タトゥーアーティスト

アキナヌカ

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21祝福された土地

「こりゃ、問題だな。街に活気が無い。重税がかかっているそうだ」
「途中で見てきた農地も不作のようでしたね」

「それはこの降り続く雨のせいだ、ここは雨が多い土地らしい」、
「私が『干天』を使いましょうか?」

「そうだな、領主の館に乗り込んでいってどうにかしよう」
「はい、協力します」

 俺たちは領主の館に乗り込んでいった。そうしたら管理人だというフォビオという男が嫌そうな顔をした。

「ノービオ侯爵様、就任おめでとうございます」
「ああ、堅苦しい挨拶はいい。この土地に関する書類を見せてくれ」

「書類は私が管理するものでノービオ侯爵様がわざわざ見る必要はございません」
「いいから書類をよこせ、俺とフォルはしばらく執務室にこもる」

 そうして調べてみたら出るわ出るわ、フォビオとかいう奴が領地の金を横領していることがすぐに分かった。だから兵士たちにフォビオを捕らえさせた。

「私は無罪でございます」
「そうか? 書類によるとお前が領地の金を横領していたようだが」
「クライブの言うとおりです、観念するのです悪党!!」

「いいえ、私は無罪でございます!!」
「煩いから牢に入れて閉じ込めておけ、証拠を固めて正式に裁きにかける」
「処刑は免れないでしょうね」

 フォビオは牢に入れられることになった。他にも領地の金を横領していた者がいたから捕らえさせた。どおりで重税を課しているわけだ、これだけ横領役人がいたんじゃ仕方がない。俺は減税をすることにした。財産である金銀宝石を売って、領地の金にあてた。俺は政治に関しては素人だったが、フォルが分かりやすく教えてくれたから、こんなことができた。

「減税した上で領内の視察にまわる。フォルは『干天』を使う準備をしていてくれ」
「任せてください、『干天』で長雨を吹っ飛ばしてみせます」

 それから俺たちは領土内を馬車でまわってみた、長雨が続いている場所ではフォルに『干天』を使って貰った。それから土木工事も必要だった、どうも長雨に加えて下水が上手く機能してないせいで、作物が不作になっているらしい。財産は減ったが俺は土木工事をして水が上手く川に流れるようにした。領内を整えるには一年かかった。領主の館でフォルを時々抱きながら、俺達は頑張った。

「街だが、どうやら活気がでてきたな」
「はい、下水も上手く流れているようです」

「長雨の時期も過ぎた、フォルの『干天』のおかげで穀物も収穫できそうだ」
「お役に立てて嬉しいです」

 そうして無事穀物が収穫され減税された税金が納められた。俺たちは贅沢をしなかったから、税金は貯蓄に回す分以外は土木工事にまわした。そうそう横領の罪でフォビオ達は処刑された。民衆は重税をかけられて怒っていたから、処刑場に吊るされたフォビオの遺体に石を投げていた。こうして俺の土地は立ち直った。それはいいのだが新たな問題が発生した。フォビオの代わりに雇ったライジングという役人が俺にフォル以外の妻を薦めてきたのだ。

「第二王女であるフォル様との結婚は結構でございます、ですがフォル様が産まれる子は王家の後継ぎ。ノービオ侯爵家を継ぐ跡継ぎが必要でございます、フォル様の許可をとって女性を傍においてください」
「冗談言うなよ、フォルの奴が許可なんかだすもんか。俺もフォル以外を抱く気はない」

 ライジングがフォルにもこの話をしたが、当然ながらフォルは許可をださなかった。そうして俺との結婚生活に危機を感じたのか、俺達は激しく愛し合うようになった。確かにフォルが産む子は王家の後継ぎになるだろうか、それなら子どもを沢山作れば良い。俺はそう考えていた。

「クライブ、私以外を抱きたいですか?」
「俺はフォル以外抱く気はない、沢山子どもを作れば良いさ」

「私、あのライジングって人が嫌いです」
「あれでも有能な男なんだ。黒髪に茶色い瞳でなんだか懐かしい容姿をしてるしな」

「クライブは黒髪に茶色い瞳が好きなんですか?」
「昔の故郷にはそんな奴が多かったからな、でもフォルの金の髪と青い瞳も好きだぜ」

 ライジングは本当に有能な官僚だった、俺にフォル以外の妻を薦める以外はこの土地をよく治めていた。この土地は最近では祝福された土地だと言われていた。そして税の徴収が終わり金ができたから俺は新しいタトゥーを彫ることを決めた。このタトゥーは奇跡ともいわれるもので俺も本当に彫れるのか心配だった。
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