157 / 167
第六章 神様を起こしに
神の城―サザンタダンとの戦い―前編
しおりを挟む
「あと2体か」
教えられた神獣は全部で3体。1体は…テンペギウスとすると、あと2体と戦わなくてはならない。
「1体居れば、異変に気付いて戦う体制が整うと思うんですけど、神様って弱いんですかね」
「自分の手を煩わせたくはないんじゃないか?」
3体居る意味を測りかねてはいるが、あまり悠長に休んでもいられない。
話していると、念話が届いた。
(天界の汲広とステファニア)
(あなたは誰ですか?)
(日本に居る岡塚汲広だ。こうして話すのは初めてだな)
(初めまして)
(アカツキ伯爵が不在で、君達のサポートを頼まれている。昨日の特訓も覗いていて状況は把握しているつもりだ。隣にアントネラもスタンバイしている。よろしく頼む)
(こちらこそよろしくお願いします。状況ですが、もう1体倒してあと2体です。これから2体目に挑みます)
(もう1体倒したか。頼もしいな)
(時間ももったいないですし、そろそろ行きますね)
(あぁ。出発してくれ)
「そろそろ次へ行くか」
「はい」
二人は次の間へ行く決心をするのであった。
汲広が次の扉を開けようと手にかけたとき、
”シャームンドム、フィリフレネシア、久しぶりに会いたい。早く来ておくれ”
という声が聞こえた。
早く会いたいなら神獣を黙らせてくれたらいいと思う。
言葉と行動が一致していないと思う。
「ふんぬぅー」
汲広は重い扉を開け、通れるくらいまで開いたら、今度は、
”サザンタダン”
という名前が脳に響いた。
それと伴に、サザンタダンとの戦い方が脳に流れてきた。
「脳しんとうを狙うのも効果的だが、尻尾を切り落とせってか。どうする?踏み込めばサザンタダンが動き出すが、今なら作戦が立てられる」
と、言うと、サザンタダンの間に明かりが灯り始めた。
サザンタダンは大きさ的にはテンペギウスとさほど変わらず、ステファニアの身長の10倍くらいだが、頭が3つある。
尻尾はこちらからは見えないが、3つの頭全部を脳しんとうさせていたらそりゃ時間がかかるだろう。
「あなたが尻尾を狙ってください。私は気をそらします」
「分かった。それでいこう」
簡単だが作戦は決まった。
汲広は真剣を構え、ステファニアは杖を構えた。
サザンタダンの間へ二人は踏み出した。
「アンギャーーーゥ」
サザンタダンが起きた。
戦闘開始である。
サザンタダンがこちらに突進してくる。
警戒してか、頭は下げない。
このままでは踏み潰される。
汲広は右へ、ステファニアは左へ飛び、サザンタダンの足を避けた。
サザンタダンは頭を下げ、左の頭が汲広を、右の頭がステファニアを睨む。
これはチャンスと思った二人は、その頭めがけて飛び出す。
「トウゥーッ」
「ていやーっ」
汲広は真剣を、ステファニアは杖を頭めがけて振り落とす。
「ギャー-ーゥ」
ステファニアに殴られた右の頭はくらっとし、汲広に切りつけられた左の頭は切られて血しぶきが飛ぶ。
吠えていて気がそれたと感じた汲広はサザンタダンの後ろへ向かい、尻尾めがけて真剣を振り落とすが、サザンタダンが振った尻尾が体に当たり、3mほど飛ばされる。
「アンギャーーーゥ」
サザンタダンは反転し、汲広を睨み付けようとしたとき、汲広は掃き出し窓の能力でサザンタダンの後方に移動し、もう一度真剣を振り下ろした。
「ギャーーーォ」
汲広は血しぶきを浴びた。真剣で切り傷を付けたがまだ浅い。
「コンアーク!」
ステファニアはそう叫ぶと、虚空に穴あきコンクリートブロックが出現した。
それを階段代わりに駆け上がり、
「ていやーっ」
ステファニアは飛びながら、上げている中央の頭めがけて杖を叩きつけた。
「ギャーーーグ」
ステファニアに気を取られている間に汲広は切り傷めがけて真剣を振り落とす。
今度は効果があったようで尻尾の半分ほどまで切り込みを入れることに成功した。
サザンタダンは汲広を払うため、勢いを付けようと振りかぶった瞬間、
「アンギャーーーー」
尻尾からまた血しぶきが上がった。
傷口も深くなったように見える。
これはサザンタダンの失敗ではなかろうか。
その間、ステファニアもじっとしている程鈍感ではない。
右の頭を叩いている。
サザンタダンは切れた尻尾の痛みにこらえながらまたも体を反転させる。
今度はステファニアがホルダーに杖をしまい、手ブラになったところで、
「シャーペナフェア」
と呪文を唱え、一振りの剣を出現させ、
「ていやーーーっ」
と、尻尾の切れ込み部分に剣を叩きつけるのであった。
教えられた神獣は全部で3体。1体は…テンペギウスとすると、あと2体と戦わなくてはならない。
「1体居れば、異変に気付いて戦う体制が整うと思うんですけど、神様って弱いんですかね」
「自分の手を煩わせたくはないんじゃないか?」
3体居る意味を測りかねてはいるが、あまり悠長に休んでもいられない。
話していると、念話が届いた。
(天界の汲広とステファニア)
(あなたは誰ですか?)
(日本に居る岡塚汲広だ。こうして話すのは初めてだな)
(初めまして)
(アカツキ伯爵が不在で、君達のサポートを頼まれている。昨日の特訓も覗いていて状況は把握しているつもりだ。隣にアントネラもスタンバイしている。よろしく頼む)
(こちらこそよろしくお願いします。状況ですが、もう1体倒してあと2体です。これから2体目に挑みます)
(もう1体倒したか。頼もしいな)
(時間ももったいないですし、そろそろ行きますね)
(あぁ。出発してくれ)
「そろそろ次へ行くか」
「はい」
二人は次の間へ行く決心をするのであった。
汲広が次の扉を開けようと手にかけたとき、
”シャームンドム、フィリフレネシア、久しぶりに会いたい。早く来ておくれ”
という声が聞こえた。
早く会いたいなら神獣を黙らせてくれたらいいと思う。
言葉と行動が一致していないと思う。
「ふんぬぅー」
汲広は重い扉を開け、通れるくらいまで開いたら、今度は、
”サザンタダン”
という名前が脳に響いた。
それと伴に、サザンタダンとの戦い方が脳に流れてきた。
「脳しんとうを狙うのも効果的だが、尻尾を切り落とせってか。どうする?踏み込めばサザンタダンが動き出すが、今なら作戦が立てられる」
と、言うと、サザンタダンの間に明かりが灯り始めた。
サザンタダンは大きさ的にはテンペギウスとさほど変わらず、ステファニアの身長の10倍くらいだが、頭が3つある。
尻尾はこちらからは見えないが、3つの頭全部を脳しんとうさせていたらそりゃ時間がかかるだろう。
「あなたが尻尾を狙ってください。私は気をそらします」
「分かった。それでいこう」
簡単だが作戦は決まった。
汲広は真剣を構え、ステファニアは杖を構えた。
サザンタダンの間へ二人は踏み出した。
「アンギャーーーゥ」
サザンタダンが起きた。
戦闘開始である。
サザンタダンがこちらに突進してくる。
警戒してか、頭は下げない。
このままでは踏み潰される。
汲広は右へ、ステファニアは左へ飛び、サザンタダンの足を避けた。
サザンタダンは頭を下げ、左の頭が汲広を、右の頭がステファニアを睨む。
これはチャンスと思った二人は、その頭めがけて飛び出す。
「トウゥーッ」
「ていやーっ」
汲広は真剣を、ステファニアは杖を頭めがけて振り落とす。
「ギャー-ーゥ」
ステファニアに殴られた右の頭はくらっとし、汲広に切りつけられた左の頭は切られて血しぶきが飛ぶ。
吠えていて気がそれたと感じた汲広はサザンタダンの後ろへ向かい、尻尾めがけて真剣を振り落とすが、サザンタダンが振った尻尾が体に当たり、3mほど飛ばされる。
「アンギャーーーゥ」
サザンタダンは反転し、汲広を睨み付けようとしたとき、汲広は掃き出し窓の能力でサザンタダンの後方に移動し、もう一度真剣を振り下ろした。
「ギャーーーォ」
汲広は血しぶきを浴びた。真剣で切り傷を付けたがまだ浅い。
「コンアーク!」
ステファニアはそう叫ぶと、虚空に穴あきコンクリートブロックが出現した。
それを階段代わりに駆け上がり、
「ていやーっ」
ステファニアは飛びながら、上げている中央の頭めがけて杖を叩きつけた。
「ギャーーーグ」
ステファニアに気を取られている間に汲広は切り傷めがけて真剣を振り落とす。
今度は効果があったようで尻尾の半分ほどまで切り込みを入れることに成功した。
サザンタダンは汲広を払うため、勢いを付けようと振りかぶった瞬間、
「アンギャーーーー」
尻尾からまた血しぶきが上がった。
傷口も深くなったように見える。
これはサザンタダンの失敗ではなかろうか。
その間、ステファニアもじっとしている程鈍感ではない。
右の頭を叩いている。
サザンタダンは切れた尻尾の痛みにこらえながらまたも体を反転させる。
今度はステファニアがホルダーに杖をしまい、手ブラになったところで、
「シャーペナフェア」
と呪文を唱え、一振りの剣を出現させ、
「ていやーーーっ」
と、尻尾の切れ込み部分に剣を叩きつけるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。
馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。
元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。
バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。
だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。
アイドル時代のファンかも知れない。
突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。
主人公の時田香澄は殺されてしまう。
気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。
自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。
ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。
魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる