アヤカシ学園 N o.1

白凪 琥珀

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夏: 初めて編

EP4 実技訓練!?

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「来週の火曜日に実技訓練やるから
 頑張れ。以上。」
朝のホームルームが終わり、私はるかちゃんと蕾華ちゃんともえぎちゃんと話していた。
「実技訓練って何するの?」
「あ、そっか。葵はまだ転校
 してきたばっかだもんね。」
「実技訓練ってのは自分の妖術使って
 他の人とバトる…みたいな感じ
 だよね!萌葱!」
相変わらず蕾華ちゃんが大雑把に教えてくれた。
「例年だとくじを引いて、3人1組にな
 って与えられたミッションをこなして
 、一番ミッションを達成できたチーム
 が勝利する訓練だったはずです…」
もえぎちゃんがもの凄く詳しく説明してくれた。
(この訓練は私が完全に不利。私が
 まともに妖術のコントロールが出来
 ないからみんなの足を引っ張っちゃう
 …)
「この訓練は入道とか奴傘みたい
 に妖術使えないやつもいるから、多分
 運動神経とか意欲を見たいんじゃない
 ?」
「まぁどっちにしろ、他チームだったら
 手加減なしでマジでやるから!」
「もちろん」
「頑張ります…」

訓練当日。私達は学校から少し離れた雑木林に来ていた。
「うーし。これからルール説明するぞー
 まず今から3人1組のチームを発表
 する。」
今年はくじではなく元々決められたチームのようだ。
「A班。鷹照珠緒、入道慶耶、雪丸琴音
 。」
A班の三人が呼ばれた。入道くん以外の二人はまだ話したことがない。
「B班。烏丸伊織、小清水ミラ、冬馬
 渚。」
「C班。霧島颯、紅羽時雨、奴傘朔太郎
 。」
「D班。生駒あんこ、霧島蕾華、八神玲
 。」
A~D班のメンバーが発表されたが、清水の名前はまだ呼ばれていない。仲がいいメンバーの冬馬、霧島蕾華の名前はすでに呼ばれている。
(もしかしたら、まだ呼ばれていない
 もえぎちゃんか瑠夏ちゃんが同じ班
 かも。二人が同じチームだったら
 やりやすい!)
「次、E班。天海岬、雲英連夜、清水
 葵。」
愕然とした。
(よりによってまだ話したことない人と
 同じ班になってしまった…)
「最後にF班。橘高萌葱、木葉燈、
 二口瑠夏。」
もえぎちゃんと瑠夏ちゃんが同時に喜びあうのが横目で見えた。私は恨めしい気持ちいっぱいだった。
「このフィールドのには赤い球が18個あ
 る。」
先生が持っていた赤い球を振りながら言った。
「1チームで3つの球を見つけ、ゴール
 まで来い。ゴールした着順で競って
 もらう。チームのうち一人でも3つの
 球を持ってゴールすればいい。妖術は
 ガンガン使え。」
すると、一人の男の子が手を挙げた。
「はーい、先生しつもーん。
 それってさ、他のチームの妨害も
 オッケーなわけ?」
一瞬あたりが静まり返った。
「もちろん。殺す以外なら何をしても
 いい。」
私達は今初めて実感した。これは私達個人の力を見るためだけじゃない。他のチームを蹴落として勝利できるかを見るためのものなんだ。
「最後に養護教諭の蓼丸先生と科学の
 剣竜先生、そして俺もフィールドに
 入る。俺達も妨害に徹する。」
すると、蓼丸先生と剣竜先生が「よろしく」と挨拶をした。
「ちなみに1位には俺が昨日わざわざ
 仙台まで行って三時間並んで買った
 苺大福をやろう。最下位は一週間
 居残り勉強。」
みんなが一斉に「えー」と叫んだ。私も居残り勉強なんて御免だ。絶対勝ってやる…


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