目が覚めたらクソ小説の世界のモブに転生していました。~悪役令嬢・その他救済計画!~

ましゅぺちーの

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悪役令嬢とヒーロー

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それからしばらくして、私とシャルロッテのクラスの教室に着いた。
シャルロッテと共に、教室に貼られている座席表を見に行く。


(私の席は……シャルロッテの前だわ!これでもっと仲良くなれそう!)


何と私の席はシャルロッテの前だった。
これはもうそういう運命としか思えない。
もしかして、神様が私に味方してくれたのだろうか。


「あら、エルシア様と近いみたいです」


シャルロッテが私に対してニッコリと微笑む。
その笑みには、どこか安堵感が含まれていた。


「シャルロッテ様と席が近くてよかったです!」


(ああ、シャルロッテが天使すぎる……)


ついさっきまではレイチェルのことを天使だと思っていたけど、あんな姿を見た後ではシャルロッテの方がよっぽど天使だといえる。


(えっと……隣は……げッ!カイル・フォース!?最悪だ……しかもその後ろはレオンハルトだ……まぁシャルロッテとレオンハルトは婚約者同士だから納得だけど、何で私の隣がカイルなのよッ!)


私の隣の席は何故かあのカイル・フォースだった。
私を死ぬほど嫌い、見下しているあのカイル・フォース。


ちなみにエルシアの体で過ごしている間に、彼女の体に入り込む前の記憶がなだれ込んできた。
彼女の記憶によると、どうやらカイル・フォースは昔からエルシアを嫌っているようだった。
そんな人と隣の席だなんて、憂鬱だ。


「わ、私……レオンハルト殿下と隣……」


座席表をじっと見つめていたシャルロッテが頬を染めて俯いた。


「いいじゃないですか。私なんてカイル・フォースですよ。最悪ですね、本当に。こんなにツイてない日は初めてです」


私の言葉を聞いたシャルロッテは、顔を上げて意外そうに目を丸くした。


「フォース公爵家のカイル様ですか?あの方は素敵な方だとお聞きしていますよ」


(素敵な方……?あいつが……?)


小説の中でのカイルはいわゆる脳筋男だった。
何でも力で解決しようとする武闘派で、剣術の腕は王国で一番とまで言われていた。


(それでレイチェルをかけてレオンハルトに決闘を申し込むのだけれど結局は負けちゃうのよね……本来ならカイルの方が剣術の腕は上だけど、あのときのカイルはレオンハルトに対する憎しみで理性を失っていた……だからレオンハルトに負けちゃったんだよなぁ)


最終的にカイルはレオンハルトと和解することとなるが、結局は戦争で戦死してしまう。


(親友と自身が初めて惚れた女のために自ら最前線に行って帝国軍と戦う姿……今思うとすごいかっこよかったなぁ……)


って私は一体何を考えているのだろうか。
慌ててブンブンと首を横に振る。


「……エルシア様?」
「あっ、ごめんなさい、シャルロッテ様。そろそろ席に着きましょうか!」
「はい、そうしましょう」


席に向かうとレオンハルトとカイルは既に席についていた。


「……チッ、何でお前が隣なんだよ……」


私が席に着くと、カイルはあからさまに嫌そうな顔をした。


(すいませんねぇ?私が隣で)


後でしばきたい。
後ろをチラリと見て状況を確認するものの、相変わらず二人は無言だ。


シャルロッテはモジモジしていて、レオンハルトは彼女を出来るだけ視界に入れないようにしているのか窓の外をじっと眺めている。


(この二人にはまだまだ溝がありそう……とりあえずレオンハルトの誤解を解く必要があるわね……シャルロッテがどれだけレオンハルトのことが好きか分からせなければ!)


そう思い、私は椅子ごとシャルロッテの方を向いた。


「シャルロッテ様ッ!」
「エ、エルシア様?」


顔を真っ赤に染めたシャルロッテは、私に突然声を掛けられてビクッと肩を震わせた。


「シャルロッテ様って本当にレオンハルト殿下のことが大好きですよね!」
「エルシア様、急に何を―!?」


シャルロッテが慌てふためく。
私の言葉に、レオンハルトはこちらを向いた。


(よしよし、作戦通り!)


「子供の頃レオンハルト殿下の肖像画に一目惚れして皇帝陛下に婚約をねだったんでしょう?レオンハルト殿下のことになるといつも顔が赤くなりますもんね!だけどレオンハルト殿下を前にすると緊張して喋れなくなっちゃうんですよね!」
「エ、エルシア様!恥ずかしいのでやめてくださいまし!というか、どうしてそれを知っているんですか!?話した覚えは無いのですが!」


それを聞いたレオンハルトは驚いたような目でシャルロッテを見つめている。
とてもじゃないが信じられない、といったような顔だ。
レオンハルトがじっと自身を見つめていることに気付いたシャルロッテは、赤くなった顔を両手で隠している。


(これでとりあえず、レオンハルトの誤解が解けたかな……)


ひとまずやれることはやった。
後はこの二人次第だ。


レオンハルトは相変わらずシャルロッテをじっと見つめている。


(話しかけなさい……シャルロッテとの仲を深めるのよ……)


「――授業を始めるぞ!」


担任教師が入ってきたのはそんなときだった。


(もうッ!邪魔しないでよね!)


私は心の中で悪態をつきながらも、椅子を前に戻した。


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