僕はパーティを追放されたんだね

アキナヌカ

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01僕はパーティを追放されたんだね

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「リック、ごめん!!」
「え?」

 いつもどおり仲間とパーティを組んでダンジョンをまわっていた。そうしたらいきなり高レベルの魔物が現れて皆逃げることにした。その逃げている最中だ、僕はパーティの仲間のエルフであるリリーに足に矢を打たれた。パーティの他の仲間もその光景を見ていたが誰も助けてくれなかった。

「りりー、ジョエル、サイファ、ユイファ、助けてくれよ!!」

 リリーはエルフで金色の髪と青い瞳をしたアーチャーだ。ジョエルは黒髪に金色の瞳をした魔法使いだ。サイファは銀の髪に青い瞳をした戦士だ。ユイファは黒髪に同じ色の瞳を持つ格闘家だ。全部斥候である黒髪に茶色い瞳をした僕の仲間たちだ。いや仲間たちだった、今になって彼らはリリーに矢で打たれた僕を置いて逃げ出した。追ってきているのは高レベルの魔物、僕はもう死ぬと思った。

「これは!?」

 そう思って僕が立ち上がれず壁に寄りかかった時、転移トラップが作動した。そうして僕はダンジョンのどこだか分からない場所に飛ばされた。思わず目を瞑って死を覚悟した次の瞬間、僕が見たのはお宝の山だった。金銀財宝から、傷が治るポーション、レベルが上がるポーションまであった。僕は生きる気力を取り戻してその宝部屋をよく調べた。まず傷が治るポーションで矢傷を癒した。そして調べると凄いものがあった。

「アイテムボックス付きの鞄だぁ!!」

 それがあってその部屋の宝物を全部収納できた。出口があったがどんな高レベルの魔物が出るか分からないのでレベルが上がるポーションはちょっと使ってしまった。そうしたら僕のレベルは凄く上がっていった、レベルが上がるポーションは無数にあってとりあえず少量のポーションだったから、レベル99まで上げてみた。このダンジョンに出る魔物は精々レベル50くらいだから、多分これでもう大丈夫なはずだった。

「うぅ、レベルが上がるポーションの飲み過ぎで気分が悪い」

 こうして僕は人間では限界と言われるレベル99になって、沢山の宝物を持ってダンジョンを出ていくことにした。実は僕はリックと言われているが本当は陸明人という元日本人の異世界転移者だ。今まではレベルをなかなか上げられずに仲間たちに苦労をかけたけど、これからはレベル99もあるんだから大丈夫って思った。実際に途中でレベル50くらいの魔物に遭ったけど宝物庫にあった剣であっさり倒せた。そうしたら驚きだ僕のレベルが100に上がった、人間はレベル99が限界って聞いてたけど嘘みたいだ。そうして帰りに魔物を倒していくにつれて僕のレベルはどんどん上がっていった。

「休憩中はレベルが上がるポーションを飲むか、食べ物が無いのが不安だな」

 そうして僕は三日間ダンジョンを彷徨い歩いた。そしてとうとう僕のレベルが999に達した時、ダンジョンの出口に辿り着いていた。僕はこの幸運を真っ先に仲間たちに伝えたくて、冒険者ギルドまで走っていった。すると冒険者ギルドの窓口で仲間たちがこう口々に言っていた。

「リックはダンジョンに入る前にパーティから追放したの」
「それなのに勝手についてきたんだ」
「だからリックが死んでも、パーティに責任はない」
「もう追放済ですもの」

 どうやら僕はパーティをダンジョンに入る前に追放されたことになってるらしかった。僕は聞き間違いじゃないかと思っていたが仲間たちは更に口々にこう言った。

「そもそもリックはレベルが低くて邪魔だったのよね」
「お情けでパーティに入れていたのです」
「追放したのも当然というもの」
「そうですわ。私たちパーティには責任はありませんわ」

 僕は仲間だった皆からパーティを追放されたみたいだ。頭ががんがん痛んだが、僕はそれを受け入れた。そうして仲間のところに行って確認をしてみた。

「僕はパーティを追放されたんだね」

 そう言って僕が仲間たちの前に姿を現すと仲間たちはぎょっとした顔をした。顔色を青く変えてでもすぐに口々にこう言った。

「そうよ、リック。貴方はパーティを追放されたの」
「未練がましくついてきて迷惑でした」
「追放よ、追放。無事に帰って来ても分け前は無いわよ」
「そうですわ、貴方はパーティを追放されました」

 僕はそんな仲間たちの言葉を聞いて、改めて僕はパーティを追放されたんだと理解した。そうしてギルドのお姉さんに宝物庫から手に入れた宝石の一部を渡してこう言った。

「僕、実は宝物庫を見つけたんです。この宝石を換金してください」
「な、なな、なんて高価そうな宝石!! 待ってください、今査定します!!」

 僕が宝物庫に見つけたと言ったら仲間たちがポカーンとした顔をした。そうしてチラチラを仲間同士で目くばせしていた。僕が持って帰ってきた宝石は金貨500枚で売れた。するとますます仲間たちの顔つきが変わった、彼らは涎をたらさんというような顔をこちらを見せてこう言い始めた。

「ふん、リックもやるわね。さすが私の仲間よ」
「追放は取り消してやろう、リック」
「それが仲間に対して当然だろう」
「そうですわね。リックさんは私たちの仲間ですわね」

 そんなふうに態度を豹変させた仲間たちを見て、僕は最初は無視したが仲間たちはしつこく何か言ってきた。だから僕はそこにいる皆に聞こえるようにこう言った。

「僕はパーティを追放されたんだね」
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