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本編
第22話
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《他に質問が無ければ始めましょうか》
澪の声と共にステージのスクリーンに10が映し出される。無駄に豪華なつくりだ。
カウント0で勝負の始まり、体育館にいる全員がそれを悟る。無駄口をたたくものは誰もいない。静かにカウントの減少を見守っていく。
5……4……3……2……1……。
カウントが0になった瞬間、倉田が竹刀を構えて突撃してくる。
倉田は4人の中で一番闘矢に触れる可能性を持っている。
剣道三倍段という言葉があるように、素手の相手が竹刀を持った、しかもインターハイ出場選手と戦うことは無謀の極みだ。しかも触られたら負けの変則ルール、圧倒的に相手が有利だ。
だが、そもそもそんな分かりきったことで勝負が決してしまうのであれば、最初から闘矢がこのルールを飲むわけも無いのである。
倉田が放った面の攻撃を、闘矢は難なく避けた。遊園地の時と比べれば、距離があった分避けるのに余裕があった。
同時に体育館に歓声が沸く。ファーストコンタクトは闘矢の勝ち。だが―闘矢は直ぐに立っていた場所から動く。
直後、そこを硬球が通り過ぎる。佐伯の投球、それはつまり甲子園出場投手の直球で、時速が150キロも出ている。今年ドラフトの目玉として注目されている選手だ。
そんな直球が闘矢に襲い掛かってくる。
残る木村と遠藤は動く素振りを見せていない。恐らく、二人一組の交代制を組んでいる。
この中で30分間フルで、動き続ける部活はサッカー部のみであり、他の3人も体力的に問題は無いだろうが、温存のために取った体制だろう。
闘矢も特に驚かない、事前に宗司にその可能性を示唆されていたからだ。
それから倉田の剣道によるインファイト、佐伯の投球による遠隔射撃を闘矢は避け続ける。倉田の攻撃を避けた隙に時速150キロの硬球が飛んでくる恐怖が異常だ。
そもそも当てる目的で時速150キロの硬球を投げて良いわけが無いのだが。
そう疑問を持ちながら7分が経過すると、交代の時間なのか、佐伯と倉田が後退する。
同時に木村と遠藤が前に出る。今度の二人も役割としては先ほどと同じではあるものの、それでも下位互換に思える。
木村のサッカーボールは確かに脅威ではあるが、佐伯の硬球には流石に劣る。遠藤もリーチの面から言えば倉田の剣道の方が分がある。やり過ごせるはずだ。
僅かなインターバルをはさみ、木村がボールを蹴る。大きさから先ほどの硬球以上の脅威を感じたが、速度はそこまで出ていない。
避けれると思い、右に動いた闘矢に戦慄が走る。
ボールが一瞬ブレる。
するとボールは突然避けたと思った闘矢へと向きを変える。回避が間に合わないタイミング。だがそこで闘矢は機敏な動きを見せる。両足を滑らせる様に投げ出す。
同時に闘矢の体は倒れ込み、その上すれすれをボールが通り抜けた。絶対拒絶の異名を持つが故の反応速度である。
直後床を手で弾き勢いをつけて転がり、襲い掛かるドロップキックを避け、跳ねるように立ち上がって間髪いれず体を横に倒す。風を切りながら、剛速球が顔の横を通過した。
闘矢の視線の先には投球後の佐伯の姿。休むと見せかけたのはブラフだった。だが隣の倉田が動かないのを見ると、どうやら佐伯の後方支援が残っただけのようだ。
それに前衛の遠藤と、前後どちらもいける木村。
先ほどの木村のボールが変化したのを見ると、それ以上の変化球を佐伯が投げてくるのは予想が出来る。
なるほど、闘矢は心の中で呟く。
4人それぞれの役割は、十分理解した。
準備は整った。
澪の声と共にステージのスクリーンに10が映し出される。無駄に豪華なつくりだ。
カウント0で勝負の始まり、体育館にいる全員がそれを悟る。無駄口をたたくものは誰もいない。静かにカウントの減少を見守っていく。
5……4……3……2……1……。
カウントが0になった瞬間、倉田が竹刀を構えて突撃してくる。
倉田は4人の中で一番闘矢に触れる可能性を持っている。
剣道三倍段という言葉があるように、素手の相手が竹刀を持った、しかもインターハイ出場選手と戦うことは無謀の極みだ。しかも触られたら負けの変則ルール、圧倒的に相手が有利だ。
だが、そもそもそんな分かりきったことで勝負が決してしまうのであれば、最初から闘矢がこのルールを飲むわけも無いのである。
倉田が放った面の攻撃を、闘矢は難なく避けた。遊園地の時と比べれば、距離があった分避けるのに余裕があった。
同時に体育館に歓声が沸く。ファーストコンタクトは闘矢の勝ち。だが―闘矢は直ぐに立っていた場所から動く。
直後、そこを硬球が通り過ぎる。佐伯の投球、それはつまり甲子園出場投手の直球で、時速が150キロも出ている。今年ドラフトの目玉として注目されている選手だ。
そんな直球が闘矢に襲い掛かってくる。
残る木村と遠藤は動く素振りを見せていない。恐らく、二人一組の交代制を組んでいる。
この中で30分間フルで、動き続ける部活はサッカー部のみであり、他の3人も体力的に問題は無いだろうが、温存のために取った体制だろう。
闘矢も特に驚かない、事前に宗司にその可能性を示唆されていたからだ。
それから倉田の剣道によるインファイト、佐伯の投球による遠隔射撃を闘矢は避け続ける。倉田の攻撃を避けた隙に時速150キロの硬球が飛んでくる恐怖が異常だ。
そもそも当てる目的で時速150キロの硬球を投げて良いわけが無いのだが。
そう疑問を持ちながら7分が経過すると、交代の時間なのか、佐伯と倉田が後退する。
同時に木村と遠藤が前に出る。今度の二人も役割としては先ほどと同じではあるものの、それでも下位互換に思える。
木村のサッカーボールは確かに脅威ではあるが、佐伯の硬球には流石に劣る。遠藤もリーチの面から言えば倉田の剣道の方が分がある。やり過ごせるはずだ。
僅かなインターバルをはさみ、木村がボールを蹴る。大きさから先ほどの硬球以上の脅威を感じたが、速度はそこまで出ていない。
避けれると思い、右に動いた闘矢に戦慄が走る。
ボールが一瞬ブレる。
するとボールは突然避けたと思った闘矢へと向きを変える。回避が間に合わないタイミング。だがそこで闘矢は機敏な動きを見せる。両足を滑らせる様に投げ出す。
同時に闘矢の体は倒れ込み、その上すれすれをボールが通り抜けた。絶対拒絶の異名を持つが故の反応速度である。
直後床を手で弾き勢いをつけて転がり、襲い掛かるドロップキックを避け、跳ねるように立ち上がって間髪いれず体を横に倒す。風を切りながら、剛速球が顔の横を通過した。
闘矢の視線の先には投球後の佐伯の姿。休むと見せかけたのはブラフだった。だが隣の倉田が動かないのを見ると、どうやら佐伯の後方支援が残っただけのようだ。
それに前衛の遠藤と、前後どちらもいける木村。
先ほどの木村のボールが変化したのを見ると、それ以上の変化球を佐伯が投げてくるのは予想が出来る。
なるほど、闘矢は心の中で呟く。
4人それぞれの役割は、十分理解した。
準備は整った。
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