恋慕の勇者は盲目の恋をする 〜恋を追い求めすぎて勇者パーティーから追放されたし、のんびり追っかけでもやろうかな〜

龍音

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第1章 王都編

第3話 アホの出現

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、、、、、さて。



冒険者ギルドに足を踏み入れた俺は、まず、建物の全域に魔力を張り巡らせ、その魔力に、自身の『意思』を通した。


これは、所謂『索敵魔法』と言う代物だ。

周囲に魔力で編まれた網を作り、それに触れた物体の姿形を判別する、と言った物で、本来は、ダンジョンなどで周囲に息を潜めた魔獣が潜んで居ないかを確認し、かつ魔獣がいた場合は、その魔獣の種類、そして数を数える為の魔法で、本来はこう言った、建物内にいる人間の顔を確かめる為に使う様な用途の魔法では無いのだがーーーー


今の俺は、国に一個人として登録されていない、所謂『無人権者』だ。


この国での人権は、冒険者ギルドにて冒険者登録し、《称号・第十級冒険者》を得ることによって初めて獲得でき、それにより、国に一人の『人間』として認識される。


そして、《皇国》内で殺人事件などが起きた場合、基本的には国に所属する、《聖騎士》の称号を持つ者が調査に当たるのだが、その際に被害者に《称号》が無いと、それは一つの『事件』として国に認識される事なく、引いては《聖騎士》達にも事件を調査する義務が発生しないのだ。


よーするに、今現在《称号》を持たない状態にいる俺は、例えばそこらへんの人攫いに掻っ払われたとして、その後、俺を知る人間が俺の捜索を《聖騎士》に依頼したとする。

で、その時聖騎士達は、俺の捜索依頼を出した人間に、こう言う事を口にするだろう。

『それじゃあ、その攫われた者の名前を教えて下さい。』と。


そしてその後《聖騎士》が、俺の身元、つまり伝えられた名前が国に登録されているかを調べるだろう。


ーーーーーで?今の俺には称号がなく、冒険者ですら無い状態だ。


そんな状態にある今に置いては、例え俺の名前を調べた所で、それは出てこない。

出て来たとしても、、、、、まあ、その他の情報で、依頼人側は“それは俺では無い”と認識するだろう。


そうなると、当然ながら、国籍、及び人権のない人間の失踪など、《聖騎士》は相手にしないだろう。


つまり、今俺が失踪、死亡したとしても、それは捜索などされる事なく、法の元に裁かれる事も無い、、、、、って事だ。



まあ、ここまでつらつらと並べて来たが、俺は、少なくとも。


“そこらの人攫い”ごときには、攫われる様な道理は無いだろう。


万一隙を突かれたとしても、即刻そいつらを殺して、そんで、逃げて来ればいいだろう。



問題なのは、“そこらの人攫い”とは一線を画し、俺を攫いうる存在ーーーーーー



例えば、《勇者》なんかにとっては、今の丸腰の俺は、格好の獲物だろう。



だって俺、基本的に勇者パーティーではめっちゃ嫌われてたし。

いやほんと、その気の無い相手に告白されて、誰が受け入れるよ?少なくとも俺は振るね。

それで逆恨みされても困るって言うか、いやそれで反感買い過ぎて追放された訳なんだけど。



ま、そんなこんなで嫌われて居た俺は、取り分け俺を嫌って居た勇者からすれば、殺したい程憎い相手な訳で。


そんな相手が丸腰で剣も杖も持たない状態、しかも、人権を持たず殺しても罪に問われない状態にあると来たらーーー



つまり、“命を狙ってくる。”



で、まあ俺もこんな所で切り掛かってくるとは思ってないが、何事にも万が一って言葉は付いて回るもんだ。

そんな理由があって、つまりこの人混みの中に、《勇者》が息を潜めて紛れている、と言う可能性を考慮した結果、『索敵魔法』を使うに至った訳だ。



、、、、まあ、実際一人見知った顔が居るには居たんだが、、、、



、、、、あいつにばれると面倒い事になる事がありありと予想出来る。



と言う考えもあって、今の俺は、こうして腰を屈め、人混みの中でこそこそと動き回る、と言う行動に至った訳だ。


あ、あいつはかなり、色んな意味で“アホ”だしな、、、、


こうしてりゃバレない、そう信じたい。






ーーーーー願いが通じなかったのかーーーーーと言うか、通じなかった結果ーーーーー




「おお、グリムくんじゃなぁ~いか!こんなところで何をしているんだぁ~い?」

「、、、、っち、やっぱお前かぁ、、、、他人の空似っていう奇跡を切に願った俺の祈りを返せ。」

「そりゃまた理不尽な要求だねぇ~え?僕としても、キミにそこまで恨まれるような事はした覚えが無いがぁ~ねぇ?」

「うるせえよ、お前に関しては存在が恨まれる要因だろうが。とっとと失せろこちとらあんま目立ちたくねえんだ。」


、、、、さて、今何の考えも無しに話しかけて来たこいつ、、、、、


名を、『エロティズ・ハーメルン』と言う。


その称号は《色欲の勇者》ーーーーーーー俺の、元同業者だ。



基本的にはいつも周りに女を侍(はべ)らせ、その周囲にいる男に恨み妬みを、女には憧れと恋心を抱かせる罪な男で、《色欲》の名に恥じない性欲を持ち、その究極と言って差し支えない程の美貌とフェミニズムを徹底した性格を巧みに操り、女を片っ端から喰いまくるーーーーー所謂ヤ◯チンって奴だ。


イケメンは3日で飽きると言うが、こいつにはそんな言葉は無縁。

何故なら、“究極の”イケメンだから。

二つ名に《超絶イケメン》って付いてる奴、俺こいつ以外に見た事ないからな。


まあ、そんな調子だから、基本的に男は非モテばかりの勇者達からは基本的に嫌われており、だが高い剣術の実力、大抵の事をそつなくこなす適応力の高さから、迂闊に手の出せない、腫れ物のような扱いを受けている勇者な訳で。


ちなみに何故か俺に頻繁に構ってくる。理由は不明。


何でも、『気になるから』と言う理由らしいが、別にこいつの目に止まるような事はあまりした覚えもないし、まあこいつはいつも適当な理由でしか行動していないし、もうあまり気にしてもおらず、殆ど『諦め』に近い状態だ。



、まあ、そんな奴に見つかって、目立つは足止めされるわで、さてどうしてくれようかと考えていた所ーーーーー



「さぁて、それじゃあ今日はキミと僕との再会を祝して、一杯行こうじゃあないか、、、、、ん?どうしたんだい?麗しき淑女よ。」

「いや、再会ったって最後に会ったの一昨日だしな、、、、って、、、、、、、ん?、、、、あっ。」





、、、、、こいつ、死んだな、、、、


そんな言葉が、自然と脳内に浮かぶのは、そこに立って居た少女の姿を見たから。


今こいつが“麗しき淑女”って言ったな、あれは嘘だ。

いやいや、この少女を麗しき淑女だなんてとんでもない!こいつは、淑女ってよりもむしろ、、、、、



「、、、、、お客さぁん?そこは冒険者さん達の通り道ですよぉ~?ちょぉ~っとじゃまなんで~、、、、」

「、、、、ん?どうしたんだいそんな怖い顔をして、綺麗な顔が台無s、、、、、え、ちょっと、僕の腕を掴んでどこへ行くつもりだい?生憎と、今日は別の娘(こ)との約束が、、、、ちょっと、何で外へ、、、、、」

「、、、、なむ、、、、」


ああ、、、、、あいつ死んだな、、、、、南無三。


、、、、えっとだな、これを見ている【どこか】の人からすると、今の状況は全くもって意味が分からないだろう。

と言う訳で、順を追って説明していこう。





~グリムくんの、よく分かる状況説明のコーナー!(キャラ説明付き!)~



はい、まあ今現れた少女ーーーーー


名を、『ミル』と言う。性は不明



彼女は、この冒険者ギルドで3年前から働いている、『獣魔族』の少女で、基本的には初心者冒険者の魔法指南と、王都周辺に出現した魔獣の討伐を行なっている。


その称号は、《第三級地岩魔術師》で、これは、王都周辺に現れた《警報級魔獣》の討伐隊の、一中隊隊長を務める事の出来る程の魔術師に送られる称号で、彼女の場合、大地に宿る土と岩の力を行使する魔法がその役割に値する実力を持つ、と言う事になる。


簡単に言えば、十段階中上から三番目に強い、土と岩の魔法使いって事だ。下手すりゃ勇者にすら拮抗した実力を発揮出来るかも知れない程の。


で、そんな彼女の性格は、規律に厳しくルールを重んじる。


そして、生粋の“ドS”でもある。



、、、、、実際に俺も、勇者としても冒険者としても駆け出しだった昔、かなり徹底的にしごかれて、そのせいで今も、彼女には若干のトラウマを抱いている程だ。



、、、ま、さっくり言えばあいつ、ハーメルンはーーーーーー




そんな相手やべえやつに目を付けられて、外に引き摺り出された、って訳だ。



基本彼女に色仕掛けとか通じないし、純粋な実力としては彼女(ミル)とハーメルンはどっこいどっこいだ。




多分あいつ、今頃靴でも舐めさせられてんじゃねえかな、、、、、



N◯K
~終~




ま、自業自得の奴は放っておくとして、今は俺の事を考えよう。




そうして俺は、室内の冒険者の殆どが彼女とハーメルンの様子を野次馬に行った事により、ガラガラになったギルド内を歩き、やがて『登録所』へと辿り着いた。





「ーーーーーまぁ、なんか色々大変みたいですね~、、、、それはそうとして、ようこそ『登録所』へ!ご用件をお伺いします!」


うむ、これ程までに外の様子が気になるシチュエーションの中でも、接客の態度を忘れないーーーー

将来有望な受付嬢だ、何処とは言わないが、あれもデカイしな。


と、笑顔には笑顔で応対するのが筋だ。

すぐさま作り笑顔を浮かべ、受付嬢の問いに答える。


「はい、えっと、今日は冒険者登録をしに来ました。」

「はい!それでは、『神託の紋章』をお見せ下さい!」


が、やはりまだまだ研修中の身、流石にそこまで気は効かない様子だ。


この場合、まずは神託の紋章の説明から始めた方が、仮に相手がど田舎から出てきたばかりの物知らずだったとしても、神託の紋章の説明を最初にしておく事で、『冒険者登録しに来たはいいけど、神託の事を知らない!』と言う相手でも、スムーズに事を運べるんだけどな、、、、


と言うのは建前で、実際はただ俺の説明の手間を省かせたいだけだったのだが、、、、今回も、俺が説明するしかないようだな。




で、今回は、今出て来た単語ーーーー


『神託の紋章』についての説明だったな。


さて、『神託の紋章』とはなんぞや?と言う方に説明する。


『神託の紋章』と言うのは、齢15以上の青少年少女が『神託の巫女』より授かる、『神託』ーーーーつまり、【言葉】を持っている者の体に刻印される、紋章の事だ。


それには、その人間の『役割』『属性』『力』が表さる。
さらに、それに触れる事により、自身の身体能力や魔力、所謂『ステータス』を知る事ができる、例えるならば、メニューの様な役割を果たす刻印になっている。


具体的な説明はのちに行うが、『刻印』に記される役割、属性、力には数種類のパターンがあり、それを元に自身が扱う武器や魔法を考え、役職を決定。冒険者登録をする訳だ。


ちなみに属性は紋章の色で表され、その色に対応した属性の魔法適性が高い、と言う事になる。


そして、『役割』にも数種類、前衛中衛後衛に分かれた配置ごとに数種類、様々な役割が描かれている。


例えば、前衛で敵の攻撃を受ける『盾使いシールダー』や『剣士ナイト』、中衛で臨機応変に立ち回る『槍使いランサー』や『魔法剣士ナイトウィザード』、後衛から火力や回復、バフなどで援護を行う『魔法使いウィザード』に『弓使いアーチャー』、他にも数種類存在するが、大体こんな調子に分かれている。


そして、刻印にはそれぞれの役割に対応した武具の絵が描かれている。


さらには、その紋章が刻印されている“位置”によってそのものの持つ力、その全てを合わせた総合力が大まかに示されている。


紋章は常に腕から手にかけて描かれるのだが、その先端に近づけば近づくほど力は高まっていく。

そして、その力を最高まで持つとされる《勇者》、そしてそれに準ずる実力を持つ者ならば手の甲の中心に、逆に最底辺の実力しか持たない者は、肩の辺り、つまりは腕の付け根に刻印されているとされている。


まあ、この判別では【言葉】の強さを測れない為、場合によっては能力が最弱でも【言葉】の強さが最高級、と言う事もあるため、この紋章の位置が全てと言う訳ではない。



ちなみに俺の紋章だが。



・色 黒色(最上級に位置するカラーで、全ての魔法を最大限のポテンシャルで操れるが、欠点として魔力の制御が難しい)

・役割  魔法剣士(魔法で身体能力を強化したり武具に魔力を付与させたりして剣で戦うオールラウンダーで、一応『役割』の中では最強とされている)

・位置 手の甲の中心(言わずもがな、最強)



、、、、と言う感じになっている。


これを確認するたびに、つくづく都合が良い力だと思うのだが、同時にそれ程の力を持つ事を嬉しくも思っている。

これだけの力があれば、万が一フランたんに何かがあったとしても、それが外敵によるものならば容易に守る事が出来る。

まあ、師匠からは常々『図に乗るな初心者(ビギナー)』と言われていたが、そのビギナーがビギナーズラックで勇者にまでなって、そして追放されたのが今の現状な訳だ。





と、まあこの辺りで紋章の概要を把握して貰えただろうか?


、、、、それじゃあ、会話を続けよう。



「あ、分かりました。はい。」



そう言って、手の甲を受付の台に乗せる。

それを見て、最初は見せる位置が違うんじゃないか?との困惑に。

次に、見せる位置が間違っていない事への驚愕に。

最後に、その驚愕を、大きく口を開いて表す。



「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?????」



、、、、、う、うるせえ、、、




流石に驚かれるだろうとは思っていたし、俺もそれに備えて対応のイメトレをしてきたのだが、、、、


これ、ちょっと強引な方法を使う事になりそうだな、、、、、



「えぇぇぇ!?いやこれあなた、え!?え、どう言う事ですか!?刻印がこの位置で、えっと、役割がナイトウィザード、、、うん、間違いない、、、、で、色も黒、、、、あなたこれ、『最強』って奴じゃないですか!!」

「ああ、、うん、、、、まあ、言われるだろうな~、とは思ってたけど、、、」

「え、でもなんで、、、、普通にこの人の才能が?、、、いや、ここまでの才能国が放っておく事も、、、、ん、、、?待てよ、、、?そう言えば、、、、あ、あなたもしかして!?」


そう言って、その後の言葉を叫ぼうとする受付嬢が息継ぎを済ませ、口を開くのとーーーー

俺が、強引に彼女の手を取り、口を塞ぐのが、殆ど同時ーーーーー


「一昨日追放されたって言う、恋慕の、、、、うぶぅ!?」

「あー、すまんがちょっと強引に、、、こちとらあんまり騒ぎを起こされたくないんでな、こんな方法を取らせてもらった。」


むぐむぐと何かを言いたそうにしている受付嬢を見るが、今この手を離すと多分外から人が戻ってくる。


そうなったらお終いだ。俺の噂は瞬く間に王都中に知れ渡り、よって俺の場所が他の《勇者》にバレる。

で、そうなったら過激派の勇者がここまで全力ダッシュでやってきて俺の首を切り取るだろう。

と言う訳で、この手を離すわけにはいかんのだ。すまんな、受付嬢さん。


「まあ、叫びたい気持ちも分かる。国一個吹き飛ばすような奴が目の前にいるんだもんな。ーーーーただ、こっちにも事情ってもんがある。ちょいと静かにしてくれや。さもないとーーーーーー」


さもないと、と言う所で受付嬢の方が、ピクリと震える。

、、、、うん、やっぱこの人有能だわ。この状況で、どうするのが一番安全か、よく分かってる。

多分この人ならば、俺の要望を大人しく聞き入れ、俺もこの受付嬢を傷付けずに済みそうだ。


「ーーーーさもないと、◯◯。」


その言葉を聞いた受付嬢は、こくこくと首を縦に降る、正確には、振ろうとする仕草を表す。


、、、、、よし。


受付嬢さんの肩の震えが収まったのを確認した俺は、ゆっくりと手を離した。


「、、、、、、ぷはぁ!?あ、あなた、やっぱり、、、、」

「ま、ご名答、、、って言うか、既にバレてるけどな。ただし、この事は内密にーーーー事情が知りたいんなら、後からでも教えてやるし、取り敢えず今は早く冒険者登録をさせてくれ。生憎と、こちらは追われる身なんだ。」

「は、はい、わかりました。そ、それでは、、、、えっと、こちらの石版に手を触れて下さい。そして、ゆっくりと、石版に意識を集中させて、最後に強く、押し込んで下さい!こう、ズンッ!と!」

「了解。」


うむ、何度目の再確認かは忘れたが、やはりこの受付嬢は有能ーーーーと言うか、自身の務めを、どんな状況であっても確実にこなす、まさに受付嬢の鏡のような人材だ。

実際この状況で冷静にステータスを図る手順を説明出来る、その冷静さ、俺が元勇者でなければ即刻うちのパーティーに勧誘したかったな。




ーーーーーうちのパーティーは、週休完全2日制、働き次第で昇給もあるアットホームなパーティーです!ってな。ーーーーー













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