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第四章 世界の工場
知識義賊
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「うわっ、こっちの医者って、基本的に癒やしの魔法をかけるだけじゃないか」
場所はゴードンの治療院。
ゴードンに省語、多田之助に、今喋っている汲広の4人だ。
ミラトに指示を出し、インジスカン王国の名医を調べて面会し、知識を自分の脳内にコピーし、分析をかけた結果がそうなのである。
「これじゃぁ、火傷や切り傷などの外傷ならどこに癒やしをかけたらいいか目に見えて分かるから結果を出しやすい。でも、体の中の疾患なら傷ついているだけならこの方法で問題ないのだが、この前のお姫様みたいにポリープなどできものができていた場合、下手をするとポリープにも癒やしをかけて大きくし、結果、医者にかかった後の方が病気はひどくなる。相手がガンだった場合、考えたくもない」
画像診断という方法を知らないインジスカン王国の医者は、内臓の状態など知る術がない。結果、同じことをして、治る者もいれば、逆にひどくなり、命を落とすこともある。
すると、ゴードンが、
「ガンって何ですか?」
「悪性新生物。増殖を調整する機能がぶっ壊れた自分の細胞で、勝手に必要以上に増え、正常な肉を裂き痛みや出血を伴う。他のところへ移動して、そこでも勝手に振る舞うというおまけに付きさ。日本では死因のトップだ」
と、汲広は返答した。
「まさか、ここまでレベルが低いとは… まぁ、僕が何とかするけどさ」
治療院から帰る途中、アカツキ伯爵から念話が届いた。
(お前の好きにすればいい。王からの許可は取り付けた)
と。
*
「私は忙しいのだが」
「こうして一緒に歩いているだけで勉強になります」
医者が目的地に着くと、
「大変勉強になりました。ありがとうございます」
「これでいいのかね?君も変わったヤツだな」
医療ルポライターをしている記者に日本の名医をリストアップしてもらったら2000人近くいた。
汲広はその医者達に一緒に歩くだけとか、食事を一緒にとか、隠匿の魔法で近づいたりとか片っ端から会った。会って知識を吸い上げた。
掃き出し窓の魔法を駆使して1日に何人もの医者と会って知識を吸い上げ、全員に会うのに1ヶ月以上かかった。
そして、吸い上げた知識を共通点、相違、専門分野などの観点から分類し、それから省語や多田之助のように、画像診断、切開しない外科手術などの魔術で行える知識も織り交ぜ、それから念話で汲広と話せるような魔術を加え、結構オールマイティーな一人の医師像を作った。
この頃の汲広は、まだ半分もいっていないのだが、神代魔法の中級編を結構読み進めていた。
そこから得た知識で、相手に姿を見せない、気配も感じさせない隠匿の魔法を取得し、行ったこともないところへ行ける掃き出し窓の魔法が使え、まだ遠方からでは無理だが、近づいたら相手の知識を読み取ったり、逆に知識を与えたりすることができるようになっていた。
それから程なくして代官のミラトが、
「以前指示されていました医者のリストができました」
汲広がそれをもらうと、ちゃんとインジスカン王国全土を網羅している。
こちらも2000人くらいだ。汲広は隠匿の魔法で医者に近づき、
(私はアカツキ伯爵。そなたに新しい医術について知恵を授ける)
と、念話を送って、日本の名医から抽出した、先ほどの医師像の知識を送るのであった。
*
「あぁ、全体のレベルアップって疲れるなぁ」
ここはアカツキ邸の汲広の私室。
向かいにはアントネラが座っている。自分に出されたお茶をゆっくりと飲み干す。
そして、ちょっとだらんとなる汲広。
アントネラは笑って汲広のカップにもう一杯お茶を注いだ後、
「この前話していた日本の名医の知識を有望なインジスカン王国の魔術治療師に授けて回る活動をしているのですか?」
「あぁ、そうだ。日本の名医の知識は取り込んだ。多々身省語や大倉多田之助の西洋医と魔術医の折衷の知識も詰め込んで、一人に詰め込んでも大丈夫なくらい知識を整理整頓して今はインジスカン王国の医者達に知識を授けている途中だ。もうそろそろ半分くらいの人数に知識を渡し終えている」
「貴方もしなくてもいい仕事を善意で施して、大変ねぇ」
「いや、前にも言ったが、ここの医者はレベルが低すぎる。救えるはずの命を救えない。これはインジスカン王国が発展するためには必要なことなんだ」
「我々の誰かでないとできないことですものね」
「そうなんだ。できる人間がやらなきゃ」
そして、次の日も魔術治療師に知識を授け回っていた。
授け終わった頃にはバーラルのお姫様を治療した日から3ヶ月過ぎていた。
場所はゴードンの治療院。
ゴードンに省語、多田之助に、今喋っている汲広の4人だ。
ミラトに指示を出し、インジスカン王国の名医を調べて面会し、知識を自分の脳内にコピーし、分析をかけた結果がそうなのである。
「これじゃぁ、火傷や切り傷などの外傷ならどこに癒やしをかけたらいいか目に見えて分かるから結果を出しやすい。でも、体の中の疾患なら傷ついているだけならこの方法で問題ないのだが、この前のお姫様みたいにポリープなどできものができていた場合、下手をするとポリープにも癒やしをかけて大きくし、結果、医者にかかった後の方が病気はひどくなる。相手がガンだった場合、考えたくもない」
画像診断という方法を知らないインジスカン王国の医者は、内臓の状態など知る術がない。結果、同じことをして、治る者もいれば、逆にひどくなり、命を落とすこともある。
すると、ゴードンが、
「ガンって何ですか?」
「悪性新生物。増殖を調整する機能がぶっ壊れた自分の細胞で、勝手に必要以上に増え、正常な肉を裂き痛みや出血を伴う。他のところへ移動して、そこでも勝手に振る舞うというおまけに付きさ。日本では死因のトップだ」
と、汲広は返答した。
「まさか、ここまでレベルが低いとは… まぁ、僕が何とかするけどさ」
治療院から帰る途中、アカツキ伯爵から念話が届いた。
(お前の好きにすればいい。王からの許可は取り付けた)
と。
*
「私は忙しいのだが」
「こうして一緒に歩いているだけで勉強になります」
医者が目的地に着くと、
「大変勉強になりました。ありがとうございます」
「これでいいのかね?君も変わったヤツだな」
医療ルポライターをしている記者に日本の名医をリストアップしてもらったら2000人近くいた。
汲広はその医者達に一緒に歩くだけとか、食事を一緒にとか、隠匿の魔法で近づいたりとか片っ端から会った。会って知識を吸い上げた。
掃き出し窓の魔法を駆使して1日に何人もの医者と会って知識を吸い上げ、全員に会うのに1ヶ月以上かかった。
そして、吸い上げた知識を共通点、相違、専門分野などの観点から分類し、それから省語や多田之助のように、画像診断、切開しない外科手術などの魔術で行える知識も織り交ぜ、それから念話で汲広と話せるような魔術を加え、結構オールマイティーな一人の医師像を作った。
この頃の汲広は、まだ半分もいっていないのだが、神代魔法の中級編を結構読み進めていた。
そこから得た知識で、相手に姿を見せない、気配も感じさせない隠匿の魔法を取得し、行ったこともないところへ行ける掃き出し窓の魔法が使え、まだ遠方からでは無理だが、近づいたら相手の知識を読み取ったり、逆に知識を与えたりすることができるようになっていた。
それから程なくして代官のミラトが、
「以前指示されていました医者のリストができました」
汲広がそれをもらうと、ちゃんとインジスカン王国全土を網羅している。
こちらも2000人くらいだ。汲広は隠匿の魔法で医者に近づき、
(私はアカツキ伯爵。そなたに新しい医術について知恵を授ける)
と、念話を送って、日本の名医から抽出した、先ほどの医師像の知識を送るのであった。
*
「あぁ、全体のレベルアップって疲れるなぁ」
ここはアカツキ邸の汲広の私室。
向かいにはアントネラが座っている。自分に出されたお茶をゆっくりと飲み干す。
そして、ちょっとだらんとなる汲広。
アントネラは笑って汲広のカップにもう一杯お茶を注いだ後、
「この前話していた日本の名医の知識を有望なインジスカン王国の魔術治療師に授けて回る活動をしているのですか?」
「あぁ、そうだ。日本の名医の知識は取り込んだ。多々身省語や大倉多田之助の西洋医と魔術医の折衷の知識も詰め込んで、一人に詰め込んでも大丈夫なくらい知識を整理整頓して今はインジスカン王国の医者達に知識を授けている途中だ。もうそろそろ半分くらいの人数に知識を渡し終えている」
「貴方もしなくてもいい仕事を善意で施して、大変ねぇ」
「いや、前にも言ったが、ここの医者はレベルが低すぎる。救えるはずの命を救えない。これはインジスカン王国が発展するためには必要なことなんだ」
「我々の誰かでないとできないことですものね」
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そして、次の日も魔術治療師に知識を授け回っていた。
授け終わった頃にはバーラルのお姫様を治療した日から3ヶ月過ぎていた。
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