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私の過去
しおりを挟む小学校のころから変わった子供だった。
ずっと五年生くらいまで友達と言える人が1人もいなかった。なぜか女の子と関わるのが苦手でずっと男子のなかに女子1人で遊んでいた。奇妙な話、当時は男の子になりたいという一心で髪の毛をショートにし、格好も男の子の様な身なりをしていたほどである。
しかしそんな私も五年生になると異性と一緒にいることに違和感を覚え、
自然と同性の友達と仲良くする様になっていった。それでも変人であることには全く変わりはなく、共通の話題がなくて自然と仲間外れにされてしまう時もあった。
変人だった私も実は一度だけ恋をした。同じ学校の同級生に。
これが恋だってわかった時、誰かに自分の気持ちを知ってもらいたくて気がついたら自分が恋していることを母親と祖母に話してしまっていた。今思えばあまりにもばかけた行動だが、恐らく当時の自分は恋と上手くやっていく方法がよくわかっていなかったのだと思う。
それにしてもずいぶん長い片思いであった。三年生の頃から卒業までの三年間、ずっと片思いをしていた。いつかドラマや小説に描いた様な恋ができるのではないかと小学生の私は思っていた。
でも自分から好きですなんて、怖くて言えなかった。ただ向こうから好きっていってくれるのではないかと期待し続けた自分がいた。
月日だけが流れていき、結局虚しく卒業を迎え、あれから一度も話すことは愚か、会った覚えすらない。彼は今どうしているのだろうか。たまに思い出すと胸が締め付けられる感覚に陥る。
中学校に上がると自分の愚かさを目の当たりにする様になる。
コミュニケーションが苦手。一つのことしか集中することができない。おまけに自分で考えることもできない。これらの私の特性が私の性格をどんどん根暗にしていった。
クラスメイトについ迷惑をかけてしまう日々。クラスメイトに冷たい目で見られることがどれほど辛かったか今でも鮮明に記憶に刻まれている。常に学校の仕事が上手くできなくて皆に対する罪悪感に苛まれていた。
元々ガラスの様に繊細で何事にもすぐに落ち込んでしまう私はどんどんネガティブになっていった。どうせ私なんていらないが口癖になっていた。
学校にいるときは必死で平静さを保っていたが家に返ってきた瞬間に泣き崩れる毎日だった。数少ない友達に少しでも冷たい態度を取られた時でさえ、どん底に落ちた様な悲しみに襲われ、家では泣きじゃくっていた。今振り返ればそんな些細なことと思うが、当時は毎晩母親に悲しみをぶつけてしまうほど、毎日が本当に辛かった。
とにかくネガティブな人間で自分のことをダメ人間呼ばわりしていた。
生きてる意味を失って死のうと本気で考えていたほどだ。
中学二年の頃、進路について悩むことが増えた。中学校が中高一貫校の付属であり、高校に進学するにあたってこのままでは命が危ないと感じる様になった。もうこんな中学校にいるのは限界だ。一刻も早く抜け出したい。ただ当時の学力は外部に進学することが厳しすぎるほど低かった。中学二年生の冬の模擬試験で三教科偏差値41。当時通っていた中学校よりも低く、外部に進学することを諦めかけていた。
私を苦しめたことがもう一つ。
それは数学。小学校の頃から数学は大嫌いで休み時間に先生に呼び出されては補習を食らってた。
仕事に忙しい父親が私に時間を割いてまで数学をみてくれる時があったが大体私には理解が出来ず、いつも喧嘩ばかりして数学なんてわからずじまい。中学校二年生までの数学で30点以上をとった記憶がない。
それでも中学二年生の時に数学の先生が熱心な人だったから苦手な数学を克服しようと努力した。数学の授業を真面目に受け、放課後は数学の先生に質問をしにいき、
家に帰ったら父に数学をみてもらって必死で頑張った。それでもテストはいつも30点以下。
特に中学校二年生の二学期期末テストではあまりにも衝撃的だった。
数学に1日ほとんど時間を捧げたにも関わらず、結果は28点。40点は取れた自信があったがあの時、テスト結果が返されて見えた28という数字は今でも忘れていない。
逆に授業を真面目に受けていなかった友人が60点をとっていて、それがとても悔しかった。試験の解説中、悔しくてずっと涙を堪え、家に帰った瞬間、溜めていた涙が溢れ出てきて声をあげて泣いた。困惑している家族を前にして。その時、両親には本当に迷惑をかけていて申し訳なさでいっぱいだった。
努力してもダメだった。努力したって意味ないんだ。
私は熱血な先生のおかげで好きになりかけていた数学がまた大嫌いになった。
学校に行くのが嫌だと嘆いていた日々。
数学なんてもう一生解きたくない、努力したって無駄だと思っていた日々。
そんな自分を変えたいとどこかで思っていた。そして自分の全てを変えるきっかけを作る出来事がついに起こる。
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