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新しい生活
宮廷魔道士のお仕事と、ブレンナのお誕生日会
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こうして、日中は宮廷魔道士としてのお仕事や家庭教師との勉強、家に帰ったらミネルバ、カッテリーナによる貴族の社交に関しての練習を行なう麻宗家の面々。そんな日常が2週間続き、二郎と薫が登城すると、筆頭宮廷魔道士のおっちゃんから、
「君らの初期の指導は終わった。宮廷魔道士はね、いつも城に詰めていなければならないわけではないんだ。君らもシフトに入って登城日を決めたまえ」
宮廷魔道士がそんなフリーダムだとは思っていなかった二郎と薫は面食らった。そういえば、いつも仕事場に居る人間が何だか少ないなと不思議には思っていたのだ。そんなシステムになっていたのかぁと感心する二人。おっちゃんは続けて、
「君らは念話も使えるし、転移魔法も自分にかけられる。遠くに居たって緊急招集に間に合うからその2つができないものよりは自由度が高いよ。但し、緊急招集がかかったら他はさておきすぐに駆けつけてね。約束だよ」
そう念を押されて二人はシフトに組み込まれた。フリーダムだなぁ。
そして、夕方になり、二郎と薫は帰宅する。夕食時にはマナーを指摘され、食後はダンスのレッスン。
「様になってきましたわね」
「これなら社交界に出しても恥をかくことはありませんわ」
ミネルバとカッテリーナからそんな評価をもらった。これでいつ社交界にお呼ばれしてもギリギリ恥をかくことはなくなった。
「それでは社交界デビューしましょうか」
いきなり実践ですか。薫はすまし顔で二郎、花菜香、風雅は面食らう。
「麻宗家は経験が無いだろうと今まで免除されていたのですわ」
「出なければならない催し物は山ほどあるのですわ」
「いずれ、主催もしなければならないことも忘れずに」
そうか。そうだよなぁ。だって貴族だもの。指摘されて二郎も納得であった。
「いきなり見ず知らずの方では不安でしょうから手近なところで、1週間後にブレンナ様の誕生日会がありますわ」
「そこで恥ずかしくないようにお振る舞い下さいませ」
1週間後に薫の母、ブレンナの誕生日会があるらしい。麻宗家の面々はそこに出席することになった。
ミネルバとカッテリーナが動いてくれたことにより、2日後、バーンクリット公爵家から正式に招待状が届いた。麻宗家の面々と、ミネルバ、カッテリーナの名前もあった。
*
そしてやって来たお誕生日会当日。麻宗家の面々+2人は着飾ってキャンピングカーに乗り、バーンクリット邸へ。運転は麻宗家お抱えの御者のヨハン君。今日はバーンクリット邸に沢山の馬車が来る。皆が皆馬車をバーンクリット邸に止めていられないため、キャンピングカーは、麻宗家の面々+2人を降ろした後、麻宗邸へ引き返し、会が終わる頃にまた迎えに来てもらうことになっている。ヨハン君に運転を教えておいて良かったぁ。
バーンクリット邸に入りメイドの案内でホールへ。
「二郎君、エリアリアーナ、よく来てくれたわね」
バーンクリット家の面々と握手し、案内された席へ。そこには既にシンロブモント叔父様が座っていた。麻宗家の面々+2人+シンロブモント叔父様でその丸テーブルの席は埋まってしまう。
程なくして招待客全員が座り、会が始まる。
「今日は我が妻、ブレンナの誕生日会にお集まりいただき、ありがとうございます。まずはお食事をお楽しみ下さい」
その挨拶を皮切りに、楽団による音楽が流れ、料理が運ばれる。コース料理だ。麻宗家の面々もミネルバとカッテリーナの指導の甲斐あって、自然と優雅にお食事をいただいた。
メイン料理もいただき、デザートが振る舞われる頃、
「今日は異国で育った我が娘、エリアリアーナとその家族が社交界デビュー致しました。どうぞその麻宗男爵家も宜しくお願いします」
麻宗家の面々+2人は、各テーブルを、「これからよろしくお願いします」と挨拶をして回った。たまに薫の知り合いが居たらしく、「帰って来たのね。おめでとう」と、お祝いの言葉をもらった。
一通りテーブルを回って元の席に着席。デザートをいただいて、しばらく経った後、
「それではダンスタイムのお時間と致しましょう」
招待客が席を立ち、バーンクリット家の使用人の面々が椅子とテーブルを片付け、スペースを空けると、楽団の音楽がダンス曲に変わり、ダンスタイムが始まった。
花菜香は風雅と。二郎は薫、ミネルバ、カッテリーナと代わる代わる踊った。
ひとしきり踊った後は各自時間を見計らって解散らしい。麻宗家は男爵位。早めに退出しなければならないらしい。
「今日は楽しい時間をありがとうございました」
「これからは気兼ねなく招待状を出すので宜しくね」
バーンクリット家の面々に挨拶をして、キャンピングカーに乗って家路につく。
「はぁ、失敗しやしないかとヒヤヒヤしたな」
「みんな、うまくできてたわよ」
「これが日常化するんだね」
「貴族って大変」
身内主催のパーティーを、何とか乗り越えた麻宗家の面々。
「「「「貴族って疲れる」」」」
何とか乗り越えはしたが、初めてだと言うこともあり、緊張しっぱなしで皆疲れる麻宗家の面々であった。
「君らの初期の指導は終わった。宮廷魔道士はね、いつも城に詰めていなければならないわけではないんだ。君らもシフトに入って登城日を決めたまえ」
宮廷魔道士がそんなフリーダムだとは思っていなかった二郎と薫は面食らった。そういえば、いつも仕事場に居る人間が何だか少ないなと不思議には思っていたのだ。そんなシステムになっていたのかぁと感心する二人。おっちゃんは続けて、
「君らは念話も使えるし、転移魔法も自分にかけられる。遠くに居たって緊急招集に間に合うからその2つができないものよりは自由度が高いよ。但し、緊急招集がかかったら他はさておきすぐに駆けつけてね。約束だよ」
そう念を押されて二人はシフトに組み込まれた。フリーダムだなぁ。
そして、夕方になり、二郎と薫は帰宅する。夕食時にはマナーを指摘され、食後はダンスのレッスン。
「様になってきましたわね」
「これなら社交界に出しても恥をかくことはありませんわ」
ミネルバとカッテリーナからそんな評価をもらった。これでいつ社交界にお呼ばれしてもギリギリ恥をかくことはなくなった。
「それでは社交界デビューしましょうか」
いきなり実践ですか。薫はすまし顔で二郎、花菜香、風雅は面食らう。
「麻宗家は経験が無いだろうと今まで免除されていたのですわ」
「出なければならない催し物は山ほどあるのですわ」
「いずれ、主催もしなければならないことも忘れずに」
そうか。そうだよなぁ。だって貴族だもの。指摘されて二郎も納得であった。
「いきなり見ず知らずの方では不安でしょうから手近なところで、1週間後にブレンナ様の誕生日会がありますわ」
「そこで恥ずかしくないようにお振る舞い下さいませ」
1週間後に薫の母、ブレンナの誕生日会があるらしい。麻宗家の面々はそこに出席することになった。
ミネルバとカッテリーナが動いてくれたことにより、2日後、バーンクリット公爵家から正式に招待状が届いた。麻宗家の面々と、ミネルバ、カッテリーナの名前もあった。
*
そしてやって来たお誕生日会当日。麻宗家の面々+2人は着飾ってキャンピングカーに乗り、バーンクリット邸へ。運転は麻宗家お抱えの御者のヨハン君。今日はバーンクリット邸に沢山の馬車が来る。皆が皆馬車をバーンクリット邸に止めていられないため、キャンピングカーは、麻宗家の面々+2人を降ろした後、麻宗邸へ引き返し、会が終わる頃にまた迎えに来てもらうことになっている。ヨハン君に運転を教えておいて良かったぁ。
バーンクリット邸に入りメイドの案内でホールへ。
「二郎君、エリアリアーナ、よく来てくれたわね」
バーンクリット家の面々と握手し、案内された席へ。そこには既にシンロブモント叔父様が座っていた。麻宗家の面々+2人+シンロブモント叔父様でその丸テーブルの席は埋まってしまう。
程なくして招待客全員が座り、会が始まる。
「今日は我が妻、ブレンナの誕生日会にお集まりいただき、ありがとうございます。まずはお食事をお楽しみ下さい」
その挨拶を皮切りに、楽団による音楽が流れ、料理が運ばれる。コース料理だ。麻宗家の面々もミネルバとカッテリーナの指導の甲斐あって、自然と優雅にお食事をいただいた。
メイン料理もいただき、デザートが振る舞われる頃、
「今日は異国で育った我が娘、エリアリアーナとその家族が社交界デビュー致しました。どうぞその麻宗男爵家も宜しくお願いします」
麻宗家の面々+2人は、各テーブルを、「これからよろしくお願いします」と挨拶をして回った。たまに薫の知り合いが居たらしく、「帰って来たのね。おめでとう」と、お祝いの言葉をもらった。
一通りテーブルを回って元の席に着席。デザートをいただいて、しばらく経った後、
「それではダンスタイムのお時間と致しましょう」
招待客が席を立ち、バーンクリット家の使用人の面々が椅子とテーブルを片付け、スペースを空けると、楽団の音楽がダンス曲に変わり、ダンスタイムが始まった。
花菜香は風雅と。二郎は薫、ミネルバ、カッテリーナと代わる代わる踊った。
ひとしきり踊った後は各自時間を見計らって解散らしい。麻宗家は男爵位。早めに退出しなければならないらしい。
「今日は楽しい時間をありがとうございました」
「これからは気兼ねなく招待状を出すので宜しくね」
バーンクリット家の面々に挨拶をして、キャンピングカーに乗って家路につく。
「はぁ、失敗しやしないかとヒヤヒヤしたな」
「みんな、うまくできてたわよ」
「これが日常化するんだね」
「貴族って大変」
身内主催のパーティーを、何とか乗り越えた麻宗家の面々。
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