天才怪盗の社会奉仕(エリート怪盗だった俺が問題だらけの学園で事件を解決します)

ハルサメ

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ミネルヴァの梟、助ける

第45話

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「まぁそういったわけだ。んで、実際何でお前はそれを隠していたんだ?」

 あのまま聴取を行っていたら、容疑者である彼女たちが実際に行っていない事を聞くことになり、今回の件は何も進展しなかっただろう。そもそも素直に依頼を伝えれば、これほどまでにややこしいことにはならなかったのだ。

「えぇそうね、これに関しては私の責任よ。隠していた事はごめんなさい。ただ、あなたたちを信用して良いか分からなかったのよ。それに、この話に巻き込んで良いのかもね」

「話に巻き込む、とは?」

 西城の煮え切らない言葉と諦めたような表情に、あーやが怪訝な顔をする。
言葉通りなら、西城は何か厄介な事を抱えているということになるが。

「これを誰かに言うのは初めてなんだけど、あたし、最近変なのに付き纏われてるのよ」

「それは俗に言うストーカーって奴か?」

 問いに、西城は頷きを返す。

「では先ほど言っていた、私物を盗む輩というのは」

「そいつなんじゃないかと、あたしは思ってる」

 西城は学生でありながら、売り出し中のアイドルである。ならばその追っかけがいるのも頷けることだ。だが今ここで問題となっているのは、その追っかけが校内にまで影響していることだ。

「つまりそのストーカーはこの学園の関係者で、もしかしたら学生かもしれないって事か」

 私物の紛失は学園内で発生している。そして学園に入るには、俺でさえ侵入に苦労する校門の認証をパスしなければいけない。そうなれば自然と犯人は学園関係者になっていく。

「本当は、ただ盗まれたことについて調べてくれればよかったのよ。でもあんたが色々気付くから、ここまで喋っちゃったわ」

「お前の説明が下手だったって事だ」

 最初から隠そうとすれば隠す事は容易だった。だが咄嗟に西城は口走ってしまった。

「ですがストーカーに関しては、私たちよりも警察の方が良いと思うのですが?」

 分室は学園内の問題を取り締まる組織ではあるが、法律を司っている訳でもなければ、犯罪に関してギルドが関わっていない限りは口を出すべきではない。そういった類は、本来全てプロに任せるべきだ。

「でも、それが嫌だからここに来たんだろ?」

「その通りよ。やっと仕事が乗ってきたのに、こんなことで問題を起こしたくない。あたしも親に無理言って上京してきた身だから、これが知られればすぐさま実家に戻されるわ。あたしはなんとしてもそれは避けたいの」

 やっとのことで仕事が回り始めた時は、何よりもそれが優先される心境になり、悪く言えばそれ以外を軽んじる傾向に陥りやすい。今が勝負時だと確信している状態で、余所見をする余裕なんてありはしない。

 だがそういう時に限って、当人の知らない所で何かしらの問題が起こってしまうものだ。

「んで、警察にも頼れないからここに来たと」

「本当に癪だけどね。あんたの言う通り、こればかりは泣きつかせてもらうわ」

 見るからにプライドが高い西城だが、背に腹は変えられない状況なのだろう。それほどまで西城は、自分の仕事に誇りと責任を持って取り組んでいると言うことだ。その点から言って、西城には好感が持てる。それが何であれ、仕事を全うしようとする輩は見ていて気持ちが良い。俺としては依頼を断る理由が無い。

 だが、先ほどからあーやは渋い顔を崩していない。
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