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森の外、引きこもりにはハードです
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「思ったよりはやく着きそうだね」
小屋から飛び立ち早10分。森の外が見えてきました。念のため"隠密"も使ったから戦闘はなし。空飛べるっていいね。
「ヴィント様。騎士団の者たちです」
テオたちの姿も見えてきたけど僕たちには気づいてないみたい。
「テオ~」
「おっ、来たな。すげえな、自分の血でつくってあるのか。その羽」
「うん、便利だよ」
「いいなぁ、俺も飛んでみたいぜ」
「風属性の魔法使えないの?」
「俺のステータスみるか?」
ステータス
名前:テオフィール・ハミルトン
年齢:263
性別:男
種族:人間
身長、体重:213㎝、99.8㎏
レベル:201
HP:210000
MP:203000
魔法適正:火、土、時
魔法:空間収納、火弾、土弾、
身体強化、土壁
スキル:剣術Lv.10、槍術Lv.7、
気配察知Lv.7、魔力感知Lv.3
体術Lv.6、隠密Lv.4、
加護:戦女神の加護、
火・土の精霊王の加護
称号:超越者
「風魔法は持ってないんだね~。あとで僕が一緒に飛んであげるよ」
「まじで!?楽しみにしとくわ」
へぇ~、意外と子供っぽいところもあるんだね~。なんか可愛いかも。
「ていうか、年齢が263才ってどういうこと?"超越者"の称号と関係あるの?」
年が263っておじいちゃんじゃん。
「超越者ってのは強さの限界を越えた亜人や人間に与えられる称号だ。病気や寿命で死ぬことはない。HPが0にならない限りな」
「ふ~ん、そうなんだ。テオは強いんだね~。あとで僕と手合わせしてよ」
めんどくさいのは嫌いだけど、こういうのはね~。ゲーマーの血が疼くっていうか、もっと強くなりたい!って思っちゃうんだよね~。
「いいぜ。俺もヴィントと手合わせしたいって思ってたところだ」
「んじゃ、決まりね。とっとと皇都に行こ」
「了解。お前は俺とヒュー、あとそこのメイドと一緒に馬車な」
「おぉ~。初めて乗るよ、楽しみ~。ミリアンヌは乗ったことあるよね?」
「はい、一応公爵令嬢でしたから」
そうだよね~。公爵令嬢が馬車使わないって聞いたらびっくりするよ。
「はぁ~?あんた、公爵令嬢だったのか。道理で言葉遣いが丁寧だと思った。どこの国出身だ?」
「アーノルド王国です」
「てことはあんたが国外追放の令嬢かい?すごい偶然もあったものだな」
「みなさん、お喋りはそこまでにしてください。出発しますよ」
「あぁ、了解。じゃ、行くか」
「ん、馬車楽しみ」
僕たちが乗る馬車は特別豪華なわけでもないが座り心地は良さそうだ。
「では、出発しますよ」
僕たちを乗せた馬車がゆっくりと皇都に向けて動き出した。
※
馬車が出発してから2時間。テオやヒューにユエン皇国について教えてもらいながら馬車のなかで過ごしていた。でももう限界。さっきから僕の首はカクンカクンしている。
「ヴィント様。お眠りになって構いませんよ。私の膝の上にいらしてください」
「ん~、ありがと。ミリアンヌ」
「……ヴィント、お前ほんとに16か?」
……確かに。こっちの世界に来てから寝る時間増えたし、ミリアンヌに抱っこしてもらうのも好きだ。もしかして、見た目の年齢に引っ張られてるのかな?どうしよ、このままだと本気で12才児になっちゃう…っ!
「眠いなら俺の上に来い。ヴィント」
「……や」
「でもそのままだとミリアンヌがきついぞ?」
「私は大丈夫ですよ、ヴィント様。吸血鬼になって体力も増えましたし」
ミリアンヌはそう言ってくれるがミリアンヌとて女の子だ。同じ女の子だとしても、さすがに重いだろう。
「…ううん、ありがと。ミリアンヌ。でも今回はテオにお願いするね」
「そう、ですか。かしこまりました」
それになんだろう。テオの膝抱っこと考えると心がフワフワする。
「よし、こっち来い。ヴィント」
ミリアンヌがテオに僕を渡す。…座ってみると、ミリアンヌと比べて筋肉があるから固いが、暖かくて居心地がいい。
「…テオ、なんか魔法使ってる?」
「いや、使ってないがどうした?」
「…テオと一緒にいると変な動悸するの」
「…………!?」
テオの体がビクッと動いたように感じたが気のせいだろう。言いたいことだけ言った僕はそのまま、テオの膝の上で瞼を落としていった。
※その後の馬車内※
「…ヴィント様に不埒な真似をしたら貴方を殺します」
「……あぁ、分かってる。…ミリアンヌ、こいつは鈍感なのか?」
「勘違いしないでください。ヴィント様は変な動悸がすると言っただけです。貴方のことが好きだなんて一言も言ってませんから!」
「あぁ。そうだよな。うん、あまり期待しても落ち込むだけだ。別に好きとは言われてない、好きとは言われてない…」
と自分に言い聞かすテオフィールと
「あぁ、ヴィント様がこの男に想いを寄せてらっしゃる?どうしよう、ヴィント様が盗られちゃうっ!早く森に帰らなければ…」
とブツブツ呟くミリアンヌ、そして
「いい大人がこんなに振り回されるとは…」
とテオフィールを冷めた目で見るヒュー。
そんなカオスが広がっていたとかいなかったとか……
小屋から飛び立ち早10分。森の外が見えてきました。念のため"隠密"も使ったから戦闘はなし。空飛べるっていいね。
「ヴィント様。騎士団の者たちです」
テオたちの姿も見えてきたけど僕たちには気づいてないみたい。
「テオ~」
「おっ、来たな。すげえな、自分の血でつくってあるのか。その羽」
「うん、便利だよ」
「いいなぁ、俺も飛んでみたいぜ」
「風属性の魔法使えないの?」
「俺のステータスみるか?」
ステータス
名前:テオフィール・ハミルトン
年齢:263
性別:男
種族:人間
身長、体重:213㎝、99.8㎏
レベル:201
HP:210000
MP:203000
魔法適正:火、土、時
魔法:空間収納、火弾、土弾、
身体強化、土壁
スキル:剣術Lv.10、槍術Lv.7、
気配察知Lv.7、魔力感知Lv.3
体術Lv.6、隠密Lv.4、
加護:戦女神の加護、
火・土の精霊王の加護
称号:超越者
「風魔法は持ってないんだね~。あとで僕が一緒に飛んであげるよ」
「まじで!?楽しみにしとくわ」
へぇ~、意外と子供っぽいところもあるんだね~。なんか可愛いかも。
「ていうか、年齢が263才ってどういうこと?"超越者"の称号と関係あるの?」
年が263っておじいちゃんじゃん。
「超越者ってのは強さの限界を越えた亜人や人間に与えられる称号だ。病気や寿命で死ぬことはない。HPが0にならない限りな」
「ふ~ん、そうなんだ。テオは強いんだね~。あとで僕と手合わせしてよ」
めんどくさいのは嫌いだけど、こういうのはね~。ゲーマーの血が疼くっていうか、もっと強くなりたい!って思っちゃうんだよね~。
「いいぜ。俺もヴィントと手合わせしたいって思ってたところだ」
「んじゃ、決まりね。とっとと皇都に行こ」
「了解。お前は俺とヒュー、あとそこのメイドと一緒に馬車な」
「おぉ~。初めて乗るよ、楽しみ~。ミリアンヌは乗ったことあるよね?」
「はい、一応公爵令嬢でしたから」
そうだよね~。公爵令嬢が馬車使わないって聞いたらびっくりするよ。
「はぁ~?あんた、公爵令嬢だったのか。道理で言葉遣いが丁寧だと思った。どこの国出身だ?」
「アーノルド王国です」
「てことはあんたが国外追放の令嬢かい?すごい偶然もあったものだな」
「みなさん、お喋りはそこまでにしてください。出発しますよ」
「あぁ、了解。じゃ、行くか」
「ん、馬車楽しみ」
僕たちが乗る馬車は特別豪華なわけでもないが座り心地は良さそうだ。
「では、出発しますよ」
僕たちを乗せた馬車がゆっくりと皇都に向けて動き出した。
※
馬車が出発してから2時間。テオやヒューにユエン皇国について教えてもらいながら馬車のなかで過ごしていた。でももう限界。さっきから僕の首はカクンカクンしている。
「ヴィント様。お眠りになって構いませんよ。私の膝の上にいらしてください」
「ん~、ありがと。ミリアンヌ」
「……ヴィント、お前ほんとに16か?」
……確かに。こっちの世界に来てから寝る時間増えたし、ミリアンヌに抱っこしてもらうのも好きだ。もしかして、見た目の年齢に引っ張られてるのかな?どうしよ、このままだと本気で12才児になっちゃう…っ!
「眠いなら俺の上に来い。ヴィント」
「……や」
「でもそのままだとミリアンヌがきついぞ?」
「私は大丈夫ですよ、ヴィント様。吸血鬼になって体力も増えましたし」
ミリアンヌはそう言ってくれるがミリアンヌとて女の子だ。同じ女の子だとしても、さすがに重いだろう。
「…ううん、ありがと。ミリアンヌ。でも今回はテオにお願いするね」
「そう、ですか。かしこまりました」
それになんだろう。テオの膝抱っこと考えると心がフワフワする。
「よし、こっち来い。ヴィント」
ミリアンヌがテオに僕を渡す。…座ってみると、ミリアンヌと比べて筋肉があるから固いが、暖かくて居心地がいい。
「…テオ、なんか魔法使ってる?」
「いや、使ってないがどうした?」
「…テオと一緒にいると変な動悸するの」
「…………!?」
テオの体がビクッと動いたように感じたが気のせいだろう。言いたいことだけ言った僕はそのまま、テオの膝の上で瞼を落としていった。
※その後の馬車内※
「…ヴィント様に不埒な真似をしたら貴方を殺します」
「……あぁ、分かってる。…ミリアンヌ、こいつは鈍感なのか?」
「勘違いしないでください。ヴィント様は変な動悸がすると言っただけです。貴方のことが好きだなんて一言も言ってませんから!」
「あぁ。そうだよな。うん、あまり期待しても落ち込むだけだ。別に好きとは言われてない、好きとは言われてない…」
と自分に言い聞かすテオフィールと
「あぁ、ヴィント様がこの男に想いを寄せてらっしゃる?どうしよう、ヴィント様が盗られちゃうっ!早く森に帰らなければ…」
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