異世界マゼマゼ奮闘記

ぷい16

文字の大きさ
48 / 167
第三章 4人、日本とインジスカン王国を行き来する

もう一人の移住希望者

しおりを挟む
 五右武路ごえぶろ永遠とわと、動物を見に行き、帰宅して、風呂と食事を済ませる。

 それから永遠とわに、もう少しサーメイヤ語について学ばせていると、メールが来た。


「今、家の前にいますというメールが来た。むかえに行ってくる」

「行ってらっしゃい」


 汲広くみひろは掃き出し窓の魔法で自宅前へ行き、とって返して領主邸に戻って来た。部屋にはアントネラもた。


「改めて、初めまして。ここの領主代理の岡塚おかつか汲広くみひろだ。よろしくたのむ」

「妻のアントネラです。よろしく」

「初めまして。こちらで酪農牧場の経営を希望しています五右武路ごえぶろ永遠とわと申もうします。よろしくお願いします」

「初めまして。こちらで牧場の経営を希望しています綿抜わたぬき一久かずひさとわと申もうします。よろしくお願いします」


 そして、一久かずひさを使用人たちにも紹介した後、4人で汲広くみひろの自室に行き、パソコンで、今日、スマホで撮った写真を一久かずひさに見せるのであった。


「候補が多いですね。実物を見て、実際に食べてみたいものです」

「じゃぁ、明日、肉屋にあったら買ってきて食べ比べしようか」

「いいのですか?」

「あぁ。それと、もう、こちらは夜だ。明日に備えて寝てもらいたいところだが、寝られるか?」

「はい。徹夜で来ましたので、多分、寝られると思います」


 永遠とわと同じで徹夜で来たらしい。

 やはり積極的だ。

 背が小さくて、あまり筋肉がなさそうに見える。

 これで野生動物を相手にするのか?大丈夫か?

 明日に備え、みなを寝かせる汲広くみひろであった。


 次の日、永遠とわ一久かずひされだって、まずはヘートルを見に行った。


「この動物も、中々に筋肉が引き締まっていて、食肉用に良さそうだ」


 そして、食肉店へ行き、


「今日も動物の種類は多いですぜ。連続でこんなに種類が多いなんて珍しいや」


 肉屋の店主も上機嫌だ。


「で、どれを食べてみる?」

「それでは、ヘートルとブーキルとブーエルをお願いします」

「分かった。おやっさん、今言ったのを買うわ」

「毎度あり!」


 肉を買って帰ると、領主邸のコックが出迎えてくれた。

「それでは、何を調理しましょう?」

「あぁ、この肉を頼む。ヘートルとブーキルとブーエルだ。試食用に4人分、軽く塩をってソテーしてくれ」

かしこまりました。」


 アントネラも呼んできて、4人で食堂に入る。ほどなくして料理が出てくる。


「ヘートルのソテーに御座ございます」


 4人してヘートルを食べてみる。


「美味しいですが、ちょっと肉質がかたいですね」

「なくはないが、他のも食べてみよう」


 次に出てきたのはブーキルだ。


「肉は柔らかいですが、ちょっと味が物足りないですね」


 最後にブーエル。


「肉も柔らかく、美味しい。まずはこれから飼育してみたいと思います」


 一久かずひさは、ブーエルを育てることにしたようだ。


「二人とも、1種類だけでなく、多種飼いしてもいいんだぞ」

「家畜がヘートルしかおらず、ブーキルとブーエルも、野生種しかいないと聞きます。1種類の家畜かちくだけで精一杯せいいっぱいになりそうなんですよ」

「私も、永遠とわと同じ理由で1種類にしぼりました。多種飼いは、ブーエルが軌道きどうに乗ったら考えます」


 との返事だった。

 みな、食事と風呂を済ませ、汲広くみひろは書き物の仕上げに入った。

 それをプリントアウトし、玄関へ行った。

 そこにはアントネラと永遠とわ一久かずひさた。

 永遠とわは持って来た荷物をまとめて持っていた。


永遠とわは今日で帰るんだったな」

「お世話になりました」

「移住はよく考えて決めるんだぞ。決めたらまた連絡してくれ。それと、これ、サーメイヤ語の資料だ。気が向いたら勉強しておいてくれ」

「分かりました」

「じゃぁ、駅まででいいか。送るよ」

「何から何までありがとう御座ございました」


 汲広くみひろは掃き出し窓の魔法で永遠とわを駅まで送って、帰って来た。


一久かずひさも、移住はよく考えるんだぞ」

「はい。ありがとうございます」


 次の日も、一久かずひさは、動物を見たり、サーメイヤ語の勉強をしたりした。

 そして2日がち、一久かずひさとも別れる日となった。


「前にも言ったが、移住はよく考えてから決めるんだぞ。それと、永遠とわのときと同じでサーメイヤ語の資料だ。気が向いたら勉強しておいてくれ」

色々いろいろとお世話になりました。ありがとうございました」

「それでは送ってくるよ」


 汲広くみひろは、掃き出し窓の魔法で一久かずひさを駅まで送って、帰って来た。


「二人とも帰ってしまいましたね」

「そうだな。よく将来のことを考えて、良い決断をするといいのだがな」

「そうですね」


 慌ただしかった日々を思い返し、感慨かんがいふけ汲広くみひろとアントネラであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。

馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。 元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。 バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。 だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。 アイドル時代のファンかも知れない。 突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。 主人公の時田香澄は殺されてしまう。 気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。 自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。 ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。 魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。 息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。 壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。 茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。 そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。 明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。 しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。 仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。 そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...