8月の神隠し

匿名さん

文字の大きさ
上 下
5 / 6

第5話

しおりを挟む
「お安い御用さ」

そう、黒猫が言葉を発したのだった

「ひっ…」

「なぁに、怖がることはないよ。オイラはもう死んでるんだから。君に危害は加えられないよ」

死んでいる…
確かに今、そう言われたような…

「死んで…いる…?」

「そうさ、オイラはもうとっくに死んでるんだよ」

怖いとかそういうのじゃなくて、不思議な感じがした

死んだ人と話す

そんな経験、今までにした人は数少ないだろう

というか、いないのではないだろうか

しおりを挟む

処理中です...