現代最強とかなりたくない

アキナヌカ

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11Sランク認定

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 俺はささらの口にちょっとだけ大人のキスをした、ディープキス的な感じ、俺の方は気持ち良かったがささらはどうだったかはすぐ分かった。キスをした後にいつもより真っ赤になってたからだ、それからは軽いキスにくわえて俺たちはディープキスもするようになった。

「そしてまた憂鬱な月曜かー」
「えへへへっ、ささらは和樹と一緒でたとえ学校でも嬉しい!!」

「俺も嬉しいが、ささら。眠気が後は任せた……」
「うん、ノートとかとっとくよ。おやすみ、和樹」

 ささらは俺の月曜日に弱いというところを理解してくれる数少ない理解者だ、他の教師は皆そろって最初のうちは俺に黒板の問題を解けなどと言って起こした。俺は入学時に教科書とその参考書は全部読んでいたから、教科書の問題なら解けないものは無かった。それからは先生たちも俺の月曜日の睡眠に文句を言わなくなった。おかげで今は平和で、そう人間なら平和が一番だ。

「ふぁ~、もう夕方か」
「うん、和樹。一緒に帰ろ!! ついでに政府のビルに寄って行かない?」

「政府のビルに何かできたのか?」
「なんか覚醒者用の訓練施設ができたって」

「おもしろそうなら覗いてみるか」
「パンチングマシーンとかあるかな!?」

 政府のビルの隣にその施設はできていた、固い素材で壁面を覆っている丈夫な建物だ。ささらの言っていたパンチングマシーンもあった、ささらはさっそく殴りたそうにしてたが、先に使っている人がいたので待つことにした。

「ふーん、殴るだけじゃなくて蹴ってもいいのか」
「わくわくだよ!!」

「いや、壊しちゃうといけないから最初はかる~く殴ってくれ、ささら」
「オーケー!!」

 そうしてささらの順番が回ってきて、ささらがかる~くパンチングマシーンを殴ったら『すっ、凄いSランク判定だぁ!!』とパンチングマシーンは言った、ささらはその言葉に殴りたりなかったのだろう、十発くらいSランクのパンチを入れ続けた。ちなみに俺も殴ってみたが、相当軽く殴ってSランク判定だった。

「あの機械でSランク判定って初めてよ!?」
「しかも、可愛い女の子だ」
「凄い、パーティに欲しいわ」
「あっ、男のほうもSランクだ、機械壊れてねぇ?」

 他にもいろいろとゲームがあって、俺たちみたいな規格外にはつまらなかったが、他の覚醒者たちはわりと真剣にゲームに興じていた。

「和樹ぃ、私すっごく欲求不満!! 魔法無しの対人戦して!!」
「欲求不満とはいけないな、いいぞ。あっちの対人戦コーナーでやろうぜ!!」

 更衣室で『魔法マジックの箱ボックス』から装備を出して、こうして俺たちは初めて仲間同士で戦ってみることにした。

「おおっ!?」
「遠慮なく行くよ、和樹!!」

 魔法はなしのささらと戦ってみると手数の多さに圧倒された。二つの拳と時々くる蹴りをロングソードとガントレットで受けるが、あんまり受け続けると壊されるだろうなと思った。もちろんささらのことは可愛いが、俺の反撃してささらが油断した時に剣を喉につきつけたり、体勢を崩したささらを押し倒して押さえ込んだりした。

「和樹と戦うのすっごい楽しいぃ!!」
「…………でもそろそろ帰ろうな、最後の一戦だ!!」

「うん!!」
「来い!!」

 そう言うと最初から鋭い蹴りできたささらの足を掴んで、ロングソードを捨て俺の拳をささらのお腹に軽く当てて押し倒した。

「早くこの続きがしたいよ、全く」
「和樹、ささらとエッチちゃんとしたいの!?」

「そりゃ、もちろんしたいにきまってる!!」
「うわーい!! ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」

「ささら、こらっ。帰るぞ」
「あーん、今はキスしたい気分なのに~!!」

 そんな軽いじゃれあいをしながらおれたちは対人戦コーナーを出て更衣室で武器もしまった、そうして外を覗いてみたら周囲に人だかりができていてこそこそっ話をしているのが聞こえた。

「こんなとこでいちゃつくんじゃねぇ!?」
「でも戦闘スキルは凄いよ」
「私、拳も剣も動きが見えなかった」
「あの子、さっきパンチングマシーンでSランク連発した子だ」
「パーティに誘ってみようか」

 俺たちは更衣室を出ると人だかりになっていたので、それをひょいっと飛び越えて二人で政府の施設を逃げ出した。俺とささらの身体能力なら余裕だった、ささらは物凄くご機嫌で家まで俺の手を放さなかった。俺の家に帰って来てからも濃厚なディープキスをなんども求められたので、俺は欲望が爆発する前に風呂と言ってささらから逃げた。そうして何回か風呂の中でぬいた、俺が出ると交代でささらが風呂に入って、出てきてからも体を擦り寄せてくるので困った。

「ねぇ、ねぇ、和樹。ささらのことどのくらい好き?」
「うーん、どのくらいか。一緒に死んでもいいくらい好きだな」

「うはぁ!? うん!! ささらも和樹となら一緒に死んでもいい!!」
「でも、本当に死なないように用心しような」

「はーい、和樹。一緒に寝よ、抱きしめて」
「はいはい、俺のお姫様」

 そうして俺たちは政府の施設を利用したことも忘れて眠りについた、ささらがほとんど裸のネグリジェで寝るから、俺はささらが眠った後に俺のシャツを着せておいた。こっちも十七歳の健全な男であるから、ささらの薄いネグリジェだけの姿は俺の理性を試す破壊力があった。そんな平和な月曜日を過ごした翌日のことだった。

「覚醒者の皆さんにお知らせです、政府の新しい施設ができたのはご存じですね。そこで体力試験を受けてください、これは覚醒者の義務だということです」

 学校につくなり覚醒者だけ講堂に呼び出されてそんな命令をされた、俺は昨日試しておいて良かったと思った。そうでないとSランク判定を次々だすところだった、だから俺とささらは目配せしてこの試験をすごーく手を抜いて受けた。色々な項目はあったがおかげでほとんどはB上手くいけばC判定を出せた、ささらも一緒で俺たちはこれで目立たない最強なんかに及ばないと手を叩き合った。そのはずだった……、だが俺とささらは放課後に呼び出された。

「この体力試験は本気で受けてもらわないと困る、覚醒者ランクAのカードを持つ君たちの実力がこんなものではない。不正は困る、不正をするのなら覚醒者カードを無効にする」
「あっ、泉玄太郎さん」
「あっ、いけオジじゃん」

「私は真面目に話している、いけオジでも無い!! 体力試験の結果はカードに記載することになっている、それを総合してE~S判定を出すんだ!! まじめに受けなさい!!」
「…………真面目に受けて良いんですか」
「…………どうなっても、知らないもんね!!」

 俺たちはせっかく手を抜いたのに高圧的に怒られてちょっとだけムカついた、だからすっごく真面目に本当に真面目に俺たちは体力試験を受けた。その結果、政府の機械のほとんどが壊れて測定不能になった。

「これがっ、君たちが真面目に試験を受けた結果か……?」
「…………真面目に受けろって言ったのはそっちですからね」
「…………弁償なんてしないもんね、ふん!!」

 泉玄太郎という自衛隊のお偉いさんは頭を抱えていたが、さすがに能力測定機械の弁償をしろとはいいださなかった。そっちが命令してきたことだ、俺たちは知ったことじゃなかった。そうしてイケメンのおじさんはこんどはこっちを勧誘してきた。

「君たち、自衛隊の特殊部隊に入る気はないか? そこでならS級の力を使いたい放題だ」
「別になりたくないです、というか目立ちたくないです!!」
「ささらだって、普通の女子高生だもん、自衛隊とか嫌!!」

 俺たちは泉玄太郎さんの誘いを断った、それは良かったのだがこれでとうとう覚醒者カードが二人ともSランクにされてしまった。他人には絶対に見せられないと思った、そしてふと疑問に思ったので聞いた。

「Sランクって人間は何人くらいいるんです?」
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