119 / 128
4-21心の傷には癒しがいる
しおりを挟む
「リタ様、もうジーニャスさんが!?」
「あはははっ、馬鹿ね。もう貴方たちも向こうの世界には帰れない」
大樹の下ではマーニャが大笑いしていた、フェイクドラゴンに二つの腕輪を拾ってこさせて、右手と左手にはめなおしていた。そうしてからにっこりと僕たちに笑いかけた、まるで優しい母親のように穏やかな笑顔だった。欲しい物を手に入れて満足をした子どものように、無邪気な笑顔にみえるところが逆に恐ろしかった。だから、両手が塞がっている僕はソアンに頼んだ。領主に頼んでいたことが役に立った、マーニャを一瞬だけでも騙せたからだ。
「ソアン、本物の腕輪を起動させてくれ」
「はい、リタ様」
「な、何よ!? これは偽物!! 畜生、くそエルフを殺しなさい!!」
マーニャが一斉にフェイクドラゴンたちをけしかけたが遅かった、僕たちは左腕の腕輪を起動させて帰還する円状の輪を開いた。そこからジーニャス家へと僕たちは戻った、マーニャは追ってこなかったが、何十匹かのフェイクドラゴンがついてきた。元の世界に戻ると屋敷からはすぐにジェンドが出てきた、そして魔法をフェイクドラゴンに向けて使った。
「『抱かれよ煉獄の火炎』」
魔法で始末できなかった分はジェンドが自分の剣で斬り殺していった、エリーさんは屋敷に被害がでないように『完全なる聖なる守り』で皆を守っていた。
「『完全なる癒しの光』」
僕は急いで地面に降りてジーニャスに回復の上級魔法を使った、右手を再生させてでもそれだけではまだ足りなかった。ジーニャスは大量の失血で死にかけていた、ジェンドがやってきて自分の腕を剣で浅く切った。そうして出た血をジーニャスに飲ませていた、ドラゴンの血は薬になることもあるのだ。ジーニャスの頬に赤みが戻ってきた、そしてやがて目を覚ましてこう言った。
「……俺はまだ負けてない、だからお前の物にもならない」
「ジーニャス、ここは貴方の屋敷です」
「戻ってきたんですよ、ジーニャスさん」
「うぅ、そうか。またあの女が来たのかと思った、――――あいつはどうなった!?」
「分かりません、貴方を助け出して逃げ出すだけ、それで精一杯でした」
「もう腕輪もないんですし、あの世界から出られないのでは?」
「ソアンよ、それは分からん。三つ目の腕輪の力がよく分からんのだ、リタ二つの腕輪を持っているな」
「ええ、右手と左手の腕輪を持っています」
「これはどうしたら、非常に貴重な品なんでしょうけど……」
ドラゴンの血のおかげでジーニャスは起き上がれるまでに回復した、まず彼はジェンドに深く礼を言って、それからジーニャスは二つの腕輪についてこう言った。
「破壊するのが一番安全だ、それでもうあの女はこっちの世界に戻ってこれない」
「ジーニャス、遺跡の品は破壊するのも危険ですよ」
「あの遺跡の品を壊したら国一つ滅んだ、なんて怖い話を読んだ記憶があるんですけど」
「壊せないのなら厳重に封印して、二つに分けておくべきだ。人の手に渡らない場所に、火山か海の底に捨ててしまえ」
「それもすぐには難しい、とりあえずは二つに分けて僕と貴方で持ちましょう。ジーニャス」
「何かあった時にその方が対処できそうですね、リタ様」
「くそっ、忌々しいあの女。俺は大魔法使いだ、二度と負けたりしない」
「はい、分かりましたから、今は休んでください」
「ジーニャスさんに必要なのは、たっぷりのお休みと癒しです」
こうしてゼーエンの街にとりあえずは平和が戻った、ジーニャスは戻ってきてマーニャは別世界に閉じ込められたはずだった。しばらくは何も起こらなかった、でもジーニャスの傷は深かった。体の傷は魔法で治った、でも心に受けた傷の方が深かった。大魔法使いが負けた、それもか弱い女性にだ。ジーニャスは口には出さなかったが、しばらくはシャールとジェンドが遊んでいるところによくいた。
「ジーニャスも遊ぶか、面白いぞ」
「そうでしゅ、ジーニャス兄さまも遊ぶのでしゅ」
「そうだな、よーし。俺も一緒に遊ぶか、何をする?」
昼間はそうしてシャールやジェンドと遊んでいることが多かった、だが夜は眠れないことが多いと言っていて、僕はジーニャス用に弱い眠り薬を作って渡した。ジーニャスはそれでようやく眠っていた、そうしないと夜中に飛び起きてしまうのだった。僕たちもまだ領主の館の客室にいた、二つの腕輪の処分が決まるまではここを離れられなかった。
「とても貴重な品だがやはり処分しよう」
やがて領主であるジーニャスの父親がそう決定した、有効に活用すれば沢山の人を救える腕輪だったが、悪用されてとんでもないことになったからだ。腕輪は分けられてまず鉄の箱に入れられた、鉄の箱の隙間には鉛が流しこまれた。そうして鉄の置物になった二つは信用できる商隊に分けて持ち出される、そうして国外の海の中の深いところへ捨てることになった。
「一つはここに残してはどうでしょう、もしくは僕が責任をもって預かります」
僕は遺跡の品が一筋縄ではいかないものだと知っていた、だからそうジーニャスの父親に申し出て、置物になった一つを預かることになった。右手の腕輪だったの方を預かった、かの地へ行くための腕輪の方だった。ジーニャスもその処分の決定にどこかホッとしていた、ようやく夜も薬なしでなんとか眠れるようになってきたところだった。
「大変です、ご領主さま!!」
ところがだその腕輪だった置物を預けた商隊から連絡がきた、置物から腕輪が出てきてしまったという連絡だった。腕輪を入れていた置物は壊れてしまった、となれば考えらえる可能性は一つしかなかった。マーニャがなんらかの手段で左手の腕輪を取り戻そうとしたのだ、三つ目の腕輪はおそらく残りの二つを管理する為の腕輪だった。僕のところにあった腕輪だった置物も、その置物自体が割れて中身が出てきていた。
「処分するなら三つ同時じゃないといけないんだ、僕もまだまだ遺跡の品を甘くみていた」
「リタ様、その腕輪を持っているとリタ様が危険です」
「でもジーニャスも恐怖に耐えて戻ってきた一つを持っている、エリーさんたちには迷惑をかけられない」
「それで結局、リタ様も危険なことをなさるのですね」
「誰か上級魔法を使える者が持っていなくてはならない、ソアンにも危険があるから僕から離れていてもいいから」
「あっ、いえっ、それは覚悟の上です。ただいつもリタ様が、頑張り過ぎなので心配なのです!!」
僕は右手の腕輪が戻ったことで再び領主の館に滞在することになった、ジーニャスが戻ってきたもう一つの左手の腕輪を持っていることになった、そしてマーニャがいつこれを取り戻しにくるか分からなかった。マーニャは自分がこっちにこない代わりに、フェイクドラゴンをまた送りこんできた。この前、あっちの世界に行った時には何百匹もいたフェイクドラゴンだ。
フェイクドラゴン全部を退治するのは難しかった、でもこっちの世界にはどうやら少しずつしか来れないようなのが救いではあった。その数匹のフェイクドラゴンはジェンドとエリーさんが美味しく食べてしまった、人間に見つかったフェイクドラゴンは退治されていった。また街に商隊が来れるようになり、安全が戻ってきたが油断はできなかった。
「三つ目の腕輪の役割は二つの腕輪を管理するだけなんだろうか、あっちとこっちをある程度は繋げるだけなのだろうか」
「あはははっ、馬鹿ね。もう貴方たちも向こうの世界には帰れない」
大樹の下ではマーニャが大笑いしていた、フェイクドラゴンに二つの腕輪を拾ってこさせて、右手と左手にはめなおしていた。そうしてからにっこりと僕たちに笑いかけた、まるで優しい母親のように穏やかな笑顔だった。欲しい物を手に入れて満足をした子どものように、無邪気な笑顔にみえるところが逆に恐ろしかった。だから、両手が塞がっている僕はソアンに頼んだ。領主に頼んでいたことが役に立った、マーニャを一瞬だけでも騙せたからだ。
「ソアン、本物の腕輪を起動させてくれ」
「はい、リタ様」
「な、何よ!? これは偽物!! 畜生、くそエルフを殺しなさい!!」
マーニャが一斉にフェイクドラゴンたちをけしかけたが遅かった、僕たちは左腕の腕輪を起動させて帰還する円状の輪を開いた。そこからジーニャス家へと僕たちは戻った、マーニャは追ってこなかったが、何十匹かのフェイクドラゴンがついてきた。元の世界に戻ると屋敷からはすぐにジェンドが出てきた、そして魔法をフェイクドラゴンに向けて使った。
「『抱かれよ煉獄の火炎』」
魔法で始末できなかった分はジェンドが自分の剣で斬り殺していった、エリーさんは屋敷に被害がでないように『完全なる聖なる守り』で皆を守っていた。
「『完全なる癒しの光』」
僕は急いで地面に降りてジーニャスに回復の上級魔法を使った、右手を再生させてでもそれだけではまだ足りなかった。ジーニャスは大量の失血で死にかけていた、ジェンドがやってきて自分の腕を剣で浅く切った。そうして出た血をジーニャスに飲ませていた、ドラゴンの血は薬になることもあるのだ。ジーニャスの頬に赤みが戻ってきた、そしてやがて目を覚ましてこう言った。
「……俺はまだ負けてない、だからお前の物にもならない」
「ジーニャス、ここは貴方の屋敷です」
「戻ってきたんですよ、ジーニャスさん」
「うぅ、そうか。またあの女が来たのかと思った、――――あいつはどうなった!?」
「分かりません、貴方を助け出して逃げ出すだけ、それで精一杯でした」
「もう腕輪もないんですし、あの世界から出られないのでは?」
「ソアンよ、それは分からん。三つ目の腕輪の力がよく分からんのだ、リタ二つの腕輪を持っているな」
「ええ、右手と左手の腕輪を持っています」
「これはどうしたら、非常に貴重な品なんでしょうけど……」
ドラゴンの血のおかげでジーニャスは起き上がれるまでに回復した、まず彼はジェンドに深く礼を言って、それからジーニャスは二つの腕輪についてこう言った。
「破壊するのが一番安全だ、それでもうあの女はこっちの世界に戻ってこれない」
「ジーニャス、遺跡の品は破壊するのも危険ですよ」
「あの遺跡の品を壊したら国一つ滅んだ、なんて怖い話を読んだ記憶があるんですけど」
「壊せないのなら厳重に封印して、二つに分けておくべきだ。人の手に渡らない場所に、火山か海の底に捨ててしまえ」
「それもすぐには難しい、とりあえずは二つに分けて僕と貴方で持ちましょう。ジーニャス」
「何かあった時にその方が対処できそうですね、リタ様」
「くそっ、忌々しいあの女。俺は大魔法使いだ、二度と負けたりしない」
「はい、分かりましたから、今は休んでください」
「ジーニャスさんに必要なのは、たっぷりのお休みと癒しです」
こうしてゼーエンの街にとりあえずは平和が戻った、ジーニャスは戻ってきてマーニャは別世界に閉じ込められたはずだった。しばらくは何も起こらなかった、でもジーニャスの傷は深かった。体の傷は魔法で治った、でも心に受けた傷の方が深かった。大魔法使いが負けた、それもか弱い女性にだ。ジーニャスは口には出さなかったが、しばらくはシャールとジェンドが遊んでいるところによくいた。
「ジーニャスも遊ぶか、面白いぞ」
「そうでしゅ、ジーニャス兄さまも遊ぶのでしゅ」
「そうだな、よーし。俺も一緒に遊ぶか、何をする?」
昼間はそうしてシャールやジェンドと遊んでいることが多かった、だが夜は眠れないことが多いと言っていて、僕はジーニャス用に弱い眠り薬を作って渡した。ジーニャスはそれでようやく眠っていた、そうしないと夜中に飛び起きてしまうのだった。僕たちもまだ領主の館の客室にいた、二つの腕輪の処分が決まるまではここを離れられなかった。
「とても貴重な品だがやはり処分しよう」
やがて領主であるジーニャスの父親がそう決定した、有効に活用すれば沢山の人を救える腕輪だったが、悪用されてとんでもないことになったからだ。腕輪は分けられてまず鉄の箱に入れられた、鉄の箱の隙間には鉛が流しこまれた。そうして鉄の置物になった二つは信用できる商隊に分けて持ち出される、そうして国外の海の中の深いところへ捨てることになった。
「一つはここに残してはどうでしょう、もしくは僕が責任をもって預かります」
僕は遺跡の品が一筋縄ではいかないものだと知っていた、だからそうジーニャスの父親に申し出て、置物になった一つを預かることになった。右手の腕輪だったの方を預かった、かの地へ行くための腕輪の方だった。ジーニャスもその処分の決定にどこかホッとしていた、ようやく夜も薬なしでなんとか眠れるようになってきたところだった。
「大変です、ご領主さま!!」
ところがだその腕輪だった置物を預けた商隊から連絡がきた、置物から腕輪が出てきてしまったという連絡だった。腕輪を入れていた置物は壊れてしまった、となれば考えらえる可能性は一つしかなかった。マーニャがなんらかの手段で左手の腕輪を取り戻そうとしたのだ、三つ目の腕輪はおそらく残りの二つを管理する為の腕輪だった。僕のところにあった腕輪だった置物も、その置物自体が割れて中身が出てきていた。
「処分するなら三つ同時じゃないといけないんだ、僕もまだまだ遺跡の品を甘くみていた」
「リタ様、その腕輪を持っているとリタ様が危険です」
「でもジーニャスも恐怖に耐えて戻ってきた一つを持っている、エリーさんたちには迷惑をかけられない」
「それで結局、リタ様も危険なことをなさるのですね」
「誰か上級魔法を使える者が持っていなくてはならない、ソアンにも危険があるから僕から離れていてもいいから」
「あっ、いえっ、それは覚悟の上です。ただいつもリタ様が、頑張り過ぎなので心配なのです!!」
僕は右手の腕輪が戻ったことで再び領主の館に滞在することになった、ジーニャスが戻ってきたもう一つの左手の腕輪を持っていることになった、そしてマーニャがいつこれを取り戻しにくるか分からなかった。マーニャは自分がこっちにこない代わりに、フェイクドラゴンをまた送りこんできた。この前、あっちの世界に行った時には何百匹もいたフェイクドラゴンだ。
フェイクドラゴン全部を退治するのは難しかった、でもこっちの世界にはどうやら少しずつしか来れないようなのが救いではあった。その数匹のフェイクドラゴンはジェンドとエリーさんが美味しく食べてしまった、人間に見つかったフェイクドラゴンは退治されていった。また街に商隊が来れるようになり、安全が戻ってきたが油断はできなかった。
「三つ目の腕輪の役割は二つの腕輪を管理するだけなんだろうか、あっちとこっちをある程度は繋げるだけなのだろうか」
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる