狂気の推し活令嬢リリアーナ様!

YY

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第35話:結社幹部との戦闘

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倉庫での戦いは、わたくしたちの圧倒的な勝利に終わるかと思われましたが、敵もさるもの。追い詰められた鼠が猫を噛むように、生き残った者たちは、あろうことか王都の中心部、人々で賑わう大広場へと逃走し、市街戦へと発展してしまいましたわ!

なんて卑劣な悪党どもなのでしょう!罪のない民間人を盾にし、その混乱に乗じて逃げ延びようという魂胆ですわね!広場は一瞬にしてパニックに陥り、悲鳴を上げて逃げ惑う人々の波が、騎士団の方々の陣形を乱します。果物屋の屋台はひっくり返り、美しい花壇は踏み荒らされ、平和な日常が音を立てて崩れていきます。乙女ゲームの悪役としても三流の、許されざるやり方ですわ!わたくしの美学に反します!真の悪役とは、もっと誇り高く、正々堂々とヒーローに挑むべきものですのに!

特に、あのひときわ強い魔力を放つ、結社の幹部らしき男…!彼の指揮のもと、残党どもは統率を保ち、騎士団の方々を翻弄しております。民間人を巧みに利用し、騎士たちが手出しできない状況を作り出しているのです。あの男がいる限り、この戦いは終わりません。彼をこのまま逃してしまえば、またいつか、ゼノン様が危険な目に晒されてしまいます!それだけは、断じて許せません!彼の輝かしい未来は、わたくしがお守りするのですから!彼の歩む道は、わたくしが照らしてみせますわ!

「ゼノン様!ご無理をなさらないで!」

広場では、ゼノン様と騎士団の方々が懸命に戦っておられますが、敵の数も多く、何より逃げ惑う民間人を庇いながらの戦いでは、どうしても苦戦を強いられているご様子。ゼノン様が剣を振るおうとするたびに、敵は老婆や子供の背後にさっと隠れる。ああ、なんて歯がゆい状況なのでしょう!彼の美しい眉間に、深い苦悩の皺が刻まれておりますわ!…もう、見てはいられませんわ!パートナーであるわたくしが、この状況を黙って見過ごすわけにはまいりません!ヒーローのピンチに颯爽と駆けつけるのが、真のヒロインの務めですわ!

わたくしは、わが『ゼノン様護衛騎士団』の団員たちと共に、戦いの渦中へと駆けつけました。団員たちの顔には少しばかり恐怖の色が浮かんでおりましたが、わたくしが「怖がることはありませんわ!わたくしたちの愛が、ゼノン様をお守りするのです!さあ、行きますわよ!」と一喝すると、皆、覚悟を決めたようですわ。そして、わたくしは戦場に響き渡る声で、高らかに叫んだのです!

「ゼノン様の援護は、このリリアーナにお任せくださいまし!」

わたくしの華麗なる登場に、結社の幹部の男が、忌々しげにこちらを睨みつけました。その目は、まるで邪魔な虫けらでも見るかのようですわ。まあ、後で後悔させてさしあげますけれど。

「どこから湧いてきたか知らんが…ドレスを着た小娘が、この戦場で何ができる!足手まといだ、失せろ!」

わたくしを侮った、その時ですわ!

ふふ、あなたのような、愛を知らぬ方に、わたくしの愛の力の本当の恐ろしさを見せてさしあげますわ!その言葉、後悔させてあげますわよ!わたくしは、まるで舞踏会でワルツを踊るかのように、その場で優雅にターンを決めました。そして、この日のために改造した、わたくしの魔導ドレスの力を、完全に解放したのです!ドレスに縫い込んだミスリル銀の糸が、わたくしの規格外の魔力に呼応して、夜空色の生地から淡い銀河のような光を放ち始めます!

「ご覧なさい!これこそが、愛の力ですわ!」

わたくしの回転と共に、夜空色のドレスが大きく、美しく翻ります。すると、スカートの裾に刺繍された魔法陣、レースで飾られた袖口、そして胸元で輝く宝石、その全てから、まばゆい光を放つ魔弾の雨が、まるで流星群のように嵐のごとく降り注いだのです!その一発一発が、美しいハートの形をした、わたくしのゼノン様への愛の結晶!それは、統率の取れていたはずの敵の陣形をいとも簡単に打ち破り、悪党どもを次々となぎ倒していきましたわ!ハートの魔弾が着弾するたびに、「I LOVE Z様♡」という幻影の文字がキラキラと宙に舞い、甘い薔薇の香りが戦場に広がります!

「な、なんだ、これは…!?」「目が、目がぁ!」「ハートが…!?」「なんて甘ったるい匂いだ…!頭が…」

わたくしの愛の力(物理)に度肝を抜かれ、完全に棒立ちになった幹部の、その一瞬の隙を、わたくしの愛するゼノン様が見逃すはずがありませんでした。彼が動揺から立ち直るよりも早く、ゼノン様は閃光のような剣技でその懐に踏み込み、がら空きになった幹部の鎧の隙間を、正確に貫いたのです!見事、敵を撃破!

ああ、なんて完璧な連携プレーなのでしょう!

わたくしが敵の陣形を崩し、彼がとどめを刺す。これぞ、真のパートナーの姿ですわ!わたくしたちの愛の共同作業は、ついにここまできたのです!乙女ゲームの協力必殺技のようですわ!その名も『ラブ・メテオ・ストライク』!

わたくしが、誇らしげにゼノン様を見つめると、彼はわたくしのドレスとわたくしの顔を交互に見て、まるで信じられないもの…あるいは、理解不能な怪物でも見るかのように、そのお顔は驚愕に染まっておりました。その紫水晶の瞳が、これ以上ないほど大きく見開かれております。

ふふ、ついに、わたくしの本当の力をお見せできましたわね!

きっと、わたくしのその秘められた実力と、彼を想う愛の深さに、感動で言葉も出ないようですわ!ええ、ええ、分かりますとも。これほどの力を持つ女が、あなたのパートナーなのですから。誇りに思ってくださってよろしくてよ!さあ、次はどんな試練がわたくしたちを待っているのかしら!
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