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11.不機嫌な王子様
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宴会場の一角からあがる「きゃーっ」というけたたましい悲鳴と、鈴が転がるような笑い声。
第一営業部女性陣の、嬉しさを隠しきれない悲鳴が上がる度、浴衣を着た男たちの気の毒そうな視線がそちらへと向けられる。
そして男たちは、そこで繰り広げられる光景を目にする度に痛ましい表情を浮かべ、見なかったふりをして顔を元の位置に戻す、という事を延々と繰り返していた。
「女子島」と名を付けられた現在鎖国状態のその場所で、部で一番の美人が輪の中心に座り、あれやこれやといじり倒されている。
「瀬川主任、髪、さらっさら!」
「お肌もすっべすべだよ?ヒゲって生えるんですか?」
「見てみて~。腕なんて、産毛しか生えてないよー。うらやましい!」
耳まで真っ赤に染めながらも、ペタペタと体中触られまくるのをじっと耐えている瀬川対し、「ちくしょうらやましいぜ!俺も女の子にいじられたい!」となどと思う男は、この宴会場には一人も存在しなかった。
羨ましがるよりむしろ、本性を丸出しにした女性たちの暴挙におびえ、人身御供に差し出された瀬川の犠牲に心から冥福を祈り、皆陰で、こっそりと手を合わせている。
女性チームはかなり酒が入っているせいか、男性に対する遠慮というものをどこかへ置き去ってしまったらしかった。
隆一がわざわざ着替えさせた瀬川のスウェットのあちこちを引っぱっては、脱げかかってチラ見えする白い肌を褒めたたえる女性たち。
「ウエストほっそ!ちゃんと食べてますか?!」
一人が、ここぞとばかりに瀬川のウエストに手を回して掴み上げる。
瀬川はそれにも「うぎゃっ」と悲鳴を上げただけで、逆らうことなくされるがままになっていた。
「ちょっと……かわいそうでしたかね、あれ……」
「あー。恰好の餌食にされてるな……」
瀬川がおもちゃにされる原因を作った山口と隆一は、反省会と称し、宴会場の片隅で日本酒をちびちびと飲んでいた。
女子島に投入すれば安全だと思っていたのに、まさかああなるとは山口も隆一も思っていなかった。
酔った女の集団、おそるべし。
いつもならこの時間帯にはすっかり真っ裸になっているはずの第一課の野郎どもも、今日は大人しく浴衣を着たまま、はらはらと手に汗握り、瀬川の行く末を見守っている。
野郎どもが大人しいのはありがたいが、これを結果オーライといってよいのかどうかは悩ましい所だ。
「ねえ、いい加減あれ、助けてあげてよ」
かわいそうすぎて見ていられないわ!と、鎌田が打ち合わせにきた振りをして、山口と隆一の二人に囁いた。
「俺にはあそこに突入する勇気はない!」
ぶるぶると首を横に振りながら言い切る山口を、鎌田が睨みつける。
「そんな事言って、あそこに瀬川主任を投入したの山口さんでしょ?!なんとかしないと、そのうち丸裸にされるわよ?」
そこまでするだろうか?と隆一はちらりと女子島に視線を向け、スウェットの上を脱がされかかっている瀬川の姿を見て、「うわ……」と顔を手で覆った。
「あんなことになるなんて、これっぽっちも思わなかったんだよ!」
山口の言い分もわかる。山口同様、隆一は女という生き物を侮っていた。
女心を熟知していると思っていた自分が恥ずかしい。
まさかやつらが、無抵抗な小動物をあそこまで残酷にいたぶれる生き物だったなんて、男は誰も思っていないだろう。
「俺が行って、回収してきます」
責任取って、と二人に向かってそう告げると、隆一は勢いをつけて立ちあがる。
そのまま女子島に足を向けた隆一に、周りから勇者を称える視線が一斉に注がれた。
鎌田と山口がそろって、いってらっしゃいと小さく手を振っていた。
「瀬川主任、お化粧とかもすっごく似合いそう!」
「え、に、似合わないよ!」
「いやん、絶対似合いますってぇ」
「あたし化粧ポーチ持ってるぅ」
「あ、はーい!あたしお化粧得意だよー!」
一人が、ファンデーションを手にいまにも瀬川に圧し掛かろうとするのを、すんでの所で隆一の腕が阻止する。
脇を抱えてズルリと引っこ抜くと、瀬川はほっとしたのか猫の子のように体の力を抜き、ぶらんとぶら下がる様に隆一に抱きかかえられた。
「お嬢さま方、すみません。そろそろうちの主任をお返し頂きたく……」
「ぎゃあ!プリンスが姫を奪還しにきたわよ!」
「姫抱っこ?!姫抱っこするの?!」
「あたし一度も見たことない!見たい!」
今の叫びは聞かなかったことにしようと黙って踵を返し、そのまま元いた席に戻ろうとすると、隆一のスウェットが誰かの手によってはっしと掴まれた。
「プリンス。まさかとは思うけど、タダで姫君を奪還できるとは思ってないわよね?」
精魂尽き果て、だらりと抱かれたままになっている瀬川と共に恐る恐る振り返ると、仁王立ちしたお局さまが、隆一を鬼の形相で睨み上げていた。
彼女には誰も逆らえないという、第一営業部伝説のお局、麻実さま。
「……ダメですか?」
「ダメです。等価交換という言葉をご存知?」
「ハイ。……俺は何をすれば?」
瀬川を逃がすためだ、と隆一は覚悟を決め、神に祈る巡礼者のように目を閉じる。
こうなったのももとはと言えば自分の責任なので、瀬川の代わりになって思う存分女性たちにいじられまわされようではないか。
隆一はそう心に誓い、お局様の意識が自分に集中しているうちにと、降ろした瀬川を自分の後ろに隠し、山口のいる方向へとこっそり手で押しやった。
「お姫様抱っこよ、藤堂くん。今、あれをして見せて!」
なんだそんなこと、と、麻実の要求に隆一はほっと胸をなでおろす。
「いいですよ。麻実さんを抱っこすればいいですか?」
女性の体など軽いものだ。それぐらいで済まされるのなら、姫抱っこだろうが米抱っこだろうが、なんでもしてやる。
はい、と腕を差し出すと、周りの男共から「おお!勇者だ!」「まさか麻実様を?!」というどよめきがあがった。
「あたしを抱っこしてどうすんの。瀬川くんを抱っこして見せてって言ってるの!」
「……は?!」
ダメだ。お局様も完全に酔っぱらっていらっしゃる。
後ろでは、逃げそびれた瀬川が隆一の背中に取りすがり、真っ赤な顔でこちらを見上げながら首をプルプルと横に振っている。
「麻実さん。申し訳ないですが、それでは等価交換になりませんよ」
瀬川を使うのでは、等価交換にならないだろうと隆一は強く主張する。
気を失っている状態ならいざしらず、この状況のこの面々の前で、いくらなんでも姫抱っこ見せろはないだろう。
あれは、する方もテレるがされる方はもっと恥ずかしい思いをするものだ。
抱かれる方が男ならなおさら。
隆一がつっぱねると、「ダメか」と麻美が行儀悪く舌打ちをした。
「藤堂くんとお姫様抱っこで撮影会、ではどうですか?」
いつの間にか隣にやってきていた鎌田が、こっそり瀬川を逃がしながら、カメラを手に提案した。
「もちろん希望者のみですが。お姫様抱っこでもお米様抱っこでも、藤堂くんならどっちでもいけます。なんなら今流りの後ろハグでも。ね?藤堂くん!」
ハイと言え!と言わんばかりの迫力で、鎌田が隆一を振り返る。
「……それでよければ」
隆一の返事に、女子チームから悲鳴があがる。
「男性陣も希望者があればどうぞ!王子のお姫様抱っこなんて、なかなか体験できないですよ!」
場を盛り上げるために男連中にも声をかける鎌田に、「俺!お姫様抱っこされてみたい!」と真っ先に名乗りをあげたのは、ニ課の西島だった。
周りの空気が読める男で、隆一ともそこそこ仲がいい。
「おまえぐらいならいける。よし、来い西島!」
「藤堂さぁぁん!」
ダッシュで駆け寄る西島とがっしり抱き合い、そのまま膝をすくい上げて抱き上げると、女子の群れから悲鳴が上がる。
「うわーっ!高い!こわいぃ!!!」
「しがみつくな西島!それに重いっ!」
瀬川同様小柄な方ではあるが、それなりにがっちりとした体格である西島は、予想以上に重かった。
やはり瀬川は細すぎるのだ、と、こんな場面で実感する。
「人生初のお姫様抱っこをありがとう!藤堂さん!」
ぶちゅっと頬に唇を押し当てられた所で、周りからの悲鳴とゲラゲラ笑う声が響き渡る。
鎌田のカメラでほっぺちゅーの記念撮影を終え、立ち去る西島に「サンキュ」と小声で礼を言うと、ウィンクで返された。
あいつ、出世しそうだな、と西島のおかげで盛り上がった場を見回し、「次は誰ですか?」と尋ねると、女子がこぞって手をあげ、行列を作り始めた。
その最後尾に部長が並んでいるように見えるのは……気のせいだろうか。
ちらりと瀬川を確認すると、山口に保護されてお茶を飲んでいる所だった。
目が合うと、手を合わせて隆一を拝むようなしぐさをする。
そんなに感謝されると、心が痛む。なにせ、女子島に瀬川を投入することを提案したのは、隆一なのだから。
並ぶ女子の希望を聞いてやり、お姫様だっこだったり後ろハグだったりを披露して撮影会をした後、部長とも肩を組んで記念撮影をし(娘に部のプリンスの写真を見せるのだと言っていた)なんとか麻美を満足させることが出来た頃には、一課の野郎どもがすっかり裸になって暴れまわっていた。
「パンツぐらい履きなさい!写真撮って壁に貼りだすわよ!」
麻美の一喝に慌てる裸族の男たちといういつもの宴会の光景にほっと胸を撫で下ろし、酷使した腰をトントン叩きながら、隆一はこっそりと瀬川の隣の席へ滑り込んだ。
第一営業部女性陣の、嬉しさを隠しきれない悲鳴が上がる度、浴衣を着た男たちの気の毒そうな視線がそちらへと向けられる。
そして男たちは、そこで繰り広げられる光景を目にする度に痛ましい表情を浮かべ、見なかったふりをして顔を元の位置に戻す、という事を延々と繰り返していた。
「女子島」と名を付けられた現在鎖国状態のその場所で、部で一番の美人が輪の中心に座り、あれやこれやといじり倒されている。
「瀬川主任、髪、さらっさら!」
「お肌もすっべすべだよ?ヒゲって生えるんですか?」
「見てみて~。腕なんて、産毛しか生えてないよー。うらやましい!」
耳まで真っ赤に染めながらも、ペタペタと体中触られまくるのをじっと耐えている瀬川対し、「ちくしょうらやましいぜ!俺も女の子にいじられたい!」となどと思う男は、この宴会場には一人も存在しなかった。
羨ましがるよりむしろ、本性を丸出しにした女性たちの暴挙におびえ、人身御供に差し出された瀬川の犠牲に心から冥福を祈り、皆陰で、こっそりと手を合わせている。
女性チームはかなり酒が入っているせいか、男性に対する遠慮というものをどこかへ置き去ってしまったらしかった。
隆一がわざわざ着替えさせた瀬川のスウェットのあちこちを引っぱっては、脱げかかってチラ見えする白い肌を褒めたたえる女性たち。
「ウエストほっそ!ちゃんと食べてますか?!」
一人が、ここぞとばかりに瀬川のウエストに手を回して掴み上げる。
瀬川はそれにも「うぎゃっ」と悲鳴を上げただけで、逆らうことなくされるがままになっていた。
「ちょっと……かわいそうでしたかね、あれ……」
「あー。恰好の餌食にされてるな……」
瀬川がおもちゃにされる原因を作った山口と隆一は、反省会と称し、宴会場の片隅で日本酒をちびちびと飲んでいた。
女子島に投入すれば安全だと思っていたのに、まさかああなるとは山口も隆一も思っていなかった。
酔った女の集団、おそるべし。
いつもならこの時間帯にはすっかり真っ裸になっているはずの第一課の野郎どもも、今日は大人しく浴衣を着たまま、はらはらと手に汗握り、瀬川の行く末を見守っている。
野郎どもが大人しいのはありがたいが、これを結果オーライといってよいのかどうかは悩ましい所だ。
「ねえ、いい加減あれ、助けてあげてよ」
かわいそうすぎて見ていられないわ!と、鎌田が打ち合わせにきた振りをして、山口と隆一の二人に囁いた。
「俺にはあそこに突入する勇気はない!」
ぶるぶると首を横に振りながら言い切る山口を、鎌田が睨みつける。
「そんな事言って、あそこに瀬川主任を投入したの山口さんでしょ?!なんとかしないと、そのうち丸裸にされるわよ?」
そこまでするだろうか?と隆一はちらりと女子島に視線を向け、スウェットの上を脱がされかかっている瀬川の姿を見て、「うわ……」と顔を手で覆った。
「あんなことになるなんて、これっぽっちも思わなかったんだよ!」
山口の言い分もわかる。山口同様、隆一は女という生き物を侮っていた。
女心を熟知していると思っていた自分が恥ずかしい。
まさかやつらが、無抵抗な小動物をあそこまで残酷にいたぶれる生き物だったなんて、男は誰も思っていないだろう。
「俺が行って、回収してきます」
責任取って、と二人に向かってそう告げると、隆一は勢いをつけて立ちあがる。
そのまま女子島に足を向けた隆一に、周りから勇者を称える視線が一斉に注がれた。
鎌田と山口がそろって、いってらっしゃいと小さく手を振っていた。
「瀬川主任、お化粧とかもすっごく似合いそう!」
「え、に、似合わないよ!」
「いやん、絶対似合いますってぇ」
「あたし化粧ポーチ持ってるぅ」
「あ、はーい!あたしお化粧得意だよー!」
一人が、ファンデーションを手にいまにも瀬川に圧し掛かろうとするのを、すんでの所で隆一の腕が阻止する。
脇を抱えてズルリと引っこ抜くと、瀬川はほっとしたのか猫の子のように体の力を抜き、ぶらんとぶら下がる様に隆一に抱きかかえられた。
「お嬢さま方、すみません。そろそろうちの主任をお返し頂きたく……」
「ぎゃあ!プリンスが姫を奪還しにきたわよ!」
「姫抱っこ?!姫抱っこするの?!」
「あたし一度も見たことない!見たい!」
今の叫びは聞かなかったことにしようと黙って踵を返し、そのまま元いた席に戻ろうとすると、隆一のスウェットが誰かの手によってはっしと掴まれた。
「プリンス。まさかとは思うけど、タダで姫君を奪還できるとは思ってないわよね?」
精魂尽き果て、だらりと抱かれたままになっている瀬川と共に恐る恐る振り返ると、仁王立ちしたお局さまが、隆一を鬼の形相で睨み上げていた。
彼女には誰も逆らえないという、第一営業部伝説のお局、麻実さま。
「……ダメですか?」
「ダメです。等価交換という言葉をご存知?」
「ハイ。……俺は何をすれば?」
瀬川を逃がすためだ、と隆一は覚悟を決め、神に祈る巡礼者のように目を閉じる。
こうなったのももとはと言えば自分の責任なので、瀬川の代わりになって思う存分女性たちにいじられまわされようではないか。
隆一はそう心に誓い、お局様の意識が自分に集中しているうちにと、降ろした瀬川を自分の後ろに隠し、山口のいる方向へとこっそり手で押しやった。
「お姫様抱っこよ、藤堂くん。今、あれをして見せて!」
なんだそんなこと、と、麻実の要求に隆一はほっと胸をなでおろす。
「いいですよ。麻実さんを抱っこすればいいですか?」
女性の体など軽いものだ。それぐらいで済まされるのなら、姫抱っこだろうが米抱っこだろうが、なんでもしてやる。
はい、と腕を差し出すと、周りの男共から「おお!勇者だ!」「まさか麻実様を?!」というどよめきがあがった。
「あたしを抱っこしてどうすんの。瀬川くんを抱っこして見せてって言ってるの!」
「……は?!」
ダメだ。お局様も完全に酔っぱらっていらっしゃる。
後ろでは、逃げそびれた瀬川が隆一の背中に取りすがり、真っ赤な顔でこちらを見上げながら首をプルプルと横に振っている。
「麻実さん。申し訳ないですが、それでは等価交換になりませんよ」
瀬川を使うのでは、等価交換にならないだろうと隆一は強く主張する。
気を失っている状態ならいざしらず、この状況のこの面々の前で、いくらなんでも姫抱っこ見せろはないだろう。
あれは、する方もテレるがされる方はもっと恥ずかしい思いをするものだ。
抱かれる方が男ならなおさら。
隆一がつっぱねると、「ダメか」と麻美が行儀悪く舌打ちをした。
「藤堂くんとお姫様抱っこで撮影会、ではどうですか?」
いつの間にか隣にやってきていた鎌田が、こっそり瀬川を逃がしながら、カメラを手に提案した。
「もちろん希望者のみですが。お姫様抱っこでもお米様抱っこでも、藤堂くんならどっちでもいけます。なんなら今流りの後ろハグでも。ね?藤堂くん!」
ハイと言え!と言わんばかりの迫力で、鎌田が隆一を振り返る。
「……それでよければ」
隆一の返事に、女子チームから悲鳴があがる。
「男性陣も希望者があればどうぞ!王子のお姫様抱っこなんて、なかなか体験できないですよ!」
場を盛り上げるために男連中にも声をかける鎌田に、「俺!お姫様抱っこされてみたい!」と真っ先に名乗りをあげたのは、ニ課の西島だった。
周りの空気が読める男で、隆一ともそこそこ仲がいい。
「おまえぐらいならいける。よし、来い西島!」
「藤堂さぁぁん!」
ダッシュで駆け寄る西島とがっしり抱き合い、そのまま膝をすくい上げて抱き上げると、女子の群れから悲鳴が上がる。
「うわーっ!高い!こわいぃ!!!」
「しがみつくな西島!それに重いっ!」
瀬川同様小柄な方ではあるが、それなりにがっちりとした体格である西島は、予想以上に重かった。
やはり瀬川は細すぎるのだ、と、こんな場面で実感する。
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ぶちゅっと頬に唇を押し当てられた所で、周りからの悲鳴とゲラゲラ笑う声が響き渡る。
鎌田のカメラでほっぺちゅーの記念撮影を終え、立ち去る西島に「サンキュ」と小声で礼を言うと、ウィンクで返された。
あいつ、出世しそうだな、と西島のおかげで盛り上がった場を見回し、「次は誰ですか?」と尋ねると、女子がこぞって手をあげ、行列を作り始めた。
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目が合うと、手を合わせて隆一を拝むようなしぐさをする。
そんなに感謝されると、心が痛む。なにせ、女子島に瀬川を投入することを提案したのは、隆一なのだから。
並ぶ女子の希望を聞いてやり、お姫様だっこだったり後ろハグだったりを披露して撮影会をした後、部長とも肩を組んで記念撮影をし(娘に部のプリンスの写真を見せるのだと言っていた)なんとか麻美を満足させることが出来た頃には、一課の野郎どもがすっかり裸になって暴れまわっていた。
「パンツぐらい履きなさい!写真撮って壁に貼りだすわよ!」
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