異世界マゼマゼ奮闘記

ぷい16

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第六章 神様を起こしに

神のお仕事―2―聖人アーキュラーと女神様

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”バズッ”


 植物の大きな葉の根元を切り、下に容器をあてがい、樹液が出るのをじっと待つ。

 やがて、植物からじわっと水分が出てきて、あてがった容器に受ける。


「ここのヒャルホッコイももう粗方あらかた切ったな。次の水分をどこに求めるか…」


 ここは某国某所、水がくなり、水分不足で亡くなった者も多数出ている。


 ここには、長老、長老の息子、長老の孫を中心にまとまってはいるが、日に日に動ける者が少なくなっている。


「これをコーセイに飲ませてやってくれ。彼が一番弱っていたであろう」


 容器を村人に渡し、


「それもこれも、全部あいつらのせいだ」


 長老の孫娘、アーキュラーはそう言って、次の仕事に向かった。



 村の夜は早い。

 食事は取ってきた果物だ。

 しかし、水分不足で果物も年々減っている。

 食事の果物は、水分補給も兼ねている。


 食べたあとは寝るだけだ。

 動くだけで腹も減り、水分も減る。

 アーキュラーが、うつらうつらしていると、


「アーキュラー、アーキュラー」


 アーキュラーは呼ばれているような気がした。

 眠い目をこすりながら、そっと目を開けてみると、自分たちより余程よほど綺麗な身なりをした、綺麗な女性がいた。

 後ろからは後光が差している。


貴女あなたは?」

「私はフィリフレネシア。貴女あなたたちを助けに来ました」


 そう言うと、フィリフレネシアステファニアはこの村で一番大きな水瓶みずがめを持って来させた。


「クリエイトウォーター」


 フィリフレネシアステファニアがそう唱えると、水瓶みずがめが水で満たされた。


 呆気あっけにとられたアーキュラーに、


「私、この技を貴女あなたに授けたいと思っているの」


 これだけの水があればどれだけの命が助かるであろう?


「村人を助けるため、是非ぜひ、お願いします」

「そう?じゃぁ、ちょっとしゃがんで」


 そう言うと、フィリフレネシアステファニアは彼女の頭に手をかざし、能力を授けるのであった。

 光が消え、フィリフレネシアステファニアが手を離すとアーキュラーは、


「水を呼ぶのが『クリエイトウォーター』、あと一つは?」


「それは水脈を探すときに使ってね♪。水脈が分ればそこを掘れば水が湧き出るから。あと、植物にも水をやってね。植物も水がなくて困っているみたいなの」


 そして、フィリフレネシアステファニアは井戸の作り方を教えた。

 すると、アーキュラーは、


貴女あなた何故なぜ、私たちにそんなに親切にしてくれるのですか?」


 と、そうたずねた。すると、フィリフレネシアステファニアは、


貴女あなたたちとは遠い、とーっても遠い親戚なの。しかし、私にとっては我が子同然なの。かわいい我が子が困っているときに助けない親はいないでしょ?」


 アーキュラーは、分ったような、分らないような心持ちになったが、フィリフレネシアステファニアを見ると、あぁ、私は愛されているんだなぁと実感し、納得した。


「これで、貴女あなたはこの村を救い、まわりの村も救い、多くの人々を救ってちょうだい。貴女あなたにはできるわ。それを見定みさだめて、私は、貴女あなたにこうして会いに来たんだもの」

「分りました。私、やります!」


 そうして、フィリフレネシアステファニアはスッと消えた。

 しばしボーッとしたアーキュラーは、我に返ると、


「水が手に入ったぞーーー!!!」


 そう叫んで、やっと眠りについた村人をたたき起こし、


「女神様が水を恵んで下さった。さぁ、飲め。好きなだけ飲め!」


 そう叫んで、村人は、久しぶりに鱈腹たらふく水を飲んだ。

 弱っていた者も、その後、日がてば、徐々に体力が回復していった。


 水を飲んだ村人は、その後、ぐっすり眠れた。

 久しぶりにぐっすりと。


 翌日、村人に果物を取りに行かせ、残った村人で、その日見つけた大きな水脈の上を掘った。

 2日掘り進めると水が湧き出てきた。

 村は大きな歓声に湧いた。


 そして、果物用にも別の水脈の井戸を掘り、アーキュラーは、これを果物の木の周りにまくように指示する。


「この貴重な水を果物にまくのですか?」

「あぁ。食べるためには果物はなくてはならない。木も水を欲している。枯れてしまう前に水をやって木を残すことを女神様に教わった」



 そうして村が水で潤うと、アーキュラーは、数人の仲間を連れて旅に出ると言い出した。

 長老が、


「本当に行くのかい?」

「えぇ。女神様との約束ですから」


 そうしてアーキュラーたち一行は、水がなくて困っている村々に水を与える旅に出るのであった。

 後に言う、聖人アーキュラーと、女神様のお話しでした。
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