15 / 32
第15話:闇を照らす小さな灯火
しおりを挟む
鉱山の入り口に立ち、私は決意を固めた。背後には、私の挙動を注視する、疑いと、わずかな期待が入り混じった騎士たちの視線が突き刺さる。もう、言葉は必要ない。結果で、私の価値を証明するだけだ。
「これを、入り口から十歩ほど離れた場所に、等間隔で設置してください」
私は、護衛の騎士たちに指示を出し、荷物の中から、特別に調合した大型の浄化香と、それを焚くための大きな陶器の香炉を数個、取り出させた。香炉に満たされたのは、ごつごつとした濃緑色の粉末。西部の農村で使ったものとは比べ物にならないほど、強力な浄化作用を持つ薬草を惜しみなく使ったものだ。
騎士たちは、グレゴール隊長の厳しい視線の下、私の指示通りに手際よく香炉を設置していく。全ての準備が整ったのを確認し、私は一つ一つの香炉に小さな火種を落としていった。
ちりちりと音を立てて粉末が燃え始め、やがて白く濃密な煙が立ち上る。それはまるで、針葉樹林の朝のような、清涼で力強い香りだった。煙は、鉱山の入り口から吹き付けてくる淀んだ瘴気の風に乗り、町の方へと流れていく。目に見える紫色の瘴気が、その白い煙によってすぐに消え去るわけではない。
「…ん?なんだ…?」
「息が…楽になった…?」
遠巻きに見ていた鉱夫たちが、驚きに声を上げた。目には見えないが、確かな変化が起きていたのだ。これまで、鉛のように重く、肺を圧迫していた空気の重みが、ふっと軽くなっている。瘴気のあの金属のような不快な匂いが、浄化香の清々しい香りに中和され、薄らいでいる。
人々は、まるで水中にいた人間が久しぶりに水面に顔を出したかのように、深く、そして安堵のため息と共に呼吸を繰り返した。半信半疑だった彼らの顔に、初めて本物の希望の色が浮かび上がる。
その、時だった。
「隊長!グレゴール隊長!」
鉱山の闇の中から、一人の男が転がるように飛び出してきた。全身は土埃にまみれ、その顔は恐怖に引きつっている。
「落盤です!奥の第七坑道で、落盤事故が!三名が、中に閉じ込められています!」
絶叫に、生まれたばかりの希望の空気は一瞬で凍りついた。グレゴール隊長の顔が鋼のようにこわばる。
「第七坑道だと!?あそこは、この鉱山で最も瘴気が濃い場所だぞ…!」
伝令の鉱夫は絶望に顔を歪ませながら首を縦に振った。
「はい…!落盤の衝撃で、さらに瘴気が噴き出しています!あそこへ救助に向かうのは…自殺行為です!」
グレゴール隊長は唇を強く噛みしめた。その顔には、部下を見殺しにしなければならない指揮官としての深い苦悩が刻まれている。二次災害は、目に見えていた。誰もが、閉じ込められた三名の運命を悟り、重い沈黙に支配される。
その、絶望の沈黙を、私の声が切り裂いた。
「――まだ、手はあります!」
全ての視線が、一斉に私に集まる。私は少しもためらうことなく、行動を開始した。
旅の荷物から、緊急事態のために用意しておいた桐箱を取り出す。中には、手のひらに収まるほどの携帯用香炉と、親指ほどの大きさの、黒く硬く圧縮された練り香が入っていた。
「これは、即効性の高い、強力な解毒の香りです!効果は長く続きませんが、これを坑内で焚きながら進めば、一時的に安全な空間を作り出すことができます!」
グレゴール隊長は、その黒い練り香を疑うような目で見つめている。こんな小さなもので、あの死の瘴気を防げるなど、にわかには信じられないのだろう。彼の視線が、最終的な判断を求めるようにユリウス公爵へと向けられた。
ユリウスの信頼は揺らいでいなかった。彼はグレゴール隊長に、短く、しかし絶対的な命令を下す。
「彼女の指示に従え!」
その言葉が、最後の決定打となった。グレゴールは覚悟を決めたように私に向き直った。
「…分かった。嬢ちゃん、いや、リーナ殿。我々の命、あんたに預ける!」
救助隊として、グレゴール隊長自らを含む、最も屈強な五名の騎士が選抜された。私は彼らに、携帯香炉と黒い練り香を数個ずつ手渡し、最後の指示を与える。
「この香の効果範囲は、半径およそ三歩。効果時間は、約五分です。五十歩進むごとに、必ず新しい香を焚き直してください。決して、煙が途切れることのないように。行って、仲間を助け、そして、必ず生きて帰ってきてください」
騎士たちは固唾を飲んで私の言葉を聞き、力強く頷いた。彼らはそれぞれの香炉に最初の黒い練り香をセットする。
「――行け!」
グレゴール隊長の号令一下、五つの香炉に同時に火が灯された。瞬間、目が眩むほどの鮮烈で突き抜けるような清浄な香りが、爆発的に拡散する。
五名の騎士たちは、その香りを纏い、まるで一つの光の塊となって、瘴気が渦巻く鉱山の深い闇へと躊躇なく突入していった。彼らの姿はすぐに濃密な紫色の闇に呑み込まれ、見えなくなる。
後に残されたのは、鉱山の入り口で固唾を飲んで彼らの帰りを待つ私たちだけだった。私の心臓は、張り裂けそうなほど激しく鼓動している。理論は間違っていないはずだ。だが、相手は未知の瘴気。そして、人の命がかかっている。私は震える拳を握りしめた。その手を、隣に立つユリウスが、そっと大きな手で包み込んでくれる。その温かさだけが、かろうじて私の心を支えていた。
濃い瘴気の向こうから、仲間を呼ぶ声も、助けを求める声も、何も聞こえない。ただ、風が岩を舐める不気味な音だけが響いている。
一分が、一時間にも感じられるような、長く重い時間が、刻一刻と過ぎていくだけだった。
「これを、入り口から十歩ほど離れた場所に、等間隔で設置してください」
私は、護衛の騎士たちに指示を出し、荷物の中から、特別に調合した大型の浄化香と、それを焚くための大きな陶器の香炉を数個、取り出させた。香炉に満たされたのは、ごつごつとした濃緑色の粉末。西部の農村で使ったものとは比べ物にならないほど、強力な浄化作用を持つ薬草を惜しみなく使ったものだ。
騎士たちは、グレゴール隊長の厳しい視線の下、私の指示通りに手際よく香炉を設置していく。全ての準備が整ったのを確認し、私は一つ一つの香炉に小さな火種を落としていった。
ちりちりと音を立てて粉末が燃え始め、やがて白く濃密な煙が立ち上る。それはまるで、針葉樹林の朝のような、清涼で力強い香りだった。煙は、鉱山の入り口から吹き付けてくる淀んだ瘴気の風に乗り、町の方へと流れていく。目に見える紫色の瘴気が、その白い煙によってすぐに消え去るわけではない。
「…ん?なんだ…?」
「息が…楽になった…?」
遠巻きに見ていた鉱夫たちが、驚きに声を上げた。目には見えないが、確かな変化が起きていたのだ。これまで、鉛のように重く、肺を圧迫していた空気の重みが、ふっと軽くなっている。瘴気のあの金属のような不快な匂いが、浄化香の清々しい香りに中和され、薄らいでいる。
人々は、まるで水中にいた人間が久しぶりに水面に顔を出したかのように、深く、そして安堵のため息と共に呼吸を繰り返した。半信半疑だった彼らの顔に、初めて本物の希望の色が浮かび上がる。
その、時だった。
「隊長!グレゴール隊長!」
鉱山の闇の中から、一人の男が転がるように飛び出してきた。全身は土埃にまみれ、その顔は恐怖に引きつっている。
「落盤です!奥の第七坑道で、落盤事故が!三名が、中に閉じ込められています!」
絶叫に、生まれたばかりの希望の空気は一瞬で凍りついた。グレゴール隊長の顔が鋼のようにこわばる。
「第七坑道だと!?あそこは、この鉱山で最も瘴気が濃い場所だぞ…!」
伝令の鉱夫は絶望に顔を歪ませながら首を縦に振った。
「はい…!落盤の衝撃で、さらに瘴気が噴き出しています!あそこへ救助に向かうのは…自殺行為です!」
グレゴール隊長は唇を強く噛みしめた。その顔には、部下を見殺しにしなければならない指揮官としての深い苦悩が刻まれている。二次災害は、目に見えていた。誰もが、閉じ込められた三名の運命を悟り、重い沈黙に支配される。
その、絶望の沈黙を、私の声が切り裂いた。
「――まだ、手はあります!」
全ての視線が、一斉に私に集まる。私は少しもためらうことなく、行動を開始した。
旅の荷物から、緊急事態のために用意しておいた桐箱を取り出す。中には、手のひらに収まるほどの携帯用香炉と、親指ほどの大きさの、黒く硬く圧縮された練り香が入っていた。
「これは、即効性の高い、強力な解毒の香りです!効果は長く続きませんが、これを坑内で焚きながら進めば、一時的に安全な空間を作り出すことができます!」
グレゴール隊長は、その黒い練り香を疑うような目で見つめている。こんな小さなもので、あの死の瘴気を防げるなど、にわかには信じられないのだろう。彼の視線が、最終的な判断を求めるようにユリウス公爵へと向けられた。
ユリウスの信頼は揺らいでいなかった。彼はグレゴール隊長に、短く、しかし絶対的な命令を下す。
「彼女の指示に従え!」
その言葉が、最後の決定打となった。グレゴールは覚悟を決めたように私に向き直った。
「…分かった。嬢ちゃん、いや、リーナ殿。我々の命、あんたに預ける!」
救助隊として、グレゴール隊長自らを含む、最も屈強な五名の騎士が選抜された。私は彼らに、携帯香炉と黒い練り香を数個ずつ手渡し、最後の指示を与える。
「この香の効果範囲は、半径およそ三歩。効果時間は、約五分です。五十歩進むごとに、必ず新しい香を焚き直してください。決して、煙が途切れることのないように。行って、仲間を助け、そして、必ず生きて帰ってきてください」
騎士たちは固唾を飲んで私の言葉を聞き、力強く頷いた。彼らはそれぞれの香炉に最初の黒い練り香をセットする。
「――行け!」
グレゴール隊長の号令一下、五つの香炉に同時に火が灯された。瞬間、目が眩むほどの鮮烈で突き抜けるような清浄な香りが、爆発的に拡散する。
五名の騎士たちは、その香りを纏い、まるで一つの光の塊となって、瘴気が渦巻く鉱山の深い闇へと躊躇なく突入していった。彼らの姿はすぐに濃密な紫色の闇に呑み込まれ、見えなくなる。
後に残されたのは、鉱山の入り口で固唾を飲んで彼らの帰りを待つ私たちだけだった。私の心臓は、張り裂けそうなほど激しく鼓動している。理論は間違っていないはずだ。だが、相手は未知の瘴気。そして、人の命がかかっている。私は震える拳を握りしめた。その手を、隣に立つユリウスが、そっと大きな手で包み込んでくれる。その温かさだけが、かろうじて私の心を支えていた。
濃い瘴気の向こうから、仲間を呼ぶ声も、助けを求める声も、何も聞こえない。ただ、風が岩を舐める不気味な音だけが響いている。
一分が、一時間にも感じられるような、長く重い時間が、刻一刻と過ぎていくだけだった。
32
あなたにおすすめの小説
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
竜王に嫁いだら、推しの半竜皇子の継母になりました〜冷酷な夫には興味ありませんが、闇落ち予定の皇子は私が全力で幸せにします!〜
せりもも
恋愛
転生したのは、web小説の世界だった。物語が始まる前の時間、隣国の竜王へ嫁ぐ薄幸の王女、デジレに。
結婚相手である竜王ワッツァは、冷酷非道で人間を蔑む恐ろしい竜人だ。彼はデジレを、半竜(半分竜で半分人間)である息子の養育係としかみていない。けれどその息子バートラフこそ、前世の「わたし」の最オシだった。
この世界のバートラフはまだ5歳。懸命に悪ガキぶっているけど、なんてかわいいの!? 小説のバートラフは、闇落ちして仲間の騎士たちに殺されてしまうけど、そんな未来は、絶対に許さないんだから!
幼いバートラフに対する、愛情いっぱいの子育ての日々が始まる。やがて彼の成竜への通過儀礼を経て、父の竜王は、デジレに対して執着を見せ始める。
ところが、竜と人間の戦争が始まってしまう。おとなになったバートラフは人間側につき、聖女の騎士団に入った。彼は、父の竜王に刃を向けられるのか? そして、転生者デジレに与えられたスキル「プロットを破断する者」を、彼女はどう発動させるのか。
【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
追放聖女の薬草店~光らない無能と言われた私の治癒力は、最強騎士団長の呪いにだけ効くようです。辺境で始める溺愛スローライフ~
黒崎隼人
恋愛
「君の力だけが、俺を救ってくれる」
派手な光を放つ魔法が使えず、「光らない無能」として国を追放された聖女エリナ。
彼女は辺境の村で廃屋を買い取り、念願だった薬草店をオープンする。
相棒の精霊獣ポポと共にスローライフを始めたある嵐の夜、店の前に倒れていたのは、国の最強騎士団長ゼフィルだった。
「黒竜の呪い」に侵され、あらゆる魔法を受け付けない彼の体。
しかし、エリナの持つ「細胞そのものを活性化させる」地味な治癒力だけが、彼の呪いを解く唯一の鍵で……!?
無能扱いされた聖女と、余命わずかの最強騎士。
二人が辺境で紡ぐ、温かくて幸せな再生と溺愛の物語。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
「女のくせに強すぎて可愛げがない」と言われ婚約破棄された追放聖女は薬師にジョブチェンジします
紅城えりす☆VTuber
恋愛
*毎日投稿・完結保証・ハッピーエンド
どこにでも居る普通の令嬢レージュ。
冷気を放つ魔法を使えば、部屋一帯がや雪山に。
風魔法を使えば、山が吹っ飛び。
水魔法を使えば大洪水。
レージュの正体は無尽蔵の魔力を持つ、チート令嬢であり、力の強さゆえに聖女となったのだ。
聖女として国のために魔力を捧げてきたレージュ。しかし、義妹イゼルマの策略により、国からは追放され、婚約者からは「お前みたいな可愛げがないやつと結婚するつもりはない」と婚約者破棄されてしまう。
一人で泥道を歩くレージュの前に一人の男が現れた。
「その命。要らないなら俺にくれないか?」
彼はダーレン。理不尽な理由で魔界から追放された皇子であった。
もうこれ以上、どんな苦難が訪れようとも私はめげない!
ダーレンの助けもあって、自信を取り戻したレージュは、聖女としての最強魔力を駆使しながら薬師としてのセカンドライフを始める。
レージュの噂は隣国までも伝わり、評判はうなぎ登り。
一方、レージュを追放した帝国は……。
騎士団長を追放した平和ボケ王国は、七日で滅びました
藤原遊
ファンタジー
長らく戦のなかった王国で、
騎士団長の父を病で失った令嬢は、その座を引き継いだ。
だが王城に呼び出された彼女に告げられたのは、
騎士団の解体と婚約破棄。
理由はただ一つ――
「武力を持つ者は危険だから」。
平和ボケした王子は、
非力で可愛い令嬢を侍らせ、
彼女を“国の火種”として国外追放する。
しかし王国が攻められなかった本当の理由は、
騎士団長家が持つ“戦況を覆す力”への恐れだった。
追放された令嬢は、即座に隣国帝国へ迎えられ、
軍人として正当に評価され、安泰な地位を得る。
――そして一週間後。
守りを捨てた王国は、あっけなく陥落した。
これは、
「守る力」を理解しなかった国の末路と、
追放された騎士団長令嬢のその後の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる