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「健吾ちゃんは、なーんで昨日よりもぐったりしちゃってるのかなぁ?」
翌朝健吾が目覚めると、着替えを持ってきてくれたらしい清文が、鬼の形相でベッド脇に立っていた。
乱れたシーツが散乱する、今は使用されていないもうひとつのベッドにちらりと目線を流してから、清文は戸惑う健吾に不機嫌な顔を寄せる。
「そんでもって、一体何があったら、首に肩にと、あきらかに男のモンだってわかる歯型がつくんだろうなあ?」
つん、と北条がつけた噛み跡をつつかれ、健吾は慌てて上掛けを頭の天辺まで引き上げる。
……怖い。清文が、とてつもなく怒っている。
「こらぁ!健吾!出てきて説明しろっ!」
ぎゃーぎゃーと喚きながら圧し掛かってくる清文を必死の抵抗で押し返していると、「清文さん、健吾がつぶれてます」というあきれ声と共に、体の上の重みが消え去る。
そっとシーツの間から顔を覗かせてみると、そこには睨み合っている清文と北条の姿があった。
正確に言えば、睨みつけている清文と、素知らぬ顔をした北条が立っている、であるが。
「どういう事か説明しろ。北条」
ギリギリと歯音を鳴らさんばかりに威嚇する清文をよそに、北条は「ほら」と、何事もなかったかのように健吾に衣類の入った袋を手渡す。
「てめ……しれっと無視してんじゃねーよ。俺は、なんで健吾の体にあんな痕がついてんのかって聞いてんだ!」
健吾がいそいそと上掛けの中に服を持ち込む傍らで、清文が、健吾に向かう分も含めて、全ての怒りを北条にぶつけていた。
怒られる事はわかっていたものの、まさかここまでとは思わず、不安になって「文ちゃん、あのさ……」と健吾は二人の間をとりなそうとしたが、鬼の形相の清文とは対照的な北条の穏やかな表情と目線に抑えられ、開いた口を閉じた。
「意思の疎通に問題があってこじれていた担当警護士との関係が、無事修復された結果、と言っておきますよ。そうだろう?健吾」
着替えにもたついているのを見かねてか、北条が腕を伸ばし、健吾の体を上掛けの中からずるりと引き出す。
子供のようにベッドの上に正座をさせられ、頭からTシャツを被せられて手を通すと、その上にパーカーを着せられ、さらには抱き上げられてズボンまで履かされた。
まだ体が思うように動かないのでありがたいのだが、かなり恥ずかしい。
「関係が修復したからって、なんで歯型がつくんだよ!」
おかしいだろ!とわめく清文を無視し、北条は手早く健吾の支度を整えていく。
「健吾、こいつ殴っていいか?」
何を言っても取り合わない北条に、とうとう苛立ちが限界に達したらしい。
怒りを拳で解消しようとする清文に、健吾は思わず「ダメ!」と制止をかける。
どちらを抑えるべきかと二人の顔を交互に見比べているうちに、北条が「やれるものならどうぞ」と不敵に笑って清文の挑戦に応じてしまった。
「俺を殴っても、健吾に恨まれるだけですが」
「てめぇっ!!」
火に油を注ぐような北条の発言に、我慢ゲージが限界を突破したしたらしい清文が盛大にキレた。
そこそこに喧嘩慣れした清文が振るう大振りな拳を、北条が軽々と受け止める。
お互いに本気を出していないのはわかるが、それでも目の前で大きな男二人が拳を交わす姿は十分に恐ろしい。
そしてその原因が自分にあるだけに、健吾はただ震えて小さくなっているしかなかった。
「清文さん、健吾が怯えてますって!」
「うるせえな!一発くらい入れさせろっての!」
「嫌ですよ。今後の警護に響きます」
北条のその一言で、清文の動きがぴたりと止まる。
「ちくしょう……卑怯な」
北条を警護不可能な状態に陥らせた結果、一番被害を混むるのは健吾だ。
健吾を甘やかし続けて弟のようにかわいがってきた清文にとって、健吾に苦労させることなど出来るわけがない。
清文は「くそっ!」と悪態をつきながら、暴れて汗をかいたらしいシャツの首元を緩め、健吾が小さく縮こまって座っているベッドに乱暴に腰かけた。
「卑怯もなにも……いい年した大人二人の間にあったことに口出すのは野暮以外のなにものでもないでしょう」
清文と違い、汗一つかいていない北条が肩をすくめてみせると、「野暮で結構!北条てめえ!俺の健吾になにしてくれたんだよ!」と清文が吼える。
「清文さんの健吾じゃなくて、俺の健吾です。これ以上嫉妬に狂ってわけのわからないこと言うなら、美咲さん呼びますよ」
当たり前に健吾が自分のものだと主張する二人にため息が出たが、それでも二人の愛情が嬉しくて、口元をゆるりとほころばせてしまう。
その上まさか北条の口からそんな嬉しい台詞が出てくるとも思わず、健吾の頬と耳は喜びにほんのりと赤く染まった。
「健吾は昔から俺のもんなんだよ!大切にしてきたのに、こんな奴に奪われるなんて……」
うおおお!と大げさに健吾の膝につっぷして泣く清文の頭をよしよしと撫でていると、北条がこちらを見て、仕方なさそうに苦笑していた。
「まあでも、約束を破ったことは謝ります。俺としたことが健吾に煽られて、なすすべもなく……」
こめかみに手を当て、芝居じみた仕草で首を振る北条に、「盛大にのろけてるだけで、ちっとも謝ってねーじゃねーか!」と清文が食って掛かっていく姿は、コメディにしか見えない。
もしかして二人は、ただ単に健吾を挟んで遊んでいるだけじゃないだろうか?と思った所で、清文が何か思いついたように顔をあげた。
「健吾、そういえば熱はどうなったんだ?」
体を起こした清文が額に手を触れさせたが、熱はすっかり下がっているのか、今はその手が冷たいとは感じなかった。
昨夜は北条にずいぶんと無茶をされたので、体の自由はきかない上にあちこちが痛んでミシミシいう状態ではあるが、とりあえず熱が下がったのは嬉しい。
「うん、大丈夫みたいだな。朝メシは食えそうか?」
健吾がこくりと頷くと、清文が用意しろと言わんばかりに北条の方を向く。
「ルームサービスを頼もうと思ってたんです。清文さんも一緒に食べますか?」
さっきまであんなに怒っていたくせに、北条のその一言で清文はケロリと機嫌を直し、「食べる」と言って鼻歌を歌いながらルームサービスのメニューを手に取った。
結局はこの二人、なんだかんだで気が合うようだ。
北条は受話器を取るとルームサービスに繋がる番号を押し、英語で話し始めた。
流暢な英語で話す姿だけ見ていると、到底日本人には見えない。
なんだか北条が急に遠くなってしまったような気がして、後姿をぼんやり見つめていると、「この部屋、身元が割れないように北条の名前で取ってんだよ」と、清文が気遣うように声をかけてきた。
アーノルドだったかリチャードだったか、わざわざあっちの名前使って予約したんだぜ?と清文が面白がって言うのに、注文を終えた北条が振り返り「ジェームスです」と訂正を入れる。
「ああ、それそれ。おまえにしちゃ、結構フツウの名前だよな。もっとキラキラネームついてそうなのに」
普通の名前で悪かったですね、と清文のからかいに応じながら、北条は健吾を抱き上げて、パウダールームまで連れて行ってくれた。
顔を洗っている間は腰を支えてくれるという至れり尽くせりぶりに申し訳なく思ったが、原因の半分以上は北条にある事に気付き、途中からは開き直って面倒を見てもらった。
再び抱き上げられて部屋に戻ると、ルームサービスの訪問を知らせるドアチャイムが鳴った。
北条が受け取りに出るが、やはり、やり取りは全て英語で行っているようだ。
そうしなければならない理由がなにかあるのだろうと思い、かすかな不安に胸が騒ぐ。
「とりあえず食べよう。話はそれからだ」
北条が室内に運び込んできた運搬用のワゴンには、朝食とは思えない量の食べ物がぎっしりと乗せられていた。
食べきれるのだろうかと不安に思ったが、健吾が申し訳程度につまむ間に、清文と北条がすばらしい勢いでそれらを平らげていく。
ものすごいスピードであるにもかかわらず決してガツガツした様子はなく、品よく食べているのだから不思議なものだ。
さらには二人とも、自分が食べる合間に健吾の好物を取り分けて食べさせるという細やかな気遣いまで忘れない。
賑やかな食卓が片付くと、北条がコーヒーを入れてくれた。
「さて、何から話すかな……」
清文が難しい顔で、コーヒーを口にしながら眉間に皺をよせる。
自分に知らされていない何かがあるの事は、二人の様子から察していた。
それが、一連の事件に関わる内容であることも。
「まず、中野のオヤジの件だけどな、ありゃ全くの誤算だったんだ」
はあ、と清文が大きなため息をつく。
「あのエロオヤジのせいで、みすみすおまえが北条なんかに食われちまうことになって……」
北条と関係したことがよほど腹立たしいらしく、清文が再び健吾の膝に顔をつっぷして、「うおーん」と泣き始める。
北条が「清文さん、話がずれてますから」と襟元を掴んで強引に引き起こすまで、清文はおんおんと泣きながら健吾の膝にしがみついていた。
翌朝健吾が目覚めると、着替えを持ってきてくれたらしい清文が、鬼の形相でベッド脇に立っていた。
乱れたシーツが散乱する、今は使用されていないもうひとつのベッドにちらりと目線を流してから、清文は戸惑う健吾に不機嫌な顔を寄せる。
「そんでもって、一体何があったら、首に肩にと、あきらかに男のモンだってわかる歯型がつくんだろうなあ?」
つん、と北条がつけた噛み跡をつつかれ、健吾は慌てて上掛けを頭の天辺まで引き上げる。
……怖い。清文が、とてつもなく怒っている。
「こらぁ!健吾!出てきて説明しろっ!」
ぎゃーぎゃーと喚きながら圧し掛かってくる清文を必死の抵抗で押し返していると、「清文さん、健吾がつぶれてます」というあきれ声と共に、体の上の重みが消え去る。
そっとシーツの間から顔を覗かせてみると、そこには睨み合っている清文と北条の姿があった。
正確に言えば、睨みつけている清文と、素知らぬ顔をした北条が立っている、であるが。
「どういう事か説明しろ。北条」
ギリギリと歯音を鳴らさんばかりに威嚇する清文をよそに、北条は「ほら」と、何事もなかったかのように健吾に衣類の入った袋を手渡す。
「てめ……しれっと無視してんじゃねーよ。俺は、なんで健吾の体にあんな痕がついてんのかって聞いてんだ!」
健吾がいそいそと上掛けの中に服を持ち込む傍らで、清文が、健吾に向かう分も含めて、全ての怒りを北条にぶつけていた。
怒られる事はわかっていたものの、まさかここまでとは思わず、不安になって「文ちゃん、あのさ……」と健吾は二人の間をとりなそうとしたが、鬼の形相の清文とは対照的な北条の穏やかな表情と目線に抑えられ、開いた口を閉じた。
「意思の疎通に問題があってこじれていた担当警護士との関係が、無事修復された結果、と言っておきますよ。そうだろう?健吾」
着替えにもたついているのを見かねてか、北条が腕を伸ばし、健吾の体を上掛けの中からずるりと引き出す。
子供のようにベッドの上に正座をさせられ、頭からTシャツを被せられて手を通すと、その上にパーカーを着せられ、さらには抱き上げられてズボンまで履かされた。
まだ体が思うように動かないのでありがたいのだが、かなり恥ずかしい。
「関係が修復したからって、なんで歯型がつくんだよ!」
おかしいだろ!とわめく清文を無視し、北条は手早く健吾の支度を整えていく。
「健吾、こいつ殴っていいか?」
何を言っても取り合わない北条に、とうとう苛立ちが限界に達したらしい。
怒りを拳で解消しようとする清文に、健吾は思わず「ダメ!」と制止をかける。
どちらを抑えるべきかと二人の顔を交互に見比べているうちに、北条が「やれるものならどうぞ」と不敵に笑って清文の挑戦に応じてしまった。
「俺を殴っても、健吾に恨まれるだけですが」
「てめぇっ!!」
火に油を注ぐような北条の発言に、我慢ゲージが限界を突破したしたらしい清文が盛大にキレた。
そこそこに喧嘩慣れした清文が振るう大振りな拳を、北条が軽々と受け止める。
お互いに本気を出していないのはわかるが、それでも目の前で大きな男二人が拳を交わす姿は十分に恐ろしい。
そしてその原因が自分にあるだけに、健吾はただ震えて小さくなっているしかなかった。
「清文さん、健吾が怯えてますって!」
「うるせえな!一発くらい入れさせろっての!」
「嫌ですよ。今後の警護に響きます」
北条のその一言で、清文の動きがぴたりと止まる。
「ちくしょう……卑怯な」
北条を警護不可能な状態に陥らせた結果、一番被害を混むるのは健吾だ。
健吾を甘やかし続けて弟のようにかわいがってきた清文にとって、健吾に苦労させることなど出来るわけがない。
清文は「くそっ!」と悪態をつきながら、暴れて汗をかいたらしいシャツの首元を緩め、健吾が小さく縮こまって座っているベッドに乱暴に腰かけた。
「卑怯もなにも……いい年した大人二人の間にあったことに口出すのは野暮以外のなにものでもないでしょう」
清文と違い、汗一つかいていない北条が肩をすくめてみせると、「野暮で結構!北条てめえ!俺の健吾になにしてくれたんだよ!」と清文が吼える。
「清文さんの健吾じゃなくて、俺の健吾です。これ以上嫉妬に狂ってわけのわからないこと言うなら、美咲さん呼びますよ」
当たり前に健吾が自分のものだと主張する二人にため息が出たが、それでも二人の愛情が嬉しくて、口元をゆるりとほころばせてしまう。
その上まさか北条の口からそんな嬉しい台詞が出てくるとも思わず、健吾の頬と耳は喜びにほんのりと赤く染まった。
「健吾は昔から俺のもんなんだよ!大切にしてきたのに、こんな奴に奪われるなんて……」
うおおお!と大げさに健吾の膝につっぷして泣く清文の頭をよしよしと撫でていると、北条がこちらを見て、仕方なさそうに苦笑していた。
「まあでも、約束を破ったことは謝ります。俺としたことが健吾に煽られて、なすすべもなく……」
こめかみに手を当て、芝居じみた仕草で首を振る北条に、「盛大にのろけてるだけで、ちっとも謝ってねーじゃねーか!」と清文が食って掛かっていく姿は、コメディにしか見えない。
もしかして二人は、ただ単に健吾を挟んで遊んでいるだけじゃないだろうか?と思った所で、清文が何か思いついたように顔をあげた。
「健吾、そういえば熱はどうなったんだ?」
体を起こした清文が額に手を触れさせたが、熱はすっかり下がっているのか、今はその手が冷たいとは感じなかった。
昨夜は北条にずいぶんと無茶をされたので、体の自由はきかない上にあちこちが痛んでミシミシいう状態ではあるが、とりあえず熱が下がったのは嬉しい。
「うん、大丈夫みたいだな。朝メシは食えそうか?」
健吾がこくりと頷くと、清文が用意しろと言わんばかりに北条の方を向く。
「ルームサービスを頼もうと思ってたんです。清文さんも一緒に食べますか?」
さっきまであんなに怒っていたくせに、北条のその一言で清文はケロリと機嫌を直し、「食べる」と言って鼻歌を歌いながらルームサービスのメニューを手に取った。
結局はこの二人、なんだかんだで気が合うようだ。
北条は受話器を取るとルームサービスに繋がる番号を押し、英語で話し始めた。
流暢な英語で話す姿だけ見ていると、到底日本人には見えない。
なんだか北条が急に遠くなってしまったような気がして、後姿をぼんやり見つめていると、「この部屋、身元が割れないように北条の名前で取ってんだよ」と、清文が気遣うように声をかけてきた。
アーノルドだったかリチャードだったか、わざわざあっちの名前使って予約したんだぜ?と清文が面白がって言うのに、注文を終えた北条が振り返り「ジェームスです」と訂正を入れる。
「ああ、それそれ。おまえにしちゃ、結構フツウの名前だよな。もっとキラキラネームついてそうなのに」
普通の名前で悪かったですね、と清文のからかいに応じながら、北条は健吾を抱き上げて、パウダールームまで連れて行ってくれた。
顔を洗っている間は腰を支えてくれるという至れり尽くせりぶりに申し訳なく思ったが、原因の半分以上は北条にある事に気付き、途中からは開き直って面倒を見てもらった。
再び抱き上げられて部屋に戻ると、ルームサービスの訪問を知らせるドアチャイムが鳴った。
北条が受け取りに出るが、やはり、やり取りは全て英語で行っているようだ。
そうしなければならない理由がなにかあるのだろうと思い、かすかな不安に胸が騒ぐ。
「とりあえず食べよう。話はそれからだ」
北条が室内に運び込んできた運搬用のワゴンには、朝食とは思えない量の食べ物がぎっしりと乗せられていた。
食べきれるのだろうかと不安に思ったが、健吾が申し訳程度につまむ間に、清文と北条がすばらしい勢いでそれらを平らげていく。
ものすごいスピードであるにもかかわらず決してガツガツした様子はなく、品よく食べているのだから不思議なものだ。
さらには二人とも、自分が食べる合間に健吾の好物を取り分けて食べさせるという細やかな気遣いまで忘れない。
賑やかな食卓が片付くと、北条がコーヒーを入れてくれた。
「さて、何から話すかな……」
清文が難しい顔で、コーヒーを口にしながら眉間に皺をよせる。
自分に知らされていない何かがあるの事は、二人の様子から察していた。
それが、一連の事件に関わる内容であることも。
「まず、中野のオヤジの件だけどな、ありゃ全くの誤算だったんだ」
はあ、と清文が大きなため息をつく。
「あのエロオヤジのせいで、みすみすおまえが北条なんかに食われちまうことになって……」
北条と関係したことがよほど腹立たしいらしく、清文が再び健吾の膝に顔をつっぷして、「うおーん」と泣き始める。
北条が「清文さん、話がずれてますから」と襟元を掴んで強引に引き起こすまで、清文はおんおんと泣きながら健吾の膝にしがみついていた。
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