異世界マゼマゼ奮闘記

ぷい16

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第五章 流通革命

掃き出し窓の能力持ちの苦難―1

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 汲広くみひろとアントネラが家に帰ってやけ酒を飲んでいる頃、汲広くみひろに1本の電話がかかった。


「はい。もしもし」

岡塚おかつか汲広くみひろさんですか?」

「はい」

「ご無沙汰こぶさたしております木瀬通運の本社で案内をさせてもらった庶務課の熊元くまもとです」

(無沙汰こぶさたと言われるほど会ってからっていないがまぁいいか)

「あぁ、熊元くまもとさんね。その節はお世話になりました」

「こちらこそお世話になりました。ところで、『瞬達便しゅんたつびん』なんですが」

「あぁ、運送業、交通の方面から、苦情がきているらしいですね」

「あぁ、やはり現場でもその話伝わっているんですね」

「えぇ」

「それで、明日、その事でお話しさせていただきたいと、本社まで来ていただけないかというご相談なんですが」

「ちょっと待って下さいアントネラに予定を聞いてみます」


 汲広くみひろは保留ボタンを押した。


「アントネラ、明日、木瀬通運の本社まで来て欲しいと言うんだけど予定、大丈夫か?」

「えぇ。どういう話になっているかも気になりますし、一緒に行きます」

「分かった。そう伝えておく」


 汲広くみひろは保留を解除し、


熊元くまもとさん、僕と、アントネラでまいります」

「本当ならお休みのところみません。ちゃんとお給料は出ますので」

「分かりました。で、また案内は熊元くまもとさんがしてくれるんですか?」

「はい。その予定です」

「安心しました」

「それでは、ICカードを忘れずに、本社まで来て下さい」

「分かりました。それでは明日、会いましょう」


 汲広くみひろは電話で酔いがめてしまった。

 アントネラはほろ酔いでちょっと顔が赤い。


汲広くみひろさん、それじゃぁ、明日もあることだし、早く食事を済ませてやることをやって早く寝ましょうか?」

「そうだね」

汲広くみひろ、明日休みの予定だったのに会社に呼ばれたのか?」

「あぁ。さっきも言った通り、仕事がゴタゴタしているからね」

「そうか。それじゃぁ、アントネラさんが言った通り、早く休みなさい」

「ありがとう、父さん。じゃぁ、さっさと残りを食べなくちゃ」


     *


 翌朝、木瀬通運本社。16階の受付にて、


「あの、今日呼び出しを受けました岡塚おかつか汲広くみひろとアントネラです。庶務課の熊元くまもとさんを呼んでくれませんか?」

「あぁ、岡塚夫妻さん、ご用件はうけたまわっております。熊元くまもとを呼びますので少々お待ちください」


 しばらくって熊元くまもとさんが来た。


「どうもお休みのところお呼び立てしてしまってみません。ご案内します」

「で、どこに行くんですか?」

「30階で行われる重役会議に出てもらいます」

「えぇ!重役会議?」

「それほど大事になっているんです」

「はぁ、分かりました」


 30階の会議室に通された。

 難しい顔をした大人で席がほとんど埋まっている。

 奥の方から木瀬きせ遊一郎ゆういちろう社長が早足でこちらにやって来て、


「岡塚夫妻、スマンねぇ、わざわざ呼び立てたりややこしい問題に巻き込んでしまって」

「いえ、ここまで大事になるとは思っていませんでしたが、いざこざは予想していましたから」

「それでは会議を始めるからまた後で話そう」

(えぇ、大会社の代表取締役社長と話すのかよぉ)


 汲広くみひろとアントネラは熊元くまもとさんの案内で席に着く。

 隣にはなんと網弾野あびきのさんがた!


網弾野あびきのさん、あなたも呼ばれたんですか?」

「えぇ、同業他社の根回しに失敗しましたからねぇ」

網弾野あびきのさんも大変ですね」


「ただ今より重役会議を始めます」


 重役会議が始まった。

 同業他社の根回しに失敗、というか隠しながら『瞬達便しゅんたつびん』を始めて、同業他社に睨まれていること、それに加えて交通業界からも文句が出ていることが伝えられた。

 木瀬きせ社長が、


「この由々ゆゆしき事態に、運送業全体が早急に動き、月曜日に運送業全体のトップ会議が開かれることになった。場所はこの大会議室。何を言われるか分からんが、私は事態じたい沈静化ちんせいかに努めたいと思う」


 木瀬きせ社長は、一つ間をおき、


「今回は、交通業界業界からも圧力がかかっている。水曜日に交通業界全体の会議に私も呼ばれた。こちらの会議でも事の沈静化ちんせいかに努めたいと思う。木曜日にまた集まってくれ。会議の結果と対策を練らねばならん」


 会議は終わり、案内役の熊元くまもとさんが入ってくるが、岡塚夫妻と網弾野あびきのさんは残るように言われた。

 木瀬きせ社長が寄ってきて、


「岡塚夫妻、網弾野あびきの課長、貴殿きでんも2つのトップ会議に出席してくれんか?」

「えぇ!」

貴殿きでんに出席してもらわなければ会議にならんと両業界からご指名なので断れなかった」


 アントネラと網弾野あびきのさんと相談して、


「分かりました。気が重いですけど出席します」


 渋々しぶしぶそう答える汲広くみひろなのであった。
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