女の子が好きだけど、男の性奴隷を買いました

アキナヌカ

文字の大きさ
22 / 30

22面白そうなら、ついていきたい

しおりを挟む
「俺はゲームで言えば、街人その一みたいなもんだね」

 俺たちはトレンデの街にまだ大きな奴隷の誘拐組織があるんじゃないかと考えてみた、でも悲しいかな俺たち街人その一には何もできないのだった。俺が勇者とかだったら違ったかもしれないけれど、あいにく俺は勇者でも、賢者でも、剣聖でもないのだった。

「何を言ってるんです、”疾風”のカイト。貴方がただの一般人なわけありますか!?」
「でも、サシュ。確かに俺は少々強い一般人だが、一人で誘拐組織を壊滅させるのは難しいぞ」

「トレンデの街役場に頼む、でも向こうも誘拐組織には気がついているはず、だったら……」
「サシュ、そんなこと考えても無駄だって、一般人は一般人らしくその後を見守ろうぜ」

「味方を増やす!! これです!!」
「えっ、味方?」

 俺はサシュの言いだしたことにマジでやるのと思った、人と付き合いのあまりないぼっちの俺にはキツイことだった。サシュは奴隷だから俺についてきてくれるだけだしな、人間の仲間を増やすってキングオブぼっちの俺には難しかった。日本にいた時もぼっちだったしな、存在感のないぼっちだったからいじめられずにすんでいた。

「何かを狙っているどのくらい大きいか分からない誘拐組織を一緒に潰そう!! なんてことを言ったとしても誰もついてこないよ」
「人間ならそうでしょう、でもそれが精霊だったらどうです」

「精霊? 精霊を味方につけるなんて、いったいどうやってする気なんだ?」
「このミルヒの街を歩いている時、スピリットツリーがあると聞きました」

「ああ、精霊が集まっているっていう樹か」
「そうです、そこで新しい精霊を味方につければ!?」

「あのな、サシュ。世の中ってそんなに上手く簡単にいかないと思うよ」
「カイト、やるだけやってみましょう!!」

 その日から俺たちはミルヒの街中にあるスピリットツリーに通いだした、見た目にはただの大きな樹だったが誰もこの樹を切ることはできず、時には精霊の姿が見えるそうで観光地になっていた。俺もサシュの精霊の姿は見えなかったが、いつも精霊の力には感謝しているので大人しくしていた、サシュは手を胸の前で組んでお祈りするようにしばらくしていた。そして、ふとサシュが俺に話しかけてきた。

「そもそも、最初の風と光の精霊さんはいつカイトにくっついてきたんですか?」
「あー、日本からこっちに飛ばされて、森の中にもこんな樹があった。多分、その時だ」

「それはなんだか曖昧な話ですね」
「その頃は森を抜けて街を探すのに必死でな、精霊がくっついてきたことにも気がつかなかった」

「精霊さん、どうかカイトか僕と契約してください」
「そんなに簡単にいかないって、誘拐組織と戦おうってのは立派だが無茶な話さ」

 そんなことを言いながら俺たちはスピリットツリーに毎日通い続けた、俺たちが入ってきたのとは別の門ではゾンビもレヴナントは出らず交易が続いていた。逆に俺たちが入ってきた方の門はアンデッドがいっぱいでとても開門できなかった、話によるとティオの街の方にもアンデッドが出ているらしかった。

「まあ、何が遭ってもいいように、体は鍛えておかなきゃな。サシュ」
「はいなのです!! えいっ!! とうっ!!」

「剣術で俺と戦えるようになってきたな、サシュ」
「はい、カイトのおかげです。えいっ!!」

「そろそろサシュにも剣を買わなきゃな」
「え? 僕の剣!?」

 そうして訓練が終わったら俺たちは鍛冶屋に行って、サシュに身長にあったショートソードを買った、質が良い剣だったが盗難防止に鞘は貧相な物にしておいた。俺の黒いロングソードもやっぱり盗難が怖いので、そんなに立派な鞘はつけていなかった。

「サシュ、決して英雄になろうとすんな。その剣は自分を守る時だけに使え」
「僕、カイトのことも守りたいです」

「気持ちは嬉しいが今の剣の腕じゃ、お前は自分を守るだけで精一杯だ」
「そうですか、分かりました。足手まといにならないように、僕は僕自身を守ります」

 俺はそれでいいとサシュの頭を撫でてやった、サシュは嬉しそうに新しい剣に触れていた。実際にサシュが自分自身を守れるなら、その分俺の手が空くので助かる話だった。そして、サシュはまたこう言った。

「さぁ、カイト。またスピリットツリーに行きましょう」
「今まで何の収穫もないのに、結構諦めが悪いな。サシュ」

 そうして今日もスピリットツリーに来てみた、今のところ何も起こってはいない、そもそも精霊を味方につけようというのが無茶なのだ。

「どうかカイトか僕と契約してください」
「だから無理だって、精霊は気紛れだし、自由な存在だ」

「それは分かりますけど……」
「いや分かってない、精霊からすればアンデッドも、奴隷の誘拐事件も、街道が塞がっているのも、面白くもないただの人間同士の戯れさ」

「戯れって遊びじゃないんです、人の命がかかってるんです」
「他にも人の命がかかっていることなんていっぱいあるさ、どうせ精霊に呼びかけるなら……、そうだな遊びに行こうぜ!! 命がけで訳が分からなくて、行先は真っ暗さ。でも滅多に見れない遊びになるのは間違いなーい!! そうして結末だってわかりゃしねぇ!!」

 そう言いながら俺はサシュにディープキスをした、他に人はいなかったし俺はその時何も考えていなかった。そうして俺がサシュにキスしていたら、赤い小さな光が俺の体を通り抜けて消えた。同じように黄色も、青も、黒い光まで俺の体を通り抜けて消えていった。はははっ、まさかな。

「サシュ、ほらっ宿屋に帰るぞ」
「はっ、はい」

「なんだか面白そうなことが始まりそうだ、サシュといちゃいちゃしたくなった」
「はい、いちゃいちゃしましょう。性奴隷として望むところです」

「体のことは後で調べればいいや、今はとにかくサシュといちゃいちゃしたい」
「カイト、走りましょう!!」

 そうして俺たちは走って宿屋に帰ったら、すぐにキスして抱き合った。サシュのことが可愛くて、可愛くて堪らなかった。だから体中にキスしてやったし、この前覚えた素股でサシュのことを犯すように愛し合った。

「あぁ、あっ、あっ、やっぱり好きです、これ。カイトに抱かれてるみたいで気持ち良いです」
「俺もサシュが感じてる可愛い顔が見えるからいいぜ」

「ああん、もっと乳首舐めてぇ。もっとぉ、ああっ、気持ち良いの」
「サシュは乳首が弱いよな、他のところも責めてやる」

「ひぁ、ああっ!! やぁ、先っぽ開いて舐めないで、いっちゃう、すぐに出ちゃうから、ああ!!」
「俺も出る、やっぱりサシュと愛し合うのは最高だな!!」

 こうして俺たちは愛し合って快楽を共有し合った、凄く気持ち良かったし満足した。ただ、サシュがこんなことを言っていたのには驚いた。

「僕、カイトの子を妊娠したら絶対に産みます」
「何? 俺の子どもまでサシュが産んでくれんの?」

「はい、そうしたいです。男の子がいいですね、女の子でも可愛がりますけど」
「ああ、育て方がな。女の子は分かんねぇや」

「そうですよね、大好きです。カイト」
「俺も大好きだぜ、サシュ」

 俺はとりあえず日本で習った保健体育の本のことは忘れていることにした、サシュが男は妊娠できないんだと気がついたら、その時に真実を教えてやればいいのだ。それよりも翌日冒険者ギルドの鍛練場に行ったら驚いた、なぜだか知らないが分かるのだ。風と光の精霊の力、それに加えて火と水と土それに闇の精霊が俺の中にいると分かってしまったのだ。

「俺、精霊に対してすっごいナンパ野郎じゃないか」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~

液体猫(299)
BL
毎日AM2:10分に予約投稿。  *執着脳筋ヤンデレイケメン×儚げ美人受け   【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸に、クリスがひたすら生きる物語】  大陸の全土を治めるアルバディア王国の第五皇子クリスは謂れのない罪を背負わされ、処刑されてしまう。  けれど次に目を覚ましたとき、彼は子供の姿になっていた。  これ幸いにと、クリスは過去の自分と同じ過ちを繰り返さないようにと自ら行動を起こす。巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞っていく。  かわいい末っ子が兄たちに可愛がられ、溺愛されていくほのぼの物語。やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな気持ちで、新たな人生を謳歌するマイペースで、コミカル&シリアスなクリスの物語です。  主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ ⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌ ⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

処理中です...