仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ

ぷい16

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新しい生活

ミネルバとカッテリー、出産する

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「…と、言うわけで、早めに会談のセッティングをして欲しいんだ」

「はぁ」


 ヨーネスティンとの結婚式と披露宴の翌日、朝からアバン王と、リチャードお義父様に捕まって、こってりとお説教を食らった後、ジルベチア王国の国王、エレンハイムお義父様と、この、アバン王との会談をセッティングして欲しいと頼まれたのだ。


 それを伝えにやって来たのはジルベチア王国の王城。門番に用件を伝え、中に通される。エレンハイム王の執事と打ち合わせ。わりとすぐに決まった。

 とって返してザガンガ王国の王城で、王の執事に日程を伝え、了承を得た。


 そして迎えたアバン王とエレンハイム王との会談の日。例によって、アバン王にコミュニケーションの魔法をかけるために二郎は後ろに控えながら会談の様子を見ていた。


「二郎君や、両国が友好国としての証を立てるとしたら、象徴としては何がると思う?」

「やっぱり、大使館ですかね?」

「大使館?」

「大使という偉い人間を派遣して、その人間は、その国での派遣元の代表。派遣された国で、国元の人間が国家間の問題を起こせば大使の責任で事に当たる人です」

「ほぉ、そんな人間が。なぁ、アバン国王、我々も大使を送り合わないか?」

「そうですなぁ。送り合いましょう」


 こうしてそれぞれの国で大使を送り合うことで了承したのであった。

 そして、会談が終わったところで、


「なぁ、二郎君、今度はタンザナティアのジンジョルノ王と会談したいんだが、セッティングしてくれないか?」

「はぁ、いいですけど」

「ははっ、楽しみにしておるぞ」


 タンザナティア王国とジルベチア王国は、国境を接していて、会いたければ互いに会いに行けばいいのにと思う二郎であったが、そこは言わずに了承した。



 そして、タンザナティア王国国王とジルベチア王国国王の対談が成されるのであった。ザガンガ王国の王城で。


「それでは、今回は通訳もりませんから私は出てますね」

「いいや、二郎君。君は居てくれ」

「逃がさんぞ、二郎君」


 2人にすごまれて、逃げ出せなかった二郎をよそに、会談が始まった。


「忘れはせんぞ、ヘチルマ平原での合戦は」

「こちらも忘れはせんぞ、ハルキ砦での籠城ろうじょう戦は」


 この2国、むちゃくちゃ戦ってるじゃありませんか!なんでここに巻き込まれたの?ねぇ?どうして?

 2人とも、口で応酬を散々した後、


「で、クソ娘のヨーネスティンを二郎君に嫁がせた訳か」

「そちらこそ、醜女しこめのエテラーシアを二郎君に嫁がせたじゃねぇか」

醜女しこめ言うな、女らしゅうて可愛いわ!」

「クソ娘言うな、目に入れても痛くないかわいらしさだ!」


 また口げんかになる。


「まぁ、そう言うたかて、タンザナティアもジルベチアも二郎君に王女を嫁に出したわけだ」

「まぁ、そうだな」

「それで、長男が結婚していないから、下手したら、両国の王子が兄弟って言うことも起こりえるわけだ。それでだ」

「それで?」

「今までのことは水に流して争い事はしばらくナシ、っちゅうことにせんかね?」

「まぁ、それが妥当かねぇ」


 一時はどうなるかと思ったが、とりあえずは穏便な方向に話が進みそうだ。


「停戦条約の締結書だ。問題なければサインしてくれ」

「よく読ませてもらう。ふむふむ。特に問題ない。二郎君、ペンを」


 二郎は持っていたボールペンを渡した。


「二郎君、今度はこっちにペンを」


 エレンハイム国王に渡したペンを今度はジンジョルノ国王に渡す。


「これで両国サイン済み。今から停戦だ。兵を引くぞい」

「そうだな。兵を引くか」


 そうして会談は終わり、交戦状態だった両兵は、戦いを止め、本国へと引き返すのであった。


 それから、タンザナティア王国側では、森があって国交がしづらいということで、森の木を切り倒して街道を作ったり、ジルベチア王国側では、使節団を交換したり、山があって国交しづらいということで、トンネルを作ったりした。


 そうこうしている間に、ミネルバとカッテリーナに陣痛が来た。


「まだかな、まだかな」

「もう、二郎さんは男で、役に立ちませんから早く仕事に行って下さい」

「二郎?生まれたら念話で知らせるからトンネル掘りの仕事に行ってきたら?」

「分った。生まれたら知らせてくれな?絶対だぞ!」

「分った分った。じゃぁ、行ってらっしゃい」


 そうして、二郎がハスピリーネ山脈にトンネル掘りに行くことにした。


「二郎さん、やっと来た。こっちです。二郎さんがなきゃ、仕事、進まないッスよ」

「悪い悪い。もうすぐ生まれそうでな」


 そうして、トンネルが、ジルベチア王国に届いき、穴掘り作業が終わった頃、ミネルバとカッテリーナに赤ちゃんが生まれるのであった。


「生まれたって?」

「泥だらけじゃないですか。泥を落として出直して下さい」

「その体じゃぁ、赤ちゃんがこっちへ来たって抱けませんよ」

「分った。泥を落としてくる」


 二郎は風呂に入り、着替えた。


「二郎、ミネルバの子は男の子だ」

「カッテリーナの子も男の子ですよ」


 頭に気をつけながらそっと抱いてやる。うん、子供はやっぱりかわいいな!
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