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第二章 変わり始める互いの世界
閑話―結婚後の汲広の学校風景
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汲広とアントネラが披露宴をした日の翌日、汲広は普通に学校があった。
いつものように支度の終わったカバンに母の手作り弁当を詰め込み、学校へ向かう。
登校途中、周りの目が変な気がする。ジロジロ見られているような、そして、ヒソヒソと何か話しているのが目立つ。何か気になるが、知ってしまうのが怖いような… そんなことを考えていると、
「おっ早ようっ。新婚さん。今日も元気してる?」
クラスメートの坂本次美からのいきなりで、しかしいつも通りの朝の挨拶。
「お早う。色々とゴタゴタがあって、もぉクタクタだよぉ。坂本。今日も元気でいいよなぁ。あと、式に出てくれてありがとな」
「いいよいいよ。でも、朝はシャキッと元気よく!くたびれてると幸運も逃げちゃうよ!」
じゃぁ!と言って、次美はいつものように汲広を抜き去り、行ってしまった。坂本はいつも通りでいいなぁと思う汲広であった。
学校についてもジロジロ、ヒソヒソが続いている。気のせいか、さっきよりひどくなってやしないか?靴を履き替え、教室に向かう。何だか居心地が悪い。教室に近づくと、
「結婚おめでとう!」
「よ!新婚さん!」
「もう大人の階段を登ったんだね」
祝福の言葉にちょっと嬉しくなったが、大人の階段は要らないだろ!と汲広は思った。
教室に入ると、またもや祝福の言葉を貰い、嬉しくなる汲広。少し遅れて、リア充男、、安堂要も登校してきた。
「よ!改めて、結婚おめでとう!」
「ありがとな。式にも出てくれて」
「なぁに。いいってことよ」
あと、式に出てくれたもう一人、田中一郎にもお礼を言う汲広。田中は安堂の友達で、頼み込んで式に出て貰った。安堂、坂本、田中には家族で式に出て貰った。汲広は友達が少ないのは悲しいなぁと、少しだけ、センチメンタルな感情に傾きかけていると、
「俺も、彼女がいなかったらへこんでいただろうよ」
安堂がそう言った。
スキカの世界的情報操作で、アントネラと出会ったのは、安堂が彼女と付き合い出す前であり、安堂が彼女と付き合いだしたのと、汲広とアントネラが婚約したのはほぼ同時となっている。すると、
「あんな美人でスタイルがいい娘と結婚出来るなんてどんなマジック使ったんだよ!何?アレか?お前みたいにトンデモな世界に首を突っ込んでないとダメなのか?」
「それじゃ普通はモテないだろ」
茶化す田中であった。トンデモな世界に首を突っ込んでないと結婚出来ないのならこの世はトンデモな現象があふれかえっていることになる。普通は妖しい世界に染まっている人間はモテない。田中は何を血迷ったことを言っているのだろうか?
そうこう話していると、チャイムが鳴った。しんと静まり返って皆、席に着く。
「おっ早よー!よしよし今日もみんな行儀良いねぇ。でも、誰かさんのせいで、何だか浮ついてない?朝のホームルーム始めるわよ♪」
汲広の担任の東条鈴子の一声で、今日のホームルームが始まった。普通のホームルームが始まるかに思えたのだが、
「まずは岡塚汲広君、前へ来なさい」
「あ、はい!」
何故か前へ呼ばれる汲広。汲広が黒板の前へやって来ると、東条先生は教卓から花束を出し、
「結婚おめでとう」
そう言うのであった。汲広は花束を受け取り、
「ありがとうございます」
そう汲広は言い、先生に一礼、クラスメートに一礼すると、教室中にブワーッと歓声が響いた。汲広はうっすらと目に涙を浮かべた。
「花束はこのクラスの全員からのプレゼントです。花は枯れないように水に挿しておきます。帰りは忘れずに持って帰ってね」
歓声が静かになり、汲広も席に戻った。
「さて、浮ついた話はここまで。これからは普通に授業するわよ!まずはホームルーム始めましょうか!」
東条先生のその声に、いつものクラスに戻り、いつものホームルームが始まるのであった。
ホームルームも終わり、授業開始まで、少し時間があったので、汲広は教壇へ向かい、
「式に出て下さりありがとうございました」
「どういたしまして。でも、呼ばれなかったら逆にへこんでたところよ」
バイバーイと軽く挨拶する東条先生。入れ替わりに他の先生が入ってきて授業が始まるのであった。
*
授業の合間の休み時間には、皆、汲広のところへ集まってきた。色々聞きたいことがあるが、花束贈呈までガマンしていたのだろう。汲広は異世界、インジスカン王国について、言ってもいいことは、面白おかしく隠さず話した。昼休みには中庭に出て、
「トーチ」
種火の魔法、トーチを披露した。アントネラと交流を始めてから、汲広は空き時間があると魔法の練習を影ながらしていたのである。続いては、ちょっと間を取ってもらってから、
「ファイアーボール」
皆驚き、「おぉ。スゴい。こんなの初めて見る」とか、「何?それ何の手品?」とか、「仕組みが分からん。このタネを明かさぬ手際の良さ、お主、やるな!」とか、口々に感想を述べる。最後の時代劇口調、誰だよ!
これは、現代科学では解明されていない、というか、こちらの世界では使う者がいない”魔法”というものだと説明する。魔法については日本のカルチャー的には皆知っているものの、信じる者、信じない者、どちらとも判断付けられない者、感想は様々であった。
*
授業が終わると、皆、慌ただしく帰って行く者、部活に行く者で、あっという間に誰も居なくなった。帰る者も進学のため、ほぼ塾に向かうらしい。明日も休み時間はまた質問攻めかな?と思いながら、支度を済ませ、帰るのであった。
*
「ただいま」
「お帰り」
「お帰りなさい」
家に帰ると、母の朋子に妹の朝里《あさり》にアントネラがリビングに居(い)た。汲広はふと疑問に思った事を聞いてみた。
「アントネラって学校にも行ってないし、一日中フリーだよな?」
「うん」
「普段は何してるの?」
「えぇっと、お義母さんの手伝いで家事がほとんどかな。あとは腕が鈍らないように魔法の練習とか色々。私だってやる事はあるのよ」
「そっか。暇はしてなさそうで何よりだ」
アントネラはアントネラで中々に忙しいらしい。いい事だと汲広は素直に喜んだ。
これから色々と動かなければならない。相方が基本、フリーなのはいい事だ。汲広が学校のときはアントネラだけで動いてもらうこともあるかも知れない。色々考えて、
「今日の夜から、作戦会議をしよう」
「分かった」
アントネラは汲広が何を考えているのか分かっているのだろう。汲広は作戦会議の約束をとると、会議の時間を多く取りたいため、明日の準備を急いでするのであった。
いつものように支度の終わったカバンに母の手作り弁当を詰め込み、学校へ向かう。
登校途中、周りの目が変な気がする。ジロジロ見られているような、そして、ヒソヒソと何か話しているのが目立つ。何か気になるが、知ってしまうのが怖いような… そんなことを考えていると、
「おっ早ようっ。新婚さん。今日も元気してる?」
クラスメートの坂本次美からのいきなりで、しかしいつも通りの朝の挨拶。
「お早う。色々とゴタゴタがあって、もぉクタクタだよぉ。坂本。今日も元気でいいよなぁ。あと、式に出てくれてありがとな」
「いいよいいよ。でも、朝はシャキッと元気よく!くたびれてると幸運も逃げちゃうよ!」
じゃぁ!と言って、次美はいつものように汲広を抜き去り、行ってしまった。坂本はいつも通りでいいなぁと思う汲広であった。
学校についてもジロジロ、ヒソヒソが続いている。気のせいか、さっきよりひどくなってやしないか?靴を履き替え、教室に向かう。何だか居心地が悪い。教室に近づくと、
「結婚おめでとう!」
「よ!新婚さん!」
「もう大人の階段を登ったんだね」
祝福の言葉にちょっと嬉しくなったが、大人の階段は要らないだろ!と汲広は思った。
教室に入ると、またもや祝福の言葉を貰い、嬉しくなる汲広。少し遅れて、リア充男、、安堂要も登校してきた。
「よ!改めて、結婚おめでとう!」
「ありがとな。式にも出てくれて」
「なぁに。いいってことよ」
あと、式に出てくれたもう一人、田中一郎にもお礼を言う汲広。田中は安堂の友達で、頼み込んで式に出て貰った。安堂、坂本、田中には家族で式に出て貰った。汲広は友達が少ないのは悲しいなぁと、少しだけ、センチメンタルな感情に傾きかけていると、
「俺も、彼女がいなかったらへこんでいただろうよ」
安堂がそう言った。
スキカの世界的情報操作で、アントネラと出会ったのは、安堂が彼女と付き合い出す前であり、安堂が彼女と付き合いだしたのと、汲広とアントネラが婚約したのはほぼ同時となっている。すると、
「あんな美人でスタイルがいい娘と結婚出来るなんてどんなマジック使ったんだよ!何?アレか?お前みたいにトンデモな世界に首を突っ込んでないとダメなのか?」
「それじゃ普通はモテないだろ」
茶化す田中であった。トンデモな世界に首を突っ込んでないと結婚出来ないのならこの世はトンデモな現象があふれかえっていることになる。普通は妖しい世界に染まっている人間はモテない。田中は何を血迷ったことを言っているのだろうか?
そうこう話していると、チャイムが鳴った。しんと静まり返って皆、席に着く。
「おっ早よー!よしよし今日もみんな行儀良いねぇ。でも、誰かさんのせいで、何だか浮ついてない?朝のホームルーム始めるわよ♪」
汲広の担任の東条鈴子の一声で、今日のホームルームが始まった。普通のホームルームが始まるかに思えたのだが、
「まずは岡塚汲広君、前へ来なさい」
「あ、はい!」
何故か前へ呼ばれる汲広。汲広が黒板の前へやって来ると、東条先生は教卓から花束を出し、
「結婚おめでとう」
そう言うのであった。汲広は花束を受け取り、
「ありがとうございます」
そう汲広は言い、先生に一礼、クラスメートに一礼すると、教室中にブワーッと歓声が響いた。汲広はうっすらと目に涙を浮かべた。
「花束はこのクラスの全員からのプレゼントです。花は枯れないように水に挿しておきます。帰りは忘れずに持って帰ってね」
歓声が静かになり、汲広も席に戻った。
「さて、浮ついた話はここまで。これからは普通に授業するわよ!まずはホームルーム始めましょうか!」
東条先生のその声に、いつものクラスに戻り、いつものホームルームが始まるのであった。
ホームルームも終わり、授業開始まで、少し時間があったので、汲広は教壇へ向かい、
「式に出て下さりありがとうございました」
「どういたしまして。でも、呼ばれなかったら逆にへこんでたところよ」
バイバーイと軽く挨拶する東条先生。入れ替わりに他の先生が入ってきて授業が始まるのであった。
*
授業の合間の休み時間には、皆、汲広のところへ集まってきた。色々聞きたいことがあるが、花束贈呈までガマンしていたのだろう。汲広は異世界、インジスカン王国について、言ってもいいことは、面白おかしく隠さず話した。昼休みには中庭に出て、
「トーチ」
種火の魔法、トーチを披露した。アントネラと交流を始めてから、汲広は空き時間があると魔法の練習を影ながらしていたのである。続いては、ちょっと間を取ってもらってから、
「ファイアーボール」
皆驚き、「おぉ。スゴい。こんなの初めて見る」とか、「何?それ何の手品?」とか、「仕組みが分からん。このタネを明かさぬ手際の良さ、お主、やるな!」とか、口々に感想を述べる。最後の時代劇口調、誰だよ!
これは、現代科学では解明されていない、というか、こちらの世界では使う者がいない”魔法”というものだと説明する。魔法については日本のカルチャー的には皆知っているものの、信じる者、信じない者、どちらとも判断付けられない者、感想は様々であった。
*
授業が終わると、皆、慌ただしく帰って行く者、部活に行く者で、あっという間に誰も居なくなった。帰る者も進学のため、ほぼ塾に向かうらしい。明日も休み時間はまた質問攻めかな?と思いながら、支度を済ませ、帰るのであった。
*
「ただいま」
「お帰り」
「お帰りなさい」
家に帰ると、母の朋子に妹の朝里《あさり》にアントネラがリビングに居(い)た。汲広はふと疑問に思った事を聞いてみた。
「アントネラって学校にも行ってないし、一日中フリーだよな?」
「うん」
「普段は何してるの?」
「えぇっと、お義母さんの手伝いで家事がほとんどかな。あとは腕が鈍らないように魔法の練習とか色々。私だってやる事はあるのよ」
「そっか。暇はしてなさそうで何よりだ」
アントネラはアントネラで中々に忙しいらしい。いい事だと汲広は素直に喜んだ。
これから色々と動かなければならない。相方が基本、フリーなのはいい事だ。汲広が学校のときはアントネラだけで動いてもらうこともあるかも知れない。色々考えて、
「今日の夜から、作戦会議をしよう」
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