異世界マゼマゼ奮闘記

ぷい16

文字の大きさ
93 / 167
第四章 世界の工場

火力発電所最終チェック

しおりを挟む
 あれからは順風満帆じゅんぷうまんぱんであった。

 特に問題が起こるわけではなく、汲広くみひろやアントネラの神代魔法の読解も進み、”あ、オレたち知識を共有してるじゃん”と、やっと気付いたアカツキ伯爵が遅ればせながら神代魔法の勉強を始めよう… として、”先に読解されているならその知識もあるよな!”と、汲広くみひろの読解の成果を見て、すぐに読解力が汲広くみひろに追い付き、汲広くみひろから”ずるい”と批判を受けながらもアカツキ伯爵は涼しい顔。

 ちなみに領地のアントネラはすでに読解を済ませ、技術を自分のものにしている。

 夫の話を聞き、王都のステファニアも領地のアントネラの記憶をまさぐりすぐに全てを理解する。

 すると、アカツキ伯爵はアントネラの方が理解力があるからと、アントネラの記憶をまさぐり初級編の全てを理解する。

 結局一番遅れて理解したのは、始めに知識をさずかった汲広くみひろであった。



 そんなこんなでそれから半年が過ぎ、火力発電所は試運転を開始していた。

 試運転の結果が良ければそのまま出力を上げていき、本稼働する。

 火力発電所のような大きな施設だと、めるのに数ヶ月、動かすのにも数ヶ月かかるのだ。

 一足先に稼働かどうした工場は順調に動いていた。

 これから火力発電所が動き出せば、工場団地の7割がいっぺんに稼働する。

 工場が稼働し始めたらこの人員だけでさばけるだろうか。

 無理っぽい。

 いや、無理だ。

 建設現場なら、1日、1カ所につき最低2カ所に時間差でつなげれば良かったのだが、工場の場合、つなげる箇所が何故か増える。

 人員を増やすにはこれが最後のチャンス。

 6人くらい人員を増やそうと思う汲広くみひろであった。



 そして、募集が公開され、何故か人員が前回の2倍ほど来た。

 何でも、工場の流通を有料化したら、思ったより収入があり、流通部門の収入が少しだけアップした。

 それを目の当たりにした周りの住人が、”あそこに就職したら何だか給料がいいらしいぞ”といううわさが広がり、われ先にと人がむらがったのだ。

 では何故なぜ2倍止まりかって?それは人数人が広められるうわさなんてそんなに範囲が広くないから。

 まぁ、何にせよ、汲広くみひろは良い人材を選ぶことができた。


「工場建設はまだしばらく続きますが、新たな工場が、火力発電所の稼働かどうで工場の方も一斉いっせい稼働かどうすることが見込まれます。稼働かどうしてから、”あ、これ、人員が足りないや!”とならないために新たに6人、仲間に加えます。みんな、拍手ー」


 新たに加わったのは、ジョンソン・グロス、パトリシア・グロス夫妻、ガリクソン・フォート、ロラーシャ・フォート夫妻、それにカイル・オーフィール、キャロライン・オーフィール夫妻だ。

 6人に、掃き出し窓の能力とついでに土のう袋の能力を授けさず汲広くみひろ

 1週間、この能力について研修を受け、その後、”記憶に名前を付ける”能力と、”名前の視覚化”、”記憶を意識の外へ追いやる”能力、それに、”他人が開いた掃き出し窓の能力を閉じる”能力を授けさずけ、、2週間、現場を回ってもらい、位置を覚えてもらい、それから少ない数ではあるが、実際に仕事をしてもらう手はずにしている。



 それに平行して、汲広くみひろとアントネラは、とある試みに挑戦中である。

 というのも、神代魔法―初級編に、人を治療ちりょうするすべがあり、経験があるほうがよいというわけで、医者のまねごとをしだしたのである。

 アカツキ領には村3つに対し、1人の医者がいる。

 インジスカン王国の医者は、メスを持って切開するといったことはせず、治癒魔法をかけて治療する。

 ただ闇雲やみくもに治癒魔法をかける。

 神代魔法―初級編を座学だけとはいえ、おさめた汲広くみひろやアントネラにとっては、あまりにも子供だましのようなその方法にちょっとだけイラッとした。

 なので、医療の発展はってんに、少しでも貢献こうけんしようと、まずは実地。経験してみることにしたのだ。


 外傷は目に見えて分かるので、そこに治癒魔法をかければよい。

 内部的な疾患、その診断方法は結構ある。

 魔力波の反射による診断。エコーによる診断。MRI的な診断。X線は通り抜けるので浮かせて両手で見る必要がある。

 診断をすると、脳内に画像として見ることができる。しかも3Dだ。

 欠損していれば治癒魔法をかけ、ポリープなどの異物は、切除した後、粉砕の魔法で粉々にする。

 アカツキ領主邸のある街、ハーパヤで、医者を訪ね、診療を手伝ったときには、あまりにも良い手際てぎわに、「とても初めてとは思えない」とまで言わしめた。

 そこで、空き時間に医療談義と、神代魔法―初級編に載っている医療技術を医者に授けると、「こんな方法があったとは… 今まで私がしてきたことは一体…」と、少し落ち込ませてしまった。

 そんなこんなでハーパヤの医療技術は進み、今まで治せなかった患者まで治せるようになってきた。汲広くみひろもアントネラも、その医者のところには何度も通った。


 そんなある日のことだった。火力発電所で事故が起こったのは…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。

馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。 元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。 バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。 だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。 アイドル時代のファンかも知れない。 突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。 主人公の時田香澄は殺されてしまう。 気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。 自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。 ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。 魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。 息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。 壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。 茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。 そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。 明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。 しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。 仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。 そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...