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012厩番とメイド
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「私も貴方を愛してるわ、ラウル」
俺たちは朝食を終えて今日はローラとお喋りをして過ごした、街は俺が起こした事で大混乱の真っ只中だったからだ。翌日にはローラと新しい家探しを始めた、厠はもちろん風呂があってそれに厩がついているという家は少なかった。いくつか見てまわったが見つからず、不動産屋を探し回った。
「風呂まではいいんだけどな、厩がな~」
「馬と一緒に生活する庶民は少ないわ」
「かと言って王女様がくれた馬をないがしろにするのもな」
「ラウルあのお姫様が好きだったんじゃないの?」
「それは無い無い、俺の初恋から今までの気持ちはローラに捧げてるからさ」
「それならいいのよ、でもなかなか厩つきの家って無いわね」
そうやって不動産屋を何件かはしごして、三日経った時に最後に見に行った家を俺は気に入った。二階建てで作りはしっかりしていたし、蜘蛛の巣を被っていたが中は綺麗だった。なんでも落ちぶれた貴族の屋敷だったらしい。そしてここは厠はもちろんお風呂も厩も図書室まで、なんでも揃っている家だった。しかも驚きの賃料が月に前払いで金貨一枚だ、もちろんそれにはしっかり理由があった。不動産屋と俺とローラの傍を俺は知らない、もう生きていない女の人が歩き回っていたのだ。
「この家に目をつけるとはおっ、お目が高い。それでは月に金貨一枚前払いで契約を。それとは別に契約料として銀貨五枚いただきます」
「俺はここが良いと思うけど、ローラどうする?」
「まっ、貴方がそう言うんなら何かがいても大丈夫でしょう」
そうして俺たちは家を借りることになった、そして真っ先にしたのは俺についている光の精霊が行う浄化魔法だった。
「”世界への灯”」
「アイツガニクイ、アイツガニクイ、アイツガ? ニクイ? あいつ、あいつって誰だったかしら……? …………」
真っ白な光の灯が屋敷の中をどこも残さずに照らすと、怖い女の幽霊は綺麗な女の人になって消えて行ってしまった、とても儚くて綺麗な消え方だった。
「やっぱり何かいたのね、ラウル」
「うん、今頃は大きな光の中に戻ってるんじゃないかな」
「それはその人にとっても良いことね」
「ああ、転生するのかどうかまでは、神様じゃないから俺も分からない」
「あら、蜘蛛の巣と埃の山がみるみるうちに消えたわ」
「蜘蛛の巣と埃の掃除を風の精霊にしてもらったんだよ。”吹き転がり外へ”」
「あら、まぁ、それじゃ光と風の精霊に感謝を」
「良いダチだよな」
俺も光と風の精霊に心の中で感謝した、俺の場合はそれで充分に彼らに伝わるのだ。以心伝心とはまさにこのことで、ローラともそうできればいいような気がした。でも男と女は変わっているから、お互いに多少知らないところがある方が上手くいく気もした。そうしてあの大騒ぎの事件が終わった七日目には、新しい我が家でローラの朝食を俺達は食べていた。今度の家には長く居たいものだ、また逃げ回る生活は面倒くさかった。
「それじゃ、ローラ。冒険者ギルドに行ってくる、セッサー行くぞ」
「気をつけてね、ラウル。無理な依頼は受けないこと!!」
「分かったよ、行ってきます」
「行ってらっしゃい、早く帰ってね」
あーもうローラが可愛すぎる、それに家に住むようになったので今夜からローラが抱けるんだ。これは俺の中では大事なことなので、今日は絶対に遅くなるような依頼は受けないと決めた。そう思いながらセッサーを、冒険者ギルドの入り口から少し離れた木に繋いでおいた。セッサーは賢かったからご主人が俺だと分かっていた、だからちょっとくらいの間を待たせても平気だった。
「早く帰れる依頼か、『オーガ退治金貨十五枚』、『ダークウルフの群れニ十匹金貨二十枚』、どっちにしようかな?」
「あのー、そんなに簡単にオーガやダークウルフの群れは退治できませんよ」
「それは一般人の場合、決めた『ダークウルフの群れニ十匹金貨二十枚』にしよう!! 受付のおねえさーん!!」
「ちょっと駄目です、そんなに簡単にいきませんよ。死にますよ、貴方」
さっきから俺に話しかけてくるのはまだ冒険者なりたての少年だった、赤茶色の髪に黄色い瞳の十五歳くらいの成人したての冒険者だった。受付で名前を聞いてみたらシュライクと言い、なかなか仲間になれる相手が見つけられずに、冒険者ギルドをぶらぶらしているということだった。
「おい、シュライク。お前、俺の手伝いをやるか? 銀貨一枚払うぞ」
「仲間じゃなくて手伝い? 銀貨一枚?」
「そうそう、あくまで仲間じゃなくて手伝いだ。お前に正式に仲間ができるまででいい」
「やります!! そうしたら野宿ともおさらばできる」
「でも、俺が毎日冒険者ギルドに毎日来るわけじゃないから、いない日は好きにしてくれ」
「はい、その条件でも十分です」
そうして俺はセッサーに俺とシュライクを乗せて、ダークウルフの群れが出ているところへ駆けだした。やっぱり馬は人に比べると速い、これで依頼の場所に行くのがとても楽になった。しばらく走るとダークウルフの群れがいる気配がしてきたので、俺は手綱をシュライクに預けて魔法に集中し始めた。そしてダークウルフの群れが襲ってきた瞬間に魔法を放った。
「”氷の槍、三十連”」
それで二十匹いたダークウルフは全て死んでいた、シュライクはぶるぶる震えていて腰をぬかしているようだったが、ここからがシュライク仕事の始まりだった。
「シュライク、ダークウルフは魔石を全部集めてこい」
「僕の仕事ってそれですか!?」
「うん、そうだよ」
「分かりました」
そうやってシュライクに魔石を集めてもらうことで、俺はのんびりと過ごすことができた。シュライクも手伝いの意味が分かったようだし、これからいる時にはよろしく頼もうと思っていた。
「ラウルさん、ダークウルフ退治の金貨二十枚と、ダークウルフの魔石を売った金貨二十枚です」
「ありがとう、受付のお姉さん。ほらっ、シュライク。銀貨一枚な」
「ありがとうございます、あのくらいの手伝いならまたよろしくお願いします」
俺は必要な時はシュライクに頼むと言うと、なぜか家までついてきた。そして俺の家についたらシュライクは怒り出した、原因はセッサーだった。
「ああ、寝床が汚れてしまっている。新しい藁が必要です、ラウルさん!! こんな飼い方していたら馬が死んでしまいますよ」
「おお、それじゃ別料金で月に後払いで金貨一枚と銀貨五枚出すから、お前冒険者辞めて通いの厩番にならないか?」
「お馬さんと一緒、後払いで月に金貨一枚と銀貨五枚、冒険者を辞めていい、なっ、ななななります!!」
「何だお前冒険者を辞めたかったのか、なら厩番でよろしく頼むぜ」
「はい、改めてよろしくお願いします!!」
「それじゃ、セッサーのことは頼んだ。必要な物があれば言え、それは給料と別に出すから」
こうして俺はお手伝い改め厩番を俺は雇った、まだ雇ったばかりだったから精霊たちにも気をつけるように頼んだ。そしてローラにも紹介しないといけなかった、だからローラを呼んだらなぜだか金髪で青い瞳のちっちゃい女の子も一緒についてきた。俺はまずシュライクから皆に紹介した。
「厩番のシュライクだ、今後セッサーの面倒をみてもらう。シュライク、ローラに手を出したらマジで殺すぞ」
「はっ、はい。厩番になりました、シュライクです。よろしくお願いします」
そうすると次はちっちゃなお嬢ちゃんの番だった、ローラの話によると街で花を売っていたのだが全然売れず、泣いていたところをローラが連れて帰ったそうだ。
「ラウル、お給金は月に金貨一枚でいいから、彼女を昼間だけ雇っていい? 私も手伝いのメイドが欲しいのよ。お願い、名前はペイネよ」
「ローラが気に入ったんなら俺はいいぜ、給料は日払いがいいだろう。一日に銅貨が三枚と青銅貨が三枚だな」
「ペイネです、よろしくお願いします!!」
こうして俺の家には厩番とちっちゃいメイドが通うことになった、ペイネの方は母親は亡くなり、父親は飲んだくれているらしく、俺が話にいかなきゃいけなさそうだった。シュライクはそんなペイネを危ないからと彼女の家まで送っていった。
「一気に大所帯になったな」
俺たちは朝食を終えて今日はローラとお喋りをして過ごした、街は俺が起こした事で大混乱の真っ只中だったからだ。翌日にはローラと新しい家探しを始めた、厠はもちろん風呂があってそれに厩がついているという家は少なかった。いくつか見てまわったが見つからず、不動産屋を探し回った。
「風呂まではいいんだけどな、厩がな~」
「馬と一緒に生活する庶民は少ないわ」
「かと言って王女様がくれた馬をないがしろにするのもな」
「ラウルあのお姫様が好きだったんじゃないの?」
「それは無い無い、俺の初恋から今までの気持ちはローラに捧げてるからさ」
「それならいいのよ、でもなかなか厩つきの家って無いわね」
そうやって不動産屋を何件かはしごして、三日経った時に最後に見に行った家を俺は気に入った。二階建てで作りはしっかりしていたし、蜘蛛の巣を被っていたが中は綺麗だった。なんでも落ちぶれた貴族の屋敷だったらしい。そしてここは厠はもちろんお風呂も厩も図書室まで、なんでも揃っている家だった。しかも驚きの賃料が月に前払いで金貨一枚だ、もちろんそれにはしっかり理由があった。不動産屋と俺とローラの傍を俺は知らない、もう生きていない女の人が歩き回っていたのだ。
「この家に目をつけるとはおっ、お目が高い。それでは月に金貨一枚前払いで契約を。それとは別に契約料として銀貨五枚いただきます」
「俺はここが良いと思うけど、ローラどうする?」
「まっ、貴方がそう言うんなら何かがいても大丈夫でしょう」
そうして俺たちは家を借りることになった、そして真っ先にしたのは俺についている光の精霊が行う浄化魔法だった。
「”世界への灯”」
「アイツガニクイ、アイツガニクイ、アイツガ? ニクイ? あいつ、あいつって誰だったかしら……? …………」
真っ白な光の灯が屋敷の中をどこも残さずに照らすと、怖い女の幽霊は綺麗な女の人になって消えて行ってしまった、とても儚くて綺麗な消え方だった。
「やっぱり何かいたのね、ラウル」
「うん、今頃は大きな光の中に戻ってるんじゃないかな」
「それはその人にとっても良いことね」
「ああ、転生するのかどうかまでは、神様じゃないから俺も分からない」
「あら、蜘蛛の巣と埃の山がみるみるうちに消えたわ」
「蜘蛛の巣と埃の掃除を風の精霊にしてもらったんだよ。”吹き転がり外へ”」
「あら、まぁ、それじゃ光と風の精霊に感謝を」
「良いダチだよな」
俺も光と風の精霊に心の中で感謝した、俺の場合はそれで充分に彼らに伝わるのだ。以心伝心とはまさにこのことで、ローラともそうできればいいような気がした。でも男と女は変わっているから、お互いに多少知らないところがある方が上手くいく気もした。そうしてあの大騒ぎの事件が終わった七日目には、新しい我が家でローラの朝食を俺達は食べていた。今度の家には長く居たいものだ、また逃げ回る生活は面倒くさかった。
「それじゃ、ローラ。冒険者ギルドに行ってくる、セッサー行くぞ」
「気をつけてね、ラウル。無理な依頼は受けないこと!!」
「分かったよ、行ってきます」
「行ってらっしゃい、早く帰ってね」
あーもうローラが可愛すぎる、それに家に住むようになったので今夜からローラが抱けるんだ。これは俺の中では大事なことなので、今日は絶対に遅くなるような依頼は受けないと決めた。そう思いながらセッサーを、冒険者ギルドの入り口から少し離れた木に繋いでおいた。セッサーは賢かったからご主人が俺だと分かっていた、だからちょっとくらいの間を待たせても平気だった。
「早く帰れる依頼か、『オーガ退治金貨十五枚』、『ダークウルフの群れニ十匹金貨二十枚』、どっちにしようかな?」
「あのー、そんなに簡単にオーガやダークウルフの群れは退治できませんよ」
「それは一般人の場合、決めた『ダークウルフの群れニ十匹金貨二十枚』にしよう!! 受付のおねえさーん!!」
「ちょっと駄目です、そんなに簡単にいきませんよ。死にますよ、貴方」
さっきから俺に話しかけてくるのはまだ冒険者なりたての少年だった、赤茶色の髪に黄色い瞳の十五歳くらいの成人したての冒険者だった。受付で名前を聞いてみたらシュライクと言い、なかなか仲間になれる相手が見つけられずに、冒険者ギルドをぶらぶらしているということだった。
「おい、シュライク。お前、俺の手伝いをやるか? 銀貨一枚払うぞ」
「仲間じゃなくて手伝い? 銀貨一枚?」
「そうそう、あくまで仲間じゃなくて手伝いだ。お前に正式に仲間ができるまででいい」
「やります!! そうしたら野宿ともおさらばできる」
「でも、俺が毎日冒険者ギルドに毎日来るわけじゃないから、いない日は好きにしてくれ」
「はい、その条件でも十分です」
そうして俺はセッサーに俺とシュライクを乗せて、ダークウルフの群れが出ているところへ駆けだした。やっぱり馬は人に比べると速い、これで依頼の場所に行くのがとても楽になった。しばらく走るとダークウルフの群れがいる気配がしてきたので、俺は手綱をシュライクに預けて魔法に集中し始めた。そしてダークウルフの群れが襲ってきた瞬間に魔法を放った。
「”氷の槍、三十連”」
それで二十匹いたダークウルフは全て死んでいた、シュライクはぶるぶる震えていて腰をぬかしているようだったが、ここからがシュライク仕事の始まりだった。
「シュライク、ダークウルフは魔石を全部集めてこい」
「僕の仕事ってそれですか!?」
「うん、そうだよ」
「分かりました」
そうやってシュライクに魔石を集めてもらうことで、俺はのんびりと過ごすことができた。シュライクも手伝いの意味が分かったようだし、これからいる時にはよろしく頼もうと思っていた。
「ラウルさん、ダークウルフ退治の金貨二十枚と、ダークウルフの魔石を売った金貨二十枚です」
「ありがとう、受付のお姉さん。ほらっ、シュライク。銀貨一枚な」
「ありがとうございます、あのくらいの手伝いならまたよろしくお願いします」
俺は必要な時はシュライクに頼むと言うと、なぜか家までついてきた。そして俺の家についたらシュライクは怒り出した、原因はセッサーだった。
「ああ、寝床が汚れてしまっている。新しい藁が必要です、ラウルさん!! こんな飼い方していたら馬が死んでしまいますよ」
「おお、それじゃ別料金で月に後払いで金貨一枚と銀貨五枚出すから、お前冒険者辞めて通いの厩番にならないか?」
「お馬さんと一緒、後払いで月に金貨一枚と銀貨五枚、冒険者を辞めていい、なっ、ななななります!!」
「何だお前冒険者を辞めたかったのか、なら厩番でよろしく頼むぜ」
「はい、改めてよろしくお願いします!!」
「それじゃ、セッサーのことは頼んだ。必要な物があれば言え、それは給料と別に出すから」
こうして俺はお手伝い改め厩番を俺は雇った、まだ雇ったばかりだったから精霊たちにも気をつけるように頼んだ。そしてローラにも紹介しないといけなかった、だからローラを呼んだらなぜだか金髪で青い瞳のちっちゃい女の子も一緒についてきた。俺はまずシュライクから皆に紹介した。
「厩番のシュライクだ、今後セッサーの面倒をみてもらう。シュライク、ローラに手を出したらマジで殺すぞ」
「はっ、はい。厩番になりました、シュライクです。よろしくお願いします」
そうすると次はちっちゃなお嬢ちゃんの番だった、ローラの話によると街で花を売っていたのだが全然売れず、泣いていたところをローラが連れて帰ったそうだ。
「ラウル、お給金は月に金貨一枚でいいから、彼女を昼間だけ雇っていい? 私も手伝いのメイドが欲しいのよ。お願い、名前はペイネよ」
「ローラが気に入ったんなら俺はいいぜ、給料は日払いがいいだろう。一日に銅貨が三枚と青銅貨が三枚だな」
「ペイネです、よろしくお願いします!!」
こうして俺の家には厩番とちっちゃいメイドが通うことになった、ペイネの方は母親は亡くなり、父親は飲んだくれているらしく、俺が話にいかなきゃいけなさそうだった。シュライクはそんなペイネを危ないからと彼女の家まで送っていった。
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