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ミネルヴァの梟、助ける
第48話
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「それよりも、この件で少しまずいことが判明した」
「え……? 一体何が?」
「こいつは俺の家じゃなくて、分室に送られてきた。てことはこれが俺の仕業じゃなくて、分室として行っているとバレている可能性がある。だが重要なのはそこじゃない。重要なのは、それがどこからバレたのか、ということだ」
「あんたが分室に入っているからじゃないの? 聞けば、あんた中々有名らしいじゃない。威張り腐ったインターハイ常連のうちの柔道部を片手でいなしたとか、もっぱらの噂よ」
「いくらなんでもそれは無理があるだろう」
「あぁやっぱり?」
「片手では無理だ」
「そっち!?」
緊急退避の手段として近接格闘は一通り叩き込まれた。いくら柔道の有段者連中だとしても、柔道のルールを逸脱した異種混合格闘技で対処すれば問題ない。我が物顔で食堂を占拠する柔道部を嗜めただけなのだが、そんなのにいちいち反応するから目立つのか。
「それで俺が分室に入っているからという理由だが、その可能性は低いだろう。もしそれが理由なら、日を空けずに初日かその翌日に送ってくるはずだ。俺が有名ならなおさらだろうし、確証もなく分室に喧嘩を売るのは、あまり頭のいいやり方じゃない。数日空けたと言うことは、分室主導という確証が得られたからだと考えられる」
「普通にあんたの行動に我慢しきれなくなったとかじゃなくて?」
「だったらなおさら期間なんて空けずに脅迫してくるはずだろ。わざわざ五日間も俺が好き勝手している様子を、指を銜えて眺めている趣味があれば別だかな」
その光景を想像したのか、西城がおえっという表情をする。
「まぁこれもあくまで可能性の域だが、どこかで話が漏れているかもしれない。この件を誰かに話したりは……してないよな」
「当然でしょ? じゃなきゃそもそも分室を頼らないわよ」
今回の件は極内密に、というのが西城の希望だ。その本人が情報を流すはずが無い。この件を知っているのは、当事者である西城と依頼を受けた俺とあーや。そして報告を受けた室長の四人だけだ。依頼については分室の応接室で話しただけで、それ以降でその類の会話は行われていない。
分室の面子が意図せずして情報を流してしまった可能性もなくはないが……。
「西城、また可能性の話だが、自宅で今回のことを話したりしたか?」
「自宅? 自宅って言ってもあたしは一人暮らしよ? 誰に話すって言うのよ」
「いやそうじゃない。独り言とかで何か言わなかったかって事だ」
「独り言って…………あ」
はい、やっちまったって顔いただきました。
「いつ、何を言った?」
「一昨日の夜に、あんたにイラついてつい愚痴ってたけど……え、それが何なの?」
「考えられる可能性だ。だが、今のお前の証言で現実味が帯びてきた」
愚痴が一昨日の夜、脅迫状が届いたのが昨日の夕方。時系列は合致する。どんな馬鹿げたことでもいいのなら、可能性はいくらでも考えられる。だがそれを否定できる要素や確証が無いのなら、その馬鹿げた考えでさえ真実になり得る。
「一つ言うぞ。お前の自宅が、盗聴されている可能性がある」
「え……? 一体何が?」
「こいつは俺の家じゃなくて、分室に送られてきた。てことはこれが俺の仕業じゃなくて、分室として行っているとバレている可能性がある。だが重要なのはそこじゃない。重要なのは、それがどこからバレたのか、ということだ」
「あんたが分室に入っているからじゃないの? 聞けば、あんた中々有名らしいじゃない。威張り腐ったインターハイ常連のうちの柔道部を片手でいなしたとか、もっぱらの噂よ」
「いくらなんでもそれは無理があるだろう」
「あぁやっぱり?」
「片手では無理だ」
「そっち!?」
緊急退避の手段として近接格闘は一通り叩き込まれた。いくら柔道の有段者連中だとしても、柔道のルールを逸脱した異種混合格闘技で対処すれば問題ない。我が物顔で食堂を占拠する柔道部を嗜めただけなのだが、そんなのにいちいち反応するから目立つのか。
「それで俺が分室に入っているからという理由だが、その可能性は低いだろう。もしそれが理由なら、日を空けずに初日かその翌日に送ってくるはずだ。俺が有名ならなおさらだろうし、確証もなく分室に喧嘩を売るのは、あまり頭のいいやり方じゃない。数日空けたと言うことは、分室主導という確証が得られたからだと考えられる」
「普通にあんたの行動に我慢しきれなくなったとかじゃなくて?」
「だったらなおさら期間なんて空けずに脅迫してくるはずだろ。わざわざ五日間も俺が好き勝手している様子を、指を銜えて眺めている趣味があれば別だかな」
その光景を想像したのか、西城がおえっという表情をする。
「まぁこれもあくまで可能性の域だが、どこかで話が漏れているかもしれない。この件を誰かに話したりは……してないよな」
「当然でしょ? じゃなきゃそもそも分室を頼らないわよ」
今回の件は極内密に、というのが西城の希望だ。その本人が情報を流すはずが無い。この件を知っているのは、当事者である西城と依頼を受けた俺とあーや。そして報告を受けた室長の四人だけだ。依頼については分室の応接室で話しただけで、それ以降でその類の会話は行われていない。
分室の面子が意図せずして情報を流してしまった可能性もなくはないが……。
「西城、また可能性の話だが、自宅で今回のことを話したりしたか?」
「自宅? 自宅って言ってもあたしは一人暮らしよ? 誰に話すって言うのよ」
「いやそうじゃない。独り言とかで何か言わなかったかって事だ」
「独り言って…………あ」
はい、やっちまったって顔いただきました。
「いつ、何を言った?」
「一昨日の夜に、あんたにイラついてつい愚痴ってたけど……え、それが何なの?」
「考えられる可能性だ。だが、今のお前の証言で現実味が帯びてきた」
愚痴が一昨日の夜、脅迫状が届いたのが昨日の夕方。時系列は合致する。どんな馬鹿げたことでもいいのなら、可能性はいくらでも考えられる。だがそれを否定できる要素や確証が無いのなら、その馬鹿げた考えでさえ真実になり得る。
「一つ言うぞ。お前の自宅が、盗聴されている可能性がある」
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