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第四章 世界の工場
頭がパンパンになってくる
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汲広とアントネラは、シフトを乱して悪いなぁと思いながら、度々工場主との直接交渉をしていた。
「それをされるとコスト高になってもうけが減りますなぁ」
「他の会社もこの条件を呑んでもらってるんです。あなたの会社だけ特別扱いはできません。これを呑んで頂かない限りは流通のお話しは残念ながらお断りせざるを得ません」
「そんな殺生な。分かりました。呑みましょう」
毎度毎度、同じ条件を出してそれを相手方に呑んでもらう。
これなら直接交渉ではなく、先日の工場主全員参加の席にて決めてもらえていたらと残念な気がしてならない。
「さぁ、ちょっと現場の様子を見に行ってまた次の会社か」
「私たちの収入のため、頑張りましょう!」
アントネラはよほどアカツキ伯爵に頼らない収入源が嬉しいのか、交渉事に積極的である。
流通部門の皆には今までの収入と、アカツキ伯爵に頼らない収入の違いが分かるのだろうかと首をかしげながら次の交渉先へと向かうのであった。
*
「トゥルルルルルルルル、トゥルルルルルルルル」
「はい。ミーナです」
「工業団地の津川電工インジスカン王国工場の建設現場の者だが、掃き出し窓の魔法がいつもとは違った場所に繋がったんだが」
「あ、すみません。すぐに繋ぎ直します」
掃き出し窓の能力の繋ぎ間違い。最近よくあるのである。
と、言うのも、工場団地の建設現場が最盛期を迎え、繋ぐ元、繋ぐ先を数えると、優に200は超えるのである。
病気か何かで欠席したときのために、全ての現場を全員が場所を覚え、共有している。
しかし、そのやり方も限界を迎えている。
場所を覚える限界、どことどこを繋ぐのかを覚える限界。やり方そもそもを変える時期を迎えていた。
「今日もやっちゃったか」
交渉から帰って来た汲広とアントネラ。
二人を出迎えていた流通部門の皆からの今日の報告の中に、今回も繋ぐ先を間違えた報告を受け、汲広はそうこぼすのであった。
「スキカに毎回頼るのは良くないが、良くないのは分かってはいるが、そうは言っていられない」
スキカに頼らない方法はある。覚える場所を分担することだ。
しかし、全員もう場所を覚えており、記憶から簡単には消せない。
そうなれば、また同様な間違いを引き起こす。
皆、場所を覚えるのは限界に達しており、新たな場所を覚えるのにも窮する。
おまけに今は建設期。
これが終われば工場が動き、流通が動き出す。これはある意味前座なのであり、まだ本番ではないのである。
なので、汲広はスキカに頼ることにした。
流通部門の終業の会も終わり、皆と別れてアカツキ邸の汲広の部屋。そこに、汲広とアントネラ二人だけになり、念話を送ることにした。
(スキカさん、ご相談があります)
(何だ?言ってみよ)
(こちらの流通、掃き出し窓の能力の運用で、繋ぎ間違いが多発しています。それと、もう、場所を覚えるのも限界に達してきています。何かこう、スマートフォンの電話帳みたいな、何かもっと感覚的ではなく分かりやすい繋ぎ方の能力を授けて頂けないかと)
(ふむ。何もかも私に頼るのではなく自分で出来ることはないか、それを考えてなお私に頼るか。まぁ、最初から私に頼るよりは成長したな。あい分かった。その願い、叶えるとするが、そちの望んだわかりやすい方法というのはちょっと革新的すぎてな。我も簡単に術式が組めぬ。明日には何とかするからまた明日に我を呼べ。さすればお前の望み、叶えてやろう)
(ありがとうございます)
一日おくことになったが、返事は良好であろう。
次の日、流通部門の終業の会も終わり、また二人きりになってからスキカに念話する。
(スキカさん、昨日の件、どうなりましたか?)
(あぁ、汲広か。術式が組み終わったのでお前とアントネラにだけその能力を授ける。昨日も言ったがその能力、革新的すぎてな。使った者が居ないのだ。つまりは使えるかどうかテストしてもらう必要があると言うことだ。それで上手くいけばお前達全員に同じ能力を授ける。それでいいか?)
(分かりました。その方向でお願いします)
(それでは授けるぞ。ふんっっっ。それではテスト結果が良くも悪くもまた我を呼べ。以上だ)
(ありがとうございます)
そして、汲広とアントネラ、二人は能力を授かった。
”記憶に名前を付ける”能力と、”名前の視覚化”、”記憶を意識の外へ追いやる”能力、それに、”他人が開いた掃き出し窓の能力を閉じる”能力を。
「それをされるとコスト高になってもうけが減りますなぁ」
「他の会社もこの条件を呑んでもらってるんです。あなたの会社だけ特別扱いはできません。これを呑んで頂かない限りは流通のお話しは残念ながらお断りせざるを得ません」
「そんな殺生な。分かりました。呑みましょう」
毎度毎度、同じ条件を出してそれを相手方に呑んでもらう。
これなら直接交渉ではなく、先日の工場主全員参加の席にて決めてもらえていたらと残念な気がしてならない。
「さぁ、ちょっと現場の様子を見に行ってまた次の会社か」
「私たちの収入のため、頑張りましょう!」
アントネラはよほどアカツキ伯爵に頼らない収入源が嬉しいのか、交渉事に積極的である。
流通部門の皆には今までの収入と、アカツキ伯爵に頼らない収入の違いが分かるのだろうかと首をかしげながら次の交渉先へと向かうのであった。
*
「トゥルルルルルルルル、トゥルルルルルルルル」
「はい。ミーナです」
「工業団地の津川電工インジスカン王国工場の建設現場の者だが、掃き出し窓の魔法がいつもとは違った場所に繋がったんだが」
「あ、すみません。すぐに繋ぎ直します」
掃き出し窓の能力の繋ぎ間違い。最近よくあるのである。
と、言うのも、工場団地の建設現場が最盛期を迎え、繋ぐ元、繋ぐ先を数えると、優に200は超えるのである。
病気か何かで欠席したときのために、全ての現場を全員が場所を覚え、共有している。
しかし、そのやり方も限界を迎えている。
場所を覚える限界、どことどこを繋ぐのかを覚える限界。やり方そもそもを変える時期を迎えていた。
「今日もやっちゃったか」
交渉から帰って来た汲広とアントネラ。
二人を出迎えていた流通部門の皆からの今日の報告の中に、今回も繋ぐ先を間違えた報告を受け、汲広はそうこぼすのであった。
「スキカに毎回頼るのは良くないが、良くないのは分かってはいるが、そうは言っていられない」
スキカに頼らない方法はある。覚える場所を分担することだ。
しかし、全員もう場所を覚えており、記憶から簡単には消せない。
そうなれば、また同様な間違いを引き起こす。
皆、場所を覚えるのは限界に達しており、新たな場所を覚えるのにも窮する。
おまけに今は建設期。
これが終われば工場が動き、流通が動き出す。これはある意味前座なのであり、まだ本番ではないのである。
なので、汲広はスキカに頼ることにした。
流通部門の終業の会も終わり、皆と別れてアカツキ邸の汲広の部屋。そこに、汲広とアントネラ二人だけになり、念話を送ることにした。
(スキカさん、ご相談があります)
(何だ?言ってみよ)
(こちらの流通、掃き出し窓の能力の運用で、繋ぎ間違いが多発しています。それと、もう、場所を覚えるのも限界に達してきています。何かこう、スマートフォンの電話帳みたいな、何かもっと感覚的ではなく分かりやすい繋ぎ方の能力を授けて頂けないかと)
(ふむ。何もかも私に頼るのではなく自分で出来ることはないか、それを考えてなお私に頼るか。まぁ、最初から私に頼るよりは成長したな。あい分かった。その願い、叶えるとするが、そちの望んだわかりやすい方法というのはちょっと革新的すぎてな。我も簡単に術式が組めぬ。明日には何とかするからまた明日に我を呼べ。さすればお前の望み、叶えてやろう)
(ありがとうございます)
一日おくことになったが、返事は良好であろう。
次の日、流通部門の終業の会も終わり、また二人きりになってからスキカに念話する。
(スキカさん、昨日の件、どうなりましたか?)
(あぁ、汲広か。術式が組み終わったのでお前とアントネラにだけその能力を授ける。昨日も言ったがその能力、革新的すぎてな。使った者が居ないのだ。つまりは使えるかどうかテストしてもらう必要があると言うことだ。それで上手くいけばお前達全員に同じ能力を授ける。それでいいか?)
(分かりました。その方向でお願いします)
(それでは授けるぞ。ふんっっっ。それではテスト結果が良くも悪くもまた我を呼べ。以上だ)
(ありがとうございます)
そして、汲広とアントネラ、二人は能力を授かった。
”記憶に名前を付ける”能力と、”名前の視覚化”、”記憶を意識の外へ追いやる”能力、それに、”他人が開いた掃き出し窓の能力を閉じる”能力を。
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