仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ

ぷい16

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新しい生活

婚約式とヘビーローテーション

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 宮廷魔道士として王城で仕事をしていたり、パーティーにお呼ばれしたりしていたら、とうとう婚約式の日がやって来た。

 式は王城でり行われる。当日が誕生日などの人は式が終わったら引き続き誕生日会やらが行なわれるので自分たちで開く必要は無い。


 当日、王城の控え室で二郎は白のカッターシャツに紺の礼服の出で立ちで待機していた。かおるもスーツ姿で出席する。花菜香はなか風雅ふうがも、それぞれフォーマルな出で立ちで待機中だ。ミネルバやカッテリーナはこういう場で恥ずかしくない服とは聞いているが、どんな服かはナイショだそうだ。

 式が始まる前は、日本流の演出をするため、出席者が集まってから、式次弟を書いた紙が張り出され、係員によって諸注意が読み上げられた。


 とうとう式本番。床にはドライアイスのスモークがたかれ、地面を白く色づけしていく。二郎は花菜香はなかと手をつなぎ、かおる風雅ふうがと手をつないで席の間の赤絨毯の部分を通る。普通、ここはヴァージンロードと言うんだろうが、とりあえず、ヴァージンじゃない人が通った後だ。赤絨毯の通路と呼ぶことにする。次に、ミネルバとカッテリーナがアバン国王に手を引かれながら入場してきた。

 ミネルバとカッテリーナは、スーツにしてはふわふわな、純白のレースの衣装に身を包んでいた。ほおには少し紅をさし、初々しくもある。

 二郎とミネルバ、カッテリーナが壇上に上がり、神父が、


「これより、ジロウ・アソウとミネルバ、カッテリーナ両名の婚約式を執り行う」


 高らかに宣言した。


「ジロウ・アソウはミネルバ・ルイジアンヌを妻とし、添い遂げることを誓いますか?」

「誓います」

「ミネルバ・ルイジアンヌは、ジロウ・アソウを夫とし、添い遂げることを誓いますか?」

「誓います」

「それでは指輪をはめて下さい」


 二郎はミネルバの左手薬指に、ルビーの婚約指輪をはめた。


「ジロウ・アソウはカッテリーナ・ルイジアンヌを妻とし、添い遂げることを誓いますか?」

「誓います」

「カッテリーナ・ルイジアンヌは、ジロウ・アソウを夫とし、添い遂げることを誓いますか?」

「誓います」

「それでは指輪をはめて下さい」


 二郎はカッテリーナ左手薬指に、エメラルドの婚約指輪をはめた。


「それでは誓いのキスを」


 二郎はミネルバに、次にカッテリーナに軽くキスをした。


「これにてジロウ・オカツカと、ミネルバ・ルイジアンヌ、カッテリーナ・ルイジアンヌ。両名の婚約は成りました。盛大な拍手でお祝い下さい」


 会場は拍手に包まれた。


 国王、麻宗あそう家、ミネルバにカッテリーナは席に着き、次に今日が誕生日なアレリア・ホースキン女史による誕生日会へと移るのであった。


     *


 式はつつがなく終わり、二郎はミネルバとカッテリーナの正式な婚約者となり、麻宗あそう家に迎え入れられた。


 麻宗あそう家では夕食時となり、もうほとんどミネルバとカッテリーナの指導は入らなくなったが、たまに注意が飛ぶ。


「フウ君、ちょっとその食べ方行儀が悪いかな?」

「そう?」

「このお肉はこうして食べた方か上品なのよ」

「これでこう?」

「そうそうそんな感じ」


 ミネルバもカッテリーナももう慣れたもので、花菜香はなかをハナちゃん、風雅ふうがをフウ君と愛称で呼んでいた。

 食後は腹ごなしに少しお茶の時間にし、少しおいたところでダンスのレッスンとなる。


「○コーン ○コーン コ○ケヤ ○コーン、○コーン ○コーン コ○ケヤ ○コーン…」


     *


 花菜香はなか風雅ふうがが寝静まった夜、応接室に、二郎、かおる、ミネルバ、カッテリーナが大人の相談をしていた。


「二郎とミネルバ、カッテリーナが婚約して、ここは少し日本とは勝手が違うんだけど、子作りを始めてもいいのよ」

「まだ結婚もしていないのに、そうなのか?」

「そうなのよ」

「そうです」

「問題ないです。というか、年齢的に、今から始めないと…」


 二郎の半信半疑ぶりにかおる、ミネルバ、カッテリーナがさも当然と答える。


「年齢的にって言ったって、ミネルバは30才、カッテリーナは28才で年齢的にまだ急がなくても十分出産できるじゃないか」

「そうなの?」

「そうなんですか?」

「初産は40才くらいまでギリギリ大丈夫なんだけれども、ザガンガ王国の常識的には30才で出産していないと問題なのよ」

「え、40才まで子供が産めるの?」

「40…」

「医者や助産師がしっかりしていたら40才くらいまで初産は大丈夫よ。でも、今は世間体せけんていを考えなくちゃ」

「ここでは結婚前でも種付けしていいんだ…」

「婚約していればね」

「でも、1日相手は1人だけ。2人も3人もは無理だぞ!」

「それは分ってるわよ。そこで、今からローテーションを組みましょ!」

「やっと行き遅れの汚名ががれるわね」

「その…初めてなんで、優しくお願いします」

「まだ何もしていないのにその言葉、早くない?」


     …


 こうして、麻宗あそう家の夜はけていくのであった。
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