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1-07懐かしい夢
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「ティエルのことを考えると胸が苦しいの、リヒト。私ったら何か悪い病気にかかったのかしら」
「ああ、もうこれは重症だよ。俺のお姫様、可愛いフィーネ」
「ええ!? リヒト、それじゃあ私はどうすれば良いの!?」
「今すぐにティエルって奴の部屋に行って、そして彼からさっさとキスして貰って来い」
「それで良いの!? でも私はティエルを怒らせちゃったから、キスなんてしてくれるかしら!?」
「気にすんな、大丈夫だ。俺のお姫様、フィーネ。お前は十分に可愛くて、それに滅多にいない極上の良い女だ」
そう言われて私はリヒトからお姫さま抱っこされてしまった、そうして彼は一旦廊下に出ると私の部屋を通り過ぎて、そしてティエルの部屋へ私は連れていかれてリヒトはドアを三回ノックした。中から返事があってティエルが顔を出した途端に、リヒトは私をティエルの腕の中に放り投げた、そうしてからティエルの部屋のドアを閉めてしまった。
「食っちまっても構わねぇけど、そいつまだ分かってねぇから、できるんなら我慢しな!!」
そう言ってリヒトは私をティエルの腕の中に置いていった、リヒトが私を見捨てるわけがないからこのことにも意味があるはずだった。そうだ、私はティエルからキスして貰わなきゃいけなかった。そうしないと今も胸が苦しくて呼吸もし辛いかった、だから見たところお風呂に入っていたらしい黒髪が濡れたティエルに、私はそんな彼に抱っこされたままでお願いをした。
「ティエル、人工呼吸ってあるわ!! 今すぐに私にキスして頂戴!!」
「え? ええ!?」
「お願い、ティエルに嫌われたって思うと、胸が苦しくて呼吸がし辛いの……」
「いや、俺は別に君を嫌ってはいない!!」
「だったら良いわよね、ティエル。どうか私にキスして頂戴、ほんの少しキスしてくれればいいのよ」
「何が何だか分からないが、そんなことを言うなら、遠慮なく食ってしまうから気をつけろ!!」
そうしてティエルは私をベッドに押し倒してキスしてくれた、リヒトとは違って下手くそなキスだったけど私はとても気持ち良くなった。呼吸が一気に楽になり、私はティエルの優しくて不器用なキスに応えた。ティエルのキスは下手くそだったけれど、そこが可愛いとても素敵なキスだった。だから私は夢中になってしまった、ティエルを逆に押し倒してキスを今度はこちらから仕掛けた。
呼吸が楽になって私からキスできるようになると、やっぱりティエルは真っ赤な可愛い顔をしていた。それに風呂上がりだったから男らしい色気もあった、私はティエルがただ可愛いだけじゃなくて、とっても逞しくて素敵な男性に見えた。そうティエルのことが好き、このまま食べてしまいたいくらい、私はティエルのことが可愛くて大好きだと思った。
そうしたらティエルから私に生気が流れ込んできた、私は初めてサキュバスとしての食事のキスを自分からしていた。今までどんな魔族でも人間でも信用できなかったのに、私はティエルのことを本当に信頼していたのだ。私はまずいと頭のどこかで思ったが、ティエルが今度は私の体を抱きしめて放さなかった。そしてしばらくするとティエルは眠ってしまった、それは急に生気を失ったからで明らかに私が犯人だった。
「呼吸はしっかりしてるから、ティエルは眠っているだけね」
「よぉ、俺のお姫様。おやおや、逆に坊やを食っちまったのか?」
「どうしようリヒト!? 私の病気は良くなったけど、ティエルのことを初めて食べちゃった」
「いいさ、気にすんな。俺のお姫様、フィーネがサキュバスなのに油断したこいつが悪い、きっと今ごろ凄く良い夢を見てるぜ」
私がサキュバスとして生気を貰う食事をしたのは初めてだった、こうやってサキュバスは相手と接触して良い夢を見せて代わりに生気を貰うのだ。ティエルはさっきまで魔王軍の視察で眉を顰めていたが、今の私の隣で眠っている寝顔は子どものように穏やかでとても幸せそうだった、私は大切な家族であるリヒトに今夜はここで眠ると言った。
そして無防備な今のティエルが心配だったからリヒトに見張ってて貰い、その間に私はお風呂に入ってからティエルのところに戻ってきた。リヒトはティエルが眠っている間に、彼の部屋を素早く調べていた。こういうところがリヒトは用心深いのだった、そして部屋に危険はなさそうだからと、私におやすみの軽いキスを頬にしてくれた。
「本当にティエルは可愛いわ、私ったらそんなティエルを食べちゃうなんて、今度からもっと気をつけなきゃ」
ティエルは寝言を少し言っていた、母上と言って幸せそうに笑ったのに、彼が同時に涙を一筋の涙を流すから私はそれを指で拭った。そうしていたら私も眠くなってきた、だからティエルの逞しい腕の中に入って、そうして私が大好きになったティエルに抱き着きながら眠りについた。もうずっと百年前の悪夢は見ていなかった、代わりに私はティエルと一緒に抱き合う夢を見た、夢の中でもティエルに抱かれていて私は幸せだった。
「ふぃ、フィーネ。おっ、俺は君に手を出したのか!?」
「うーん、ふぁ~ぁ。おはよう、ティエル」
「おはようってそうじゃない!? 俺は君に手を出したのか!?」
「いいえ、残念ながらまだ手は出されてないわ」
「そうなのか!? 俺はてっきり君を抱いてしまったかと思った!!」
「ごめんなさい、ティエルは私を抱きたかったの? でも私ったらティエルを逆に食べちゃったの、だからとっても良い夢を見たでしょう?」
翌日になって私は驚き慌てるティエルから性交したのかと聞かれたが、残念ながら私がティエルを食べちゃったからまだ私たちは性交はしていなかった。ティエルはそう聞くと複雑な顔をしていた、真っ赤になったと思ったら次は真っ青になったりした。私と性交する気がティエルにはあるみたいだった、私はそれを喜んで次はティエルを食べちゃわないように頑張ると言った。
それから私は一旦、自分の部屋に帰って着替えをした。そしてティエルを誘って、魔王と家族だけが使う大きな食堂で一緒に朝食を楽しんだ。ティエルはまだ顔が少し赤かったが綺麗な所作で食事をしていた、私もリヒトからマナーを学んでいたから綺麗に朝食を食べることができた。そうしたらまたいつもの執務が待っていた、ティエルはその前に私にこう一言だけ聞いた。
「俺は何か寝言を言ったか?」
「ああ、母上って言って、貴方は泣いてたわ」
「………………」
「ごめんなさい、私サキュバスの食事は初めてだったから、良い夢を見せられなかったのね」
ティエルは首を振って私の言葉を否定した、彼は良い夢を見たと言ってくれた。でもあまりにも懐かしいそして良い夢だったから、途中であり得ないと思って泣いてしまったのだと言った。彼が見たのは懐かしい大好きだった母親と楽しくお喋りをする夢だった、でもその母親はもうどこにもいないんだと悲しそうにティエルは言った。
そうして彼は昔から城に仕えている者は知っている、そんな有名な話を苦しそうな顔で私にしてくれた。彼の母親も昔は有名な平和を愛する魔王だった、でも当時はまだ臣下だったアヴァランシュに、卑怯な手段で捕まり犯されそして殺された。ティエルはその時はまだ小さな王子様だった、何の力もない小さな子どもだったからアヴァランシュから逃げて、そして隠れて成長して強くなってから母親の仇を打ったのだ。
「俺は魔王アヴァランシュに染まったこの魔国が嫌いだ、だから母上が元気だった時のように平和な国にしたいんだ」
「ああ、もうこれは重症だよ。俺のお姫様、可愛いフィーネ」
「ええ!? リヒト、それじゃあ私はどうすれば良いの!?」
「今すぐにティエルって奴の部屋に行って、そして彼からさっさとキスして貰って来い」
「それで良いの!? でも私はティエルを怒らせちゃったから、キスなんてしてくれるかしら!?」
「気にすんな、大丈夫だ。俺のお姫様、フィーネ。お前は十分に可愛くて、それに滅多にいない極上の良い女だ」
そう言われて私はリヒトからお姫さま抱っこされてしまった、そうして彼は一旦廊下に出ると私の部屋を通り過ぎて、そしてティエルの部屋へ私は連れていかれてリヒトはドアを三回ノックした。中から返事があってティエルが顔を出した途端に、リヒトは私をティエルの腕の中に放り投げた、そうしてからティエルの部屋のドアを閉めてしまった。
「食っちまっても構わねぇけど、そいつまだ分かってねぇから、できるんなら我慢しな!!」
そう言ってリヒトは私をティエルの腕の中に置いていった、リヒトが私を見捨てるわけがないからこのことにも意味があるはずだった。そうだ、私はティエルからキスして貰わなきゃいけなかった。そうしないと今も胸が苦しくて呼吸もし辛いかった、だから見たところお風呂に入っていたらしい黒髪が濡れたティエルに、私はそんな彼に抱っこされたままでお願いをした。
「ティエル、人工呼吸ってあるわ!! 今すぐに私にキスして頂戴!!」
「え? ええ!?」
「お願い、ティエルに嫌われたって思うと、胸が苦しくて呼吸がし辛いの……」
「いや、俺は別に君を嫌ってはいない!!」
「だったら良いわよね、ティエル。どうか私にキスして頂戴、ほんの少しキスしてくれればいいのよ」
「何が何だか分からないが、そんなことを言うなら、遠慮なく食ってしまうから気をつけろ!!」
そうしてティエルは私をベッドに押し倒してキスしてくれた、リヒトとは違って下手くそなキスだったけど私はとても気持ち良くなった。呼吸が一気に楽になり、私はティエルの優しくて不器用なキスに応えた。ティエルのキスは下手くそだったけれど、そこが可愛いとても素敵なキスだった。だから私は夢中になってしまった、ティエルを逆に押し倒してキスを今度はこちらから仕掛けた。
呼吸が楽になって私からキスできるようになると、やっぱりティエルは真っ赤な可愛い顔をしていた。それに風呂上がりだったから男らしい色気もあった、私はティエルがただ可愛いだけじゃなくて、とっても逞しくて素敵な男性に見えた。そうティエルのことが好き、このまま食べてしまいたいくらい、私はティエルのことが可愛くて大好きだと思った。
そうしたらティエルから私に生気が流れ込んできた、私は初めてサキュバスとしての食事のキスを自分からしていた。今までどんな魔族でも人間でも信用できなかったのに、私はティエルのことを本当に信頼していたのだ。私はまずいと頭のどこかで思ったが、ティエルが今度は私の体を抱きしめて放さなかった。そしてしばらくするとティエルは眠ってしまった、それは急に生気を失ったからで明らかに私が犯人だった。
「呼吸はしっかりしてるから、ティエルは眠っているだけね」
「よぉ、俺のお姫様。おやおや、逆に坊やを食っちまったのか?」
「どうしようリヒト!? 私の病気は良くなったけど、ティエルのことを初めて食べちゃった」
「いいさ、気にすんな。俺のお姫様、フィーネがサキュバスなのに油断したこいつが悪い、きっと今ごろ凄く良い夢を見てるぜ」
私がサキュバスとして生気を貰う食事をしたのは初めてだった、こうやってサキュバスは相手と接触して良い夢を見せて代わりに生気を貰うのだ。ティエルはさっきまで魔王軍の視察で眉を顰めていたが、今の私の隣で眠っている寝顔は子どものように穏やかでとても幸せそうだった、私は大切な家族であるリヒトに今夜はここで眠ると言った。
そして無防備な今のティエルが心配だったからリヒトに見張ってて貰い、その間に私はお風呂に入ってからティエルのところに戻ってきた。リヒトはティエルが眠っている間に、彼の部屋を素早く調べていた。こういうところがリヒトは用心深いのだった、そして部屋に危険はなさそうだからと、私におやすみの軽いキスを頬にしてくれた。
「本当にティエルは可愛いわ、私ったらそんなティエルを食べちゃうなんて、今度からもっと気をつけなきゃ」
ティエルは寝言を少し言っていた、母上と言って幸せそうに笑ったのに、彼が同時に涙を一筋の涙を流すから私はそれを指で拭った。そうしていたら私も眠くなってきた、だからティエルの逞しい腕の中に入って、そうして私が大好きになったティエルに抱き着きながら眠りについた。もうずっと百年前の悪夢は見ていなかった、代わりに私はティエルと一緒に抱き合う夢を見た、夢の中でもティエルに抱かれていて私は幸せだった。
「ふぃ、フィーネ。おっ、俺は君に手を出したのか!?」
「うーん、ふぁ~ぁ。おはよう、ティエル」
「おはようってそうじゃない!? 俺は君に手を出したのか!?」
「いいえ、残念ながらまだ手は出されてないわ」
「そうなのか!? 俺はてっきり君を抱いてしまったかと思った!!」
「ごめんなさい、ティエルは私を抱きたかったの? でも私ったらティエルを逆に食べちゃったの、だからとっても良い夢を見たでしょう?」
翌日になって私は驚き慌てるティエルから性交したのかと聞かれたが、残念ながら私がティエルを食べちゃったからまだ私たちは性交はしていなかった。ティエルはそう聞くと複雑な顔をしていた、真っ赤になったと思ったら次は真っ青になったりした。私と性交する気がティエルにはあるみたいだった、私はそれを喜んで次はティエルを食べちゃわないように頑張ると言った。
それから私は一旦、自分の部屋に帰って着替えをした。そしてティエルを誘って、魔王と家族だけが使う大きな食堂で一緒に朝食を楽しんだ。ティエルはまだ顔が少し赤かったが綺麗な所作で食事をしていた、私もリヒトからマナーを学んでいたから綺麗に朝食を食べることができた。そうしたらまたいつもの執務が待っていた、ティエルはその前に私にこう一言だけ聞いた。
「俺は何か寝言を言ったか?」
「ああ、母上って言って、貴方は泣いてたわ」
「………………」
「ごめんなさい、私サキュバスの食事は初めてだったから、良い夢を見せられなかったのね」
ティエルは首を振って私の言葉を否定した、彼は良い夢を見たと言ってくれた。でもあまりにも懐かしいそして良い夢だったから、途中であり得ないと思って泣いてしまったのだと言った。彼が見たのは懐かしい大好きだった母親と楽しくお喋りをする夢だった、でもその母親はもうどこにもいないんだと悲しそうにティエルは言った。
そうして彼は昔から城に仕えている者は知っている、そんな有名な話を苦しそうな顔で私にしてくれた。彼の母親も昔は有名な平和を愛する魔王だった、でも当時はまだ臣下だったアヴァランシュに、卑怯な手段で捕まり犯されそして殺された。ティエルはその時はまだ小さな王子様だった、何の力もない小さな子どもだったからアヴァランシュから逃げて、そして隠れて成長して強くなってから母親の仇を打ったのだ。
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