アヤカシ学園 N o.2

白凪 琥珀

文字の大きさ
上 下
3 / 4

EP8 覚醒

しおりを挟む
「お、ブルー!蓮!」
私達がゴールに着くと、天海くんが手当を受けていた。冬馬くんの襲撃や剣竜先生との戦いで私達も傷だらけだった。
「俺達は3番手のようだな。」
天海くんが指を差した方を見ると、A班とB班がすでにゴールしていた。
「一着は獲れませんでしたわね。でも
 よく頑張りましたわ!清水さんも
 苦手を克服したようですし。」
「ほんとか!!」
「まぁ…まぐれかもしれないけど…」
少し考えたあと天海くんは言った。
「そうかそうか!こんな時は…」
天海が握った手を私と雲英さんの前に差し出してきた。すると、雲英さんが咄嗟に手をパーにした。
「いや、じゃんけんじゃんねぇよ!!!」
私も雲英さんもやっと意味を理解し、みんなでグータッチをした。
(ああ、私青春してる…)
ちょっと泣きそうな清水だった。

「今日の訓練の結果発表するぞ。
 第一位は…A班!!」
そういえば、A班は私達が着いた時汗ひとつかいていなかった。よっぽど早くゴールしたんだろう。
「第二位、B班!第三位、E班!」
「俺らのはためないんだな…」
「俺らだって頑張ったのに…」
横で冬馬くんと天海くんがブーブー文句を言っている。
「そして、C班、D班、F班!失格!」
まさか三つも失格の班があるなんて、ビックリだ。他の班の人の話によると、妨害役の蓼丸先生の妖力でみんな眠らされたそうだ。
「みんなお疲れ様。解散。」
今日は金曜日で明日から三連休だ。よって実家に帰るものも多いので、今日は現地解散だ。
「あの、清水さん。」
女の子が近づいてきた。確かこの子はA班だった雪丸さん…だったかな?
「私、甘いもの苦手だからよかったら
 これ貰ってくれないかな?」
と言って苺大福の箱を差し出した。
「いいの!?」
「ええ。あ、私迎えが来たから。
 また、明日。」
黒い大きな車から丸メガネの男の人が出てきた。
(お父さん…かな?にしては若いな…)
「明日、聞いてみよう!」





しおりを挟む

処理中です...