめて言います。
「なにそれ?犯罪じゃないの!」
ニーナさんは驚いて大きな声をあげてしまいます。慌てて私はしいっと彼女を咎めます。
「色んな人に聞いてみたのですが、カノン様は夜はここにいらっしゃるのですが、昼間は外にいることが多いそうです。」
「私はそれを不思議に思って、一回カノン様がどこに行くのか探偵業の者に頼んで調べてみたら、なんと身分を偽って娼館に入り浸っているとのことでした。」
「しかも、その娼館の方に聞いてみると、彼は親のお金でここに遊びにきていると言っていたそうです。」
「これは間違いなくクロだな。」
ニーナさんはにやっとした顔で言います。
イリスさんもそれにうなづいて同意します。
その後、ニーナさん、イリスさん二人の報告を聞きましたが、彼女らの夫の王子二人もこの国では禁止されている賭博や、女遊びなどに親、つまり国王のお金。それはさらにつまるところ国民の血税を無断で使っていたということでした。
そんなお金をこんな私利私欲に使っていいはずがありません。
私たちはイリスさんの提案でこのことを匿名で国王陛下に密告することにしました。
3人の王子それぞれの罪状を書いた封書を書き、それを王宮の外部の人に一旦渡してから、それを国王陛下が最近設置なされた目安箱へと入れてもらうのでした。
一旦王宮の外の人を挟んだのは、密告者が王宮の内部の人間だとバレないようにするためです。筆跡もひと工夫して、私が書いたのですが、本の筆跡をマネして、それを書いたのが我々ではないと気づけないようにしています。
密告書を投入して1か月後。
私が中庭でいつものようにお散歩していると、ニーナさんとイリスさんが歩いて来るのが見えました。
「あら、ごきげんよう。二人一緒なのはどうなされたのですか?」
私たちは仲良くはなりましたが、余計な詮索をされるのをさけるため、会う頻度を週に1回程度と決めていました。
二人とは3日前に集まったばかりなのですが、どういうことでしょうか。
私が疑問に思っているとニーナさんは顔を輝かせてこちらに小走りで向かってきました。
「なあなあ、聞いたか?今日国王から発表があって王子3人とも1年間の謹慎処分だってよ!」
「ほんとですか??」
私もつい声を大きくしてしまいました。いけない、と口を手で抑えたあと、トーンを抑えて
「具体的にはどのような発表があったのですか?」
と聞きます。
今度はニーナさんの後ろにいたイリスさんが答えます。
「王子3人に対する密告があり、本人たちに事情聴取を行ったところ、それが全て正しいことがわかったため、彼らを1年間王宮から出さないとのことですわ。」
「密告の内容はさすがに発表されなかったのですね。」
「それを発表してしまうと国の威信に関わりますわ。国王陛下も流石にそこまではできないと判断なされたのでしょう。」
「まあ、とりあえず彼らに一泡吹かせるという私たちの作戦はうまくいったわけだ。」
ニーナさんは私たちをみてにいっと笑います。
普段はあまり笑顔をみせないイリスさんも
「そうですね。せいせいしました。」
とクスクスと笑っています。
私も普段溜まっていた鬱憤が晴れて、すっきりとした気持ちでいましたが、まるで物語のようにうまく行きすぎてなんだか不安な気持ちも同時に感じていました。
「せっかく成功したというのになんだか浮かない顔ね。」
ニーナさんが私を見て不思議そうに言います。
(そう見える?)
あれ…?
「そう見える?」と言いたいのに声が出ません。いくら頑張っても声はでません。口がパクパクするだけです。
そしてなぜか二人の顔も固まっています。瞬き一つしません。
(何が起きているの…?)
私は一体何が起こったか理解できないまま、意識が遠のいていきます。
気付いたら私はいつものベッドの上で横になっていました。
このようなお話しばかりを読んでいたためか、なぜだか分かりませんが私の周りの環境も変わっていきました。
まず、同じような境遇の女性二人と仲良くなりました。
もともとお互い顔だけは知っていましたが、仲良くなったのはたまたまの偶然で、お庭でお散歩していいると同じように、お散歩している二人にあったのがきっかけでした。
一人は第1王子ロメオ様の妻のニーナさんです。彼女は私よりも2年先にこちらに嫁ぎにきてる子です。彼女の実家もアリル王国の属国である、コーディエ王国です。
彼女は背も高く類いまれなき美貌の持ち主でしたが、気が強く、すぐにロメオ様に嫌われてしまったそうです。
もう一人は第3王子エドガー様の妻のイリスさんです。私とほぼ同時期にこちらに嫁いできました。生まれの国、バーラト王国は言葉が違い、きた直後はまともにコミュニケーションもとれなかったようですが、二年間でほぼネイティブ並みにこちらの言葉をマスターしてしまった才女です。
私たちには属国から人質として嫁ぎにきて、結婚相手の王子からは相手にされず、仕事もない、という共通点があったためすぐに打ち解けることができました。
この現状について愚痴を言い合ったり、お互いの国のことについて話したり、お互いの苦労を共有しあえるのは心の支えとなりました。
私たちが知り合ってから一年が過ぎた頃、いつものように三人でお茶をしているとニーナさんが小声で私たちに囁くのでした。
「なあ、私たちで王子様たちに一泡吹かせてやらないか?」
彼女は悪い顔になっています。
私は部屋の片隅で立っているメイドに聞かれてないかとヒヤヒヤします。
「ちょっと、聞かれたらどうするの?」
私は彼女を咎めます。
「あと、一泡吹かせるってどうやってやるのさ?私たちは人質としてここにいるんだよ!」
「それはわかってるよ!でもさ、この現状変えてみたくない?」
「それはそうだけど…」
イリスさんも弱弱しい声で口を挟みます。
「そうですよ。私たちがやらかすと国に迷惑がかかってしまうのですよ?」
「それもわかっているさ!その上でどうしようかと私は言ってるんだよ」
私たちは黙りこくります。
確かに一泡は吹かせてみたいです。なにかいい案があればと、考えてみますが、なかなかいい案がうかんできません。
3人でしばらくうんうんと悩んでいると、イリスさんが一番最初に話しはじめました。
「まず、私たちの存在を無視できないようにするのがまず第一歩ね」
彼女は私たちに確認するように言います。
「たしかにそれはそうね」
私は彼女に同意しますが、
「でもどうやって?」
と疑問をぶつけます。
「それは今から考えるわ。でもなにをすべきか目標を決めるのは大切でしょう?」
「まあ、それはそうですね。」
私はうなづきます。
「そんな深く考えなくてもだーいじょぶだって!」
私たちの会話を聞いていたニーナさんは我慢ならぬといった感じで言いますと、
「変なことをして迷惑がかかるのは国のほうです。考えなしにやるのは危険すぎます。」
イリスさんがピシャリと彼女の言葉を遮ります。
普段おっとりとしているイリスさんの強烈な言葉にニーナさんは少したじろぎ
「わかったよ…」
と不満げな顔をしながらしょんぼりしてしまいました。
「どのようにしましょうかねえ」
私が半分独り言のように言いますと他の2人も黙ってしまいました。
この沈黙を破ったのはまたイリスさんでした。
「作戦を立てようにも情報が無さすぎるわ。まず、私たちの夫についての情報を集めましょう。」
「なんかスパイみたいな感じで面白そうだな!」
さっきまで不満げに口を尖らせていたニーナさんの目がキラキラし始めました。
「まあそんなところですね。お互いの夫についての情報をそれぞれ集めましょう」
「なんか楽しくなってきたわ」
ニーナさんはノリノリです。
私はというとそんな悪巧みをするのは気がひけるというか、ちゃんと出来るのだろうかと不安なのですが
(まあ仮にも妻であるわけだし彼のことを知ろうとするのは不思議なことじゃないよね、うん)
と自分自身を納得させます。
「それでいつまでに情報を集めればいいんだ?」
ニーナさんが言うと
「そうですね、とりあえず一ヶ月程度の期間をとりましょうか。そこで集まってる、ないにしろ一旦それぞれ集めた情報を報告するというかたちでいきましょう。」
私たちはそれぞれイリスさんの言葉に頷くと、そのあとはたわいもない話をしながらお茶を楽しむのでした。
お茶会での秘密決起から一ヶ月後。
私たちは中庭で三人で遊んでいるふりをしながら互いに調べた情報を報告しあうことになりました。
まずは私からです。
調べてみると、結構簡単に彼についてボロがでて来ました。
「カノン様は国庫のお金を使って女と遊んでいるそうです。」
周りに人がいないことは確認していますが、私は声をひそめて言います。
「なにそれ?犯罪じゃないの!」
ニーナさんは驚いて大きな声をあげてしまいます。慌てて私はしいっと彼女を咎めます。
「色んな人に聞いてみたのですが、カノン様は夜はここにいらっしゃるのですが、昼間は外にいることが多いそうです。」
「私はそれを不思議に思って、一回カノン様がどこに行くのか探偵業の者に頼んで調べてみたら、なんと身分を偽って娼館に入り浸っているとのことでした。」
「しかも、その娼館の方に聞いてみると、彼は親のお金でここに遊びにきていると言っていたそうです。」
「これは間違いなくクロだな。」
ニーナさんはにやっとした顔で言います。
イリスさんもそれにうなづいて同意します。
その後、ニーナさん、イリスさん二人の報告を聞きましたが、彼女らの夫の王子二人もこの国では禁止されている賭博や、女遊びなどに親、つまり国王のお金。それはさらにつまるところ国民の血税を無断で使っていたということでした。
そんなお金をこんな私利私欲に使っていいはずがありません。
私たちはイリスさんの提案でこのことを匿名で国王陛下に密告することにしました。
3人の王子それぞれの罪状を書いた封書を書き、それを王宮の外部の人に一旦渡してから、それを国王陛下が最近設置なされた目安箱へと入れてもらうのでした。
一旦王宮の外の人を挟んだのは、密告者が王宮の内部の人間だとバレないようにするためです。筆跡もひと工夫して、私が書いたのですが、本の筆跡をマネして、それを書いたのが我々ではないと気づけないようにしています。
密告書を投入して1か月後。
私が中庭でいつものようにお散歩していると、ニーナさんとイリスさんが歩いて来るのが見えました。
「あら、ごきげんよう。二人一緒なのはどうなされたのですか?」
私たちは仲良くはなりましたが、余計な詮索をされるのをさけるため、会う頻度を週に1回程度と決めていました。
二人とは3日前に集まったばかりなのですが、どういうことでしょうか。
私が疑問に思っているとニーナさんは顔を輝かせてこちらに小走りで向かってきました。
「なあなあ、聞いたか?今日国王から発表があって王子3人とも1年間の謹慎処分だってよ!」
「ほんとですか??」
私もつい声を大きくしてしまいました。いけない、と口を手で抑えたあと、トーンを抑えて
「具体的にはどのような発表があったのですか?」
と聞きます。
今度はニーナさんの後ろにいたイリスさんが答えます。
「王子3人に対する密告があり、本人たちに事情聴取を行ったところ、それが全て正しいことがわかったため、彼らを1年間王宮から出さないとのことですわ。」
「密告の内容はさすがに発表されなかったのですね。」
「それを発表してしまうと国の威信に関わりますわ。国王陛下も流石にそこまではできないと判断なされたのでしょう。」
「まあ、とりあえず彼らに一泡吹かせるという私たちの作戦はうまくいったわけだ。」
ニーナさんは私たちをみてにいっと笑います。
普段はあまり笑顔をみせないイリスさんも
「そうですね。せいせいしました。」
とクスクスと笑っています。
私も普段溜まっていた鬱憤が晴れて、すっきりとした気持ちでいましたが、まるで物語のようにうまく行きすぎてなんだか不安な気持ちも同時に感じていました。
「せっかく成功したというのになんだか浮かない顔ね。」
ニーナさんが私を見て不思議そうに言います。
(そう見える?)
あれ…?
「そう見える?」と言いたいのに声が出ません。いくら頑張っても声はでません。口がパクパクするだけです。
そしてなぜか二人の顔も固まっています。瞬き一つしません。
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