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追慕
しおりを挟む貴女へ
最初にあった時は、凄い綺麗な子だと、下心満々で貴女に話しかけました。
顔を上げて俺を見てくれた貴女は長い髪がとても綺麗で、青い瞳は透き通るようで、目が離せなくなりました。
貴女と話していくうちに、貴女はあまり言葉を知らないことを知りました。
そこも可愛いと思えるくらいに、俺はあの時から貴女にすっかり惚れ込んでいたのです。
貴女の家庭のことは、なんとなく察しはつけていました。
でもそこまで踏み込む勇気はなく、それでも貴女には笑って欲しくて、告白をしました。
あの時の貴女の嬉しそうな顔を見て、一生かけて幸せにしようと思いました。
次の日に傷だらけで公園にいた時は、泣くのを必死に堪えていました。
その後公園に来なくなるものだから、焦っていろんなとこを探し回ったり、貴女の家の周りをうろうろしたりもしてみました。
次の日公園で貴女に会った時は本当に安心しました。
貴女が俺の家に行きたいと言った時は本当に驚きました。
俺としては全くやましい気持ちがなかったので、あんなことになるとは思わなくて、しばらくはずっと罪悪感に襲われていました。
親に相談したら両親は貴女の境遇に涙を流してくれて、全力でサポートするからねと言ってくれました。
俺は本当に幸せ者だと思ったし、貴女の事も責任を絶対とると決めました。
今でもたまに子供が生まれていたらなと思ったりもします。
貴女の家の人に会いに行く時、格好つけて一人で行ったのは間違いでした。
最初から両親も連れて挨拶に行けばよかったと、今でも本当に申し訳ないと思ってる。
本当にごめん。
守れなくて、ごめん。
警察が来た時は焦りました。
別に虐待のことを話せばよかったのだけれど、そうしたら君は孤児院などの施設に預けられると思ったから、逃げ出したのは俺と、俺の両親のエゴです。
俺は貴女が思っているほどカッコよくもないし、できる事も多くない。
日々自分の無力さに押しつぶされそうになっていました。
そんな中、貴女がご飯を作ってくれたり、抱きしめてくれたことに、どれだけ救われたのか分からない。
貴女が心中を持ちかけて来た時、本当に心中しようと思った。
だけど、俺は貴女のことも子供の事も守れなかったので、きっと地獄に行くと思います。
それに、貴女を死なせることだけは、どうしてもできませんでした。
だから生きてください、生きて幸せになってください。
あわよくば、罪を償って生まれ変わった俺を見つけて、話しかけてほしいのです。
きっと、また一目惚れするから。
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