仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ

ぷい16

文字の大きさ
197 / 249
勉強とこの世界の把握

そして、気付くまで黙っておいた

しおりを挟む
 それから30分後、


「あ。エミール様、お早うございます」

「お早う」

「あ。何だかお腹から幸せが…」

「さっきステータスを確認したら、妊娠だって。おめでとう。そして、ありがとう」


 エミールは、優しく微笑ほほえんだ。


「まあ♡」


 ヘクディーは、それはそれは嬉しそうであった。

 そして、優しく優しく、自分のお腹をでるのであった。



「おめでとうございます!」

「お、おめでとうございます」


 アボシーとカルラに妊娠のことを話したら、2人とも喜んでくれた。


「2人とも、ありがとう」

「ふふ。ありがとう。次はあなたたちの番ね。許可するからあなたたちもエミール様に、たっぷり幸せにしてもらいなさい」


 そう、ヘクディーは優しい笑みを浮かべ、お腹をさすりながら、優しく言った。

 アボシーとカルラは真っ赤になりながら、


「「あ、ありがとうございます」」


 そして、うつむいてしまうのであった。


「まぁ、あなたたち、いつの間にそんな関係に?」


 ビーリヒム王妃にも妊娠の報告をした。


「おめでとう。ヘクディー、エミール。私もうれしいわ」


 ビーリヒム王妃は嬉しそうに微笑ほほえむのであった。


 そして、朝食後、エミール、ヘクディー、アボシー、カルラの4人でエミールの部屋に集まった。


「さ、今日はカルラに魔法の腕前を見せてもらうわよ」

「魔法ですか。でも、ヘクディー様は激しく動かない方が…」

「大丈夫よ」


 4人はベッドの上に腰掛け、


「「+*@#$#」」


 2人は呪文を唱えて、4人ともに精神世界へ。


「へ、え? ここ、どこですか?」

「どこって、『精神世界』って言う仮想の空間だよ」

「ここならどんな強力な魔法を使ったってどこにも迷惑はかけないわ。私も動いて大丈夫なの」

「そ、そうなんですか」

「そうよ」

「@*&%&%」

「@*&%&%」


 エミールとヘクディーは呪文を唱え、カルラの今の状態を調べる。



----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+



カルラ・ザガントリア Lv.96



HP:10102/10102

MP:50001/50001

エミール分:6920/15303



<剣術 Lv.19><体術 Lv.79>

<炎魔法 Lv.5><水魔法 Lv.5><風魔法 Lv.5><土魔法 Lv.5><無属性魔法 Lv.121>



----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+



「カルラは魔法より剣術や体術だな」

「そうですわね」


 カルラは、この空間やらステータスやら、今まで知らなかったものにいきなり触れて、そして、まだザガントリア家にも馴染なじんでいないため、頭の中は、アボシーのときよりも絶賛混乱中であった。


「カルラ、落ち着いた?」

「は、はい」


 それから、カルラの魔法を見せてもらった。


「カルラ、魔法、実践で使ったことあるんだ」

「は、はい。島にも野生動物は出ますので。狩りに行ったり、村に入ってきた動物を撃退したりしてました」


 カルラは魔法のバリエーションこそ少ないものの、使い慣れた感があり、精度が抜群に良かった。


「それなら動いている動物にも当てられるんだ」


 動いている動物に物を当てるのは難しい。動物の動きと魔法の軌道を予測して、予想地点に正確に打ち込まなくてはならないからだ。


「慣れている分、この中では1番強そうね」

「そうですね。私は魔法の種類は多く知っている方だと自負しますが、実践慣れで劣る分、カルラの方が強いと思います」


 カルラの動きや精度を見て感想を述べるヘクディーとアボシー。


「大体分かったし、そのくらいにしようか」

「は、はい。ありがとうございます」


 カルラは結構な量の魔法を使ったにもかかわらず、一息も呼吸の乱れはなかったのであった。


 それから4人は円座えんざになり、


「さて、2人にはこれから魔法の勉強をしてもらいたんだけど…」

「まだ本をもらってませんのよね」


 そんな話しをしていると、頭上から、ゆっくりと光が降りてくる。

 その光に4人は向かい合い、ちょうど4人の高さまで降りてくると、


「3人とも息災そくさいで何よりである」


「「「スキカ様!」」」


 アボシーは反射的に祈りのポーズを取る。


「え?神様?この方がスキカ神様?」


 カルラはほうけるのであった。


「カルラや、初めまして」

「は、初めまして」

「エミール、ヘクディー、アボシーの3人はよくやった。めてつかわす」

「「「ありがとうございます」」」

早速さっそくだがカルラよ、ちこれ」

「は、はい!」


 カルラはスキカの近くにる。


いとうしたり害することはないゆえ、楽にいたせよ」

「は、はい」


 そして、カルラは目をつぶり、スキカの手は光を放つ。

 やがて光はおさまり、


「カルラよ、そなたにはわれとのつながりと念話、それから神代魔法の初級編を授けた。エミールとヘクディーによく習い、身につけるのだぞ」

「はい」

「そしてアボシー」


 今度はアボシーが呼ばれる。


「はい」

「今度はお前の番だ。ちこれ」

「はい」


 そして、アボシーは目をつぶり、スキカの手は光を放つ。

 やがて光はおさまり、


「アボシーよ、そなたにも神代魔法の初級編を授けた。エミールとヘクディーによく習い、身につけるのだぞ」

「はい。ありがとうございます」


 スキカはうんうんとうなずき、


「それではエミール、ヘクディー。そなたらはアボシーとカルラをよく指導してやるんだぞ」

「「はい」」

「それではわれは行く。また近々ちかぢか続きを授けに来る。またな」


 と、言うと、スキカはまた光に戻り、スーッと立ち上って見えなくなっていく。

 4人はスキカを見送った後、また円座えんざになり、


「さて、2人とも本も手に入れたし、魔法の勉強をしようか」

「「はい」」


 そうしてこの日はエミールとヘクディーが、アボシーとカルラに神代魔法初級編を教えるのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。 気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。 だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう―― ――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...