異世界マゼマゼ奮闘記

ぷい16

文字の大きさ
79 / 167
第四章 世界の工場

工場団地のインフラ施設建設

しおりを挟む
 汲広くみひろは第1採掘場には行かなくても良くなったものの、高校の勉強に、書類仕事、そして、教習所通いで忙しくしていた。

 アントネラもたまに教習所の本を読んでいる。

 まぁ、アントネラも読んでくれると二重に頭に入ることになることだし日本国籍も取ったことで、もう少しすれば面倒な書類を作ることなく教習所の入所認可も下りる。

 何より興味を持つことは良いことだと思う汲広くみひろであった。


 そして、ほどなくして官僚の網弾野あびきの柊二しゅうじから連絡が入った。

 工場団地建設について関係者を集めて話し合いをしたいというものであった。

 それと、またドローンを飛ばすのでそれに付き合って欲しいというものだった。

 ドローンを使っての測量関係は以前と変わり映えがしないので詳細を書くのは省略する。

 汲広くみひろはすぐさまトムソン・パトルスにドナルド・フォン・スズケホーズ伯爵当てに親書を託した。

 日本側から提示された日付で集まれるかどうか打診するためだ。

 伯爵だけでなく、建設予定地の近隣の村の村長も呼んだ方がいいであろう。

 数日って、そろそろ返事がもらえるかもとトムソンを使いに出したところ、日本側の要求通りの日程で集まれるそうだ。

 送った親書には汲広くみひろ自ら当日は迎えに行くよう連絡している。


     *


 初会合当日、汲広くみひろにアカツキ領の建設予定地近くの村長たち、ドナルド伯爵とスズケホーズ領の建設予定地近くの村長たちが一堂に会し、日本の会議室へと向かった。

 日本国側からは3大携帯メーカーの各担当部長が出迎えてくれた。

 日本側は一応工場の区画配置などをたたき台にと提示してくれた。

 おおむ概要がいようには納得したものの、一カ所、納得できないものがあった。


「火力発電所を作るということですか、私の要求する火力発電所はアカツキ領、スズケホーズ伯爵領を始めとした近隣の複数貴族領の電力をまかなえる程の大規模の発電所を要求したい。もちろん、それ相応の電力使用量は払うつもりだ」


 日本企業の部長たちは絶句した。

 そう言った話しは聞いていなかったからである。

 幸い、火力発電所近くには、その規模の発電施設を建設しうるための敷地はある。


「火力発電所については一度持ち帰って議論することにしましょう」


 日本側からはそう言う返事が返ってきた。


 そうして、数日って、また、同じメンバーで会合が開かれた。

 日本側の話し合いの末、汲広くみひろの要求通り、火力発電所は大規模なものを建設することになった。

 そうして、工場の区画整理も、発電所の問題もクリアとなり、あとは、日本代表者である総理大臣と、インジスカン王国ジョージ国王、携帯会社大手3社の会長と社長出席のもと、正式に調印式を迎えるだけとなった。

 もちろん、汲広くみひろを通じてアカツキ伯爵がジョージ国王に適宜てきぎ内容の大まかな説明をすることも忘れなかったため、出席者は、ちゃんと調印の意味を理解している。


 そして、その2週間後、めでたく調印が成されるのであった。

 日本のメディアもこぞってそのニュースを取り上げた。

 この頃になると、汲広くみひろは自動車学校については技能試験、学科試験を見事パスし、運転免許証を正式に受け取っている。


 そして、GOサインが出たとことで、まずしなければならないことは、上下水道の処理施設の建設、ガス貯蔵庫の建設、火力発電所の建設、そして、それより遅れて各工場の建設である。

 汲広くみひろ、アントネラ、佐藤さとう夫妻、、パトルス夫妻は第一採掘場と、インフラの資材の搬入にみな、手分けをして回った。

 通るごとに掃き出し窓の能力を開け閉めしていたのでは間に合わないため、必要な所は開けっぱなしにして、時間を決めて、閉めて回ることにした。

 そこで役に立ったのが車だ。

 掃き出し窓の能力は行ったことのある所にしか開けない。

 日本のここの現場から、ここの建設予定地に建材を運んで下さいと、それを実行するためには、まず、現地へ行かなくてはならないからだ。


 汲広くみひろは思いつきで試したいことができた。

 まず、掃き出し窓の魔法を今までは片方のすぐそばで発動していたのだが、2所をイメージし、遠隔で開こうとしてみた。

 手応てごたえがあったので、掃き出し窓の魔法を開こうとした片方に行ってみて、そして、それをくぐってちゃんと通っているのを確認する。

 確認したところ、ちゃんとつながっており、実験は成功した。

 これで、自室に閉じこもっていても遠隔で掃き出し窓の魔法を開くことができる。

 これで、開く時間がいくらか重なっていても短時間で開くことができる。

 その日の晩、アントネラと佐藤さとう夫妻、パトルス夫妻にこのことを話すと非常に喜ばれた。

 当分は本当に開いているか確認しなければならないが、いずれは遠隔だけで確認せずともむであろう。

 労力を減らして、仕事効率を上げる手段を手にしたことによってこれからは少し楽ができるかなと思う汲広くみひろであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。

馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。 元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。 バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。 だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。 アイドル時代のファンかも知れない。 突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。 主人公の時田香澄は殺されてしまう。 気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。 自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。 ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。 魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。 息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。 壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。 茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。 そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。 明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。 しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。 仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。 そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...